第9戦カタルニアGPのフリー走行は終日青空が広がる中で行われましたが、強い風が吹きつけたことから路面温度が上がらず、タイヤのパフォーマンスを引き出すのに苦労する一日となりました。例年、カタルニアGPは5月下旬から6月中旬にかけて行われます。今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により9月下旬の開催となり、これまでのデータを有効に使えない一日となりました。
そうした状況の中で、中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、タイヤのグリップを引き出すのに苦労しましたが、FP1、FP2と着実にタイムを短縮。総合5番手で初日を終えました。土曜日の予選では今季2回目のフロントロー獲得に挑みます。
前戦エミリア=ロマーニャGPでベストリザルトの7位でフィニッシュ、昇り調子でホームGPを迎えたアレックス・マルケス(Repsol Honda Team)が9番手。今季最もよいポジションで初日を終えました。カタルニア・サーキットは、Moto3&Moto2で優勝しているサーキットです。FP1はMotoGPマシンで初めて走るセッションとなり、さまざまなことを確認しながらの走行となり、トップから1.630秒差の20番手。しかし午後に行われたFP2では約1.5秒の大幅なタイム短縮に成功し、セッション8番手に浮上。総合9番手で初日を終えました。FP3ではダイレクトでのQ2進出を目指し、予選ではベストグリッド獲得に挑みます。
右腕の腕上がりの手術からの回復を待つため、第7戦サンマリノGPと第8戦エミリア=ロマーニャGPの2連戦を欠場したカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、3連戦最後の戦いとなる第9戦カタロニアGPに復帰しました。大会前には左足首のじん帯を痛めるハプニングがありましたが、FP1を9番手、FP2は着実にタイムを短縮するもトップから1秒差に13台という大接戦となり、総合13番手で復帰戦初日を走り終えました。土曜日の予選では、さらに上位を目指します。
第2戦スペインGPで右腕上腕を骨折し、治療とリハビリを続けているマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の代役として6戦目の出場となるステファン・ブラドルは、19番手でした。前戦エミリア=ロマーニャGPでは、右腕の不調のため初日のフリー走行を終えて欠場しました。代役として5戦目の決勝出場となる今大会はポイント獲得に挑みます。
中上貴晶(MotoGP 5番手)
「今日は難しい一日でした。コンディションがあまりよくありませんでした。通常、FP1からFP2にかけてはラバーが路面に乗り、グリップが上がります。しかし今日はグリップが改善されませんでした。風がとても強かったことが影響しました。午後は午前中よりもひどかったかもしれません。とても難しいコンディションでした。マシンをコントロールするのがとてもたいへんでした。FP2の最後に新品のソフトリアタイヤを使い、ラップタイムを更新して5番手で終えることができました。トップ10に入ることができたので、その点ではいいスタートになりました。ですが、レースディスタンスをもっと改善しなければいけません。ミディアムコンパウンドであまりいいラップを刻めていないからです。明日に向けていいマシンが準備できるよう一生懸命取り組みます」
アレックス・マルケス(MotoGP 9番手)
「悪くない一日でした。9番手タイムを出すことができてとてもポジティブです。今日はライダー全員が全力でプッシュしていたわけではないと思いますが、それでも十分ポジティブです。リアグリップに少し苦戦しましたが、マシンのフィーリングはいいです。ここは素敵なサーキットですが、今日はグリップがなく、うまくコントロールしなければなりませんでした。明日は改善できることを願っています。初日の仕事には満足しています。これまでのレースやテストで学んできたことをすべて役立てています。進歩しています」
カル・クラッチロー(MotoGP 13番手)
「今日はチームとともにサーキットに戻ってくることができてよかったです。いい仕事ができました。昨年のレースと同じセッティングにトライしました。中盤と最後でとても強い走りができたのですが、今日はうまくいきませんでした。風のため、マシンがあまり安定しませんでした。非常に強い風が吹いていましたが、いい方向で仕事ができました。チームのみんなとピットで仕事ができてうれしいです。速さはまだ十分ではありませんが、強さはありました。足首の方は大丈夫でしたが、まだ腕に痛みがあり走行に影響しています。腕はかなりむくんでいます。できる限りの治療をして、明日もいい走りがしたいです」
ステファン・ブラドル(MotoGP 19番手)
「右腕の調子はいいです。先週末に比べてFP1はかなり調子がよかったです。全く問題がありませんでした。いいスタートを切ることができました。全体的なセットアップには満足しています。Hondaがミサノ以降、一歩前進したようです。残りのレースウイークに向けて、いいベースがあると思います。しかしFP2 の転倒は少し不思議でした。僕は無事でしたが、予定が少し狂ってしまいました。タイムアタックがきちんとできませんでした。でも、かなりいい方向に進んでいます」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
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1 | 21 | F.モルビデリ | ヤマハ | 1'39.789 |
2 | 5 | J.ザルコ | ドゥカティ | +0.109 |
3 | 33 | B.ビンダー | KTM | +0.219 |
4 | 12 | M.ビニャーレス | ヤマハ | +0.419 |
5 | 30 | 中上貴晶 | +0.623 | |
6 | 20 | F.クアルタラロ | ヤマハ | +0.642 |
7 | 36 | J.ミル | スズキ | +0.652 |
8 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | +0.685 |
9 | 73 | アレックス・マルケス | +0.689 | |
10 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +0.713 |
11 | 42 | A.リンス | スズキ | +0.749 |
12 | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | +0.837 |
13 | 35 | カル・クラッチロー | +0.965 | |
14 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | +1.002 |
15 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | +1.072 |
16 | 27 | I.レクオナ | KTM | +1.082 |
17 | 88 | M.オリベイラ | KTM | +1.239 |
18 | 38 | B.スミス | アプリリア | +1.306 |
19 | 6 | ステファン・ブラドル | +1.471 | |
20 | 63 | F.バニャイア | ドゥカティ | +1.548 |
21 | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | +1.884 |
22 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | +2.270 |