第13戦ヨーロッパGPの予選は、2日連続で断続的に雨が降る不安定な天候となりましたが、初日4番手と好調なスタートを切った中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が3番手につけ、2戦連続フロントローを獲得しました。前戦テルエルGPで初ポールポジションを獲得した中上は、今大会も好調をキープ。念願の初表彰台と初優勝に向けて、また一歩前進しました。
初日に続き、この日もまた朝方まで強い雨が降り続け、FP3はウエットコンディションの中で行われました。前日からの好調をキープした中上はセッション3番手。しかし、ウエットコンディションのため3回のフリー走行の総合順位は変わらず、総合4番手タイムでQ2進出を果たしました。
その後に行われたFP4もウエットコンディションとなり、前後ソフトタイヤでコースインした中上は、30分間のセッションを1分42秒から43秒台で連続周回し、ウエットコンディションでのセットアップを進めました。そして、Q1から進出した2台を加えた12台で行われたQ2では、すばらしい走りをみせてフロントローを獲得しました。
Q2では部分的にライン上が乾き始めていたことから、前後ミディアムのレインタイヤでコースインした中上は、5周目に1分40秒530をマークして首位に浮上。さらにタイム短縮を狙いましたが最終コーナーで転倒を喫しました。
その後、P.エスパルガロ(KTM)、A.リンス(スズキ)の両選手にタイムを更新されますが、フロントローに並んだ3人のタイム差は、わずか0.096秒という大接戦。2戦連続ポールポジションこそ逃しましたが、今季3回目のフロントローを獲得。決勝では、初表彰台と初優勝に全力で挑みます。
初日、ミスをして総合14位に終わっていたステファン・ブラドル(Repsol Honda Team)は、FP3がウエットコンディションになったことからタイムを更新できず、Q1からの予選となりました。そのQ1では惜しくも3番手。0.189秒というわずかの差でQ2進出を逃しました。しかしレースをこなすごとにレギュラーライダーと遜色ない走りをみせているブラドルは、Q1では代役出場10戦目にして限界まで攻めたという走りをみせました。惜しくも転倒しましたが、今季ベストの13番グリッドから、第10戦フランスGPの8位をしのぐベストリザルト獲得に挑みます。
過去3戦連続で表彰台争いを繰り広げ、第10戦フランスGP、第11戦アラゴンGPで連続2位、第12戦テルエルGPで転倒を喫したアレックス・マルケス(Repsol Honda Team)は、14番グリッドから決勝に挑みます。
転倒の影響で初日16番手だったアレックス・マルケスは、2日目のFP3はウエットコンディションとなりダイレクトでのQ2進出を果たせませんでしたが、FP3、FP4ともに7番手タイムをマークしました。そして迎えたQ1では、ブラドルとともにQ2進出に挑む戦いを繰り広げましたが、わずかに届かず14番グリッドが確定しました。しかし決勝に強いアレックス・マルケスだけに、ブラドルとともに追い上げのレースが期待されます。
右肩のじん帯を痛めているカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)も、FP3がウエットコンディションとなったためにダイレクトでのQ2進出は果たせませんでした。しかしFP3では5番手と、ウエットコンディションで快調にラップを刻みました。大接戦となったQ1では残念ながら6番手に終わり、16番グリッドが確定。決勝では追い上げのレースに挑みます。
中上貴晶(MotoGP 3番手)
「前回に続きフロントローを獲得できてとてもうれしいです。今回はポールポジションではありませんが、3番手はすばらしい結果です。Q2の最後に小さなミスをしてしまいました。プッシュしすぎて、最終コーナーで転倒してしまいました。しかしこのようなコンディションでベストを尽くしてフロントローを獲得できたことはよかったです。チームにお礼を言いたいです。明日が楽しみです。レースで戦う準備はできています」
ステファン・ブラドル(MotoGP 13番手)
「今日の予選は限界まで攻めることができました。今日はウエットでとてもいいフィーリングがありました。Q1は路面の状態がどんどんよくなり、タイヤをうまくコントロールしなければなりませんでした。なぜなら乾いた路面でタイヤがオーバーヒートし始めたからです。そのため最後のラップは全力で乾いたライン上を走りました。8コーナーでは転倒するか、Q2へ進めるかどちらかだと思いましたが、残念ながら転倒してしまいました。ケガはありません。今日はQ2へ進めませんでしたが満足しています。いいフィーリングがあり、いいスピードをみせることができました」
アレックス・マルケス(MotoGP 14番手)
「今日は前方のグリッドを獲得するチャンスがありましたが、コンディションがよくありませんでした。2つのコーナーだけ中途半端な路面コンディションで、そのほかは乾いてきていました。自分のタイムは思ったよりよかったですし、Q2では8番手にもなれたと思います。このサーキットでは、まだフルドライで走ったことがないので、明日ドライになったら難しいレースになると思います。そして、みんなどのタイヤを使うのかを決めなければなりません。いろいろなことが起こり得るので、明日がどうなるか様子を見なければなりません」
カル・クラッチロー(MotoGP 16番手)
「今日は思っていたような予選にはなりませんでした。残念ながらQ2へ直接進めませんでした。難しい路面コンディションと、マシンのフィーリングが完全ではなく、Q1からの予選は難しかったです。今回はドライで走行していないので、明日のレースはどうなるかよく分かりません。明日の午前中はいいコンディションになって、レースへ向けてセットアップを進められることを願っています」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム |
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1 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | 1'40.434 |
2 | 42 | A.リンス | スズキ | 1'40.475 |
3 | 30 | 中上貴晶 | ![]() | 1'40.530 |
4 | 5 | J.ザルコ | ドゥカティ | 1'40.577 |
5 | 36 | J.ミル | スズキ | 1'40.704 |
6 | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | 1'40.893 |
7 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | 1'40.997 |
8 | 88 | M.オリベイラ | KTM | 1'41.328 |
9 | 21 | F.モルビデリ | ヤマハ | 1'41.557 |
10 | 33 | B.ビンダー | KTM | 1'41.781 |
11 | 20 | F.クアルタラロ | ヤマハ | 1'41.943 |
12 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | 1'42.249 |
13 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | 1'41.010 |
14 | 73 | アレックス・マルケス | ![]() | 1'41.276 |
15 | 12 | M.ビニャーレス | ヤマハ | 1'41.310 |
16 | 35 | カル・クラッチロー | ![]() | 1'41.311 |
17 | 63 | F.バニャイア | ドゥカティ | 1'41.395 |
18 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | 1'42.039 |
19 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | 1'42.244 |
20 | 32 | L.サバドーリ | アプリリア | 1'42.532 |
21 | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | 1'43.030 |