第9戦カタルニアGPの予選は、Honda勢にとっては、厳しい結果となりました。初日のフリー走行で5番手につけた中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、FP3で転倒を喫し総合15番手にダウン。Q1から予選に挑むことになり、Q1で2番手タイムをマークしてQ2へと進出しますが、Q1で新品タイヤを2本を使用したことで、Q2では新品タイヤを1本しか使えず、思うようにタイムを伸ばせず11番グリッドになりました。Q1では1分39秒547の今大会の自己ベストをマークしました。Q2ではさらにタイムを更新する予定でしたが、1分39秒713とベストタイムに届かず、悔しい予選となりました。
しかし、決勝に向けて重要なセッションとなるFP4では1分40秒台から41秒台前半のタイムで周回を重ねました。決勝に向けてタイヤの選択が難しい状況ですが、イタリアのミサノ同様、追い上げのレースが期待されます。
イタリアのミサノで行われた2連戦を欠場し、カタルニアGPに復帰したカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、フリー走行で総合16番手。チームメートの中上同様、Q1からの予選となり、このセッションで6番手だったことで16番グリッドが確定しました。右腕の状態が完全ではありませんが、後方からの追い上げのレースに挑みます。
初日のフリー走行で9番手と好調なスタートを切ったアレックス・マルケス(Repsol Honda Team)は、FP3でもタイムを短縮しましたが、総合で19番手に後退。Q1からの予選となり18番グリッドが確定しました。フリー走行、予選とセッションをこなすごとに確実にタイムを短縮しました。ホームGPとなる今大会は、前戦エミリア=ロマーニャGPでマークしたベストグリッドの7位をしのぐ意気込みです。
スペインGPで右腕上腕を骨折したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の代役として5戦目の出場となるステファン・ブラドルは、フリー走行、予選と着実にタイムを短縮、20番グリッドから追い上げのレースに挑みます。
今大会、Honda勢は3戦ぶりに2チーム4人がそろうレースとなりました。残念ながらトップ10を逃しましたが、決勝では、全選手がポジションアップと表彰台獲得を目指します。
中上貴晶(MotoGP 11番手)
「FP3では最後のアタックでタイムを更新しようとがんばりましたが、2コーナーで転倒してしまいました。フロントタイヤを十分温めきれなかったからです。この転倒でトップ10に入れるチャンスを逃し、Q1からのスタートになりました。チームに申し訳ないと思っています。Q1は思った通りに走れたしラップタイムも満足いくものでした。今週末の自己ベストでした。とてもポジティブでした。しかし、Q2では新品タイヤがほかのライダーが2本あったのに対して、Q1からスタートした僕には1本しかありませんでした。そのため11番手がやっとでした。午前中に転倒していたこともあり状況もあまりよくありませんでした。それでも11番手はそれほど悪くありません。1番の問題は決勝に向けてのタイヤマネジメントですが、このサーキットはとても長いので難しいです。でもFP4ではいいペースがありました。これはいい兆候です。ベストを尽くします。うまくいけば、いいポジションを獲得することができると思います」
カル・クラッチロー(MotoGP 16番手)
「今日はかなりポジティブでした。いい形でプッシュできました。まだ腕に痛みがあるので、コントロールしながら走っていますが、Q2に進めず残念でした。Q2に入れるペースがありましたが、クリアラップを取ることができませんでした。同じことがFP3のアタックでも起きました。僕の前を走るライダーが最終セクターで遅れたことで、僕のラップも無駄になりました。その次のラップでも前のライダーが1コーナーでミスをしてしまい、再び遅れてしまいました。でもこのようなことは起きるものです。今日は16番手でしたが、明日のレースペースに関してはとてもポジティブです。追い上げていいレースができると思います」
アレックス・マルケス(MotoGP 18番手)
「今日は難しい状況でした。昨日のようにラップタイムを大きく更新することができませんでした。昨日は1分40秒4でしたが、今日は40秒1。あまり前進できませんでした。そのため少し後方に下がってしまいました。明日のウォームアップでは電気系やリアグリップを改善できるようなセッティングにトライしたいと思います。明日はタイヤマネジメントも重要です。まだグリップがあまりよくないので、解決策を見つける必要があります」
ステファン・ブラドル(MotoGP 20番手)
「今日はまずまずの日でしたが、FP4で転倒してしまったのは少し残念でした。FP4の走り始めはかなりよくてペースにも満足していました。その後、セットアップを少し調整しようと思っていましたが、転倒してしまったため、計画通り進まなくなりました。今日は全体的には満足していますが、もう少しいい走りをしたかったです。なぜならFP4のペースがよかったからです。明日のレースでは、序盤から追い上げて自分のレースに集中したいです。気温が低いときのこのサーキットは難しいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム |
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1 | 21 | F.モルビデリ | ヤマハ | 1'38.798 |
2 | 20 | F.クアルタラロ | ヤマハ | 1'39.008 |
3 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | 1'39.129 |
4 | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | 1'39.225 |
5 | 12 | M.ビニャーレス | ヤマハ | 1'39.371 |
6 | 5 | J.ザルコ | ドゥカティ | 1'39.378 |
7 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | 1'39.495 |
8 | 36 | J.ミル | スズキ | 1'39.628 |
9 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | 1'39.641 |
10 | 33 | B.ビンダー | KTM | 1'39.659 |
11 | 30 | 中上貴晶 | 1'39.713 | |
12 | 88 | M.オリベイラ | KTM | 1'40.188 |
13 | 42 | A.リンス | スズキ | 1'39.751 |
14 | 63 | F.バニャイア | ドゥカティ | 1'39.777 |
15 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | 1'39.973 |
16 | 35 | カル・クラッチロー | 1'39.988 | |
17 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | 1'40.109 |
18 | 73 | アレックス・マルケス | 1'40.164 | |
19 | 27 | I.レクオナ | KTM | 1'40.490 |
20 | 6 | ステファン・ブラドル | 1'40.721 | |
21 | 38 | B.スミス | アプリリア | 1'40.838 |
22 | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | 1'41.013 |