Moto2クラスは、フロントローから決勝に挑んだホルヘ・ナバロ(MB Conveyors Speed Up)、予選2番手のホルヘ・マルティン(Red bull KTM Ajo)、予選3番手のステファノ・マンシィ(MV Agusta Temporary Forward)、そして予選5番手のトーマス・ルティ(Dynavolt Intact GP)の4台がトップグループを形成しました。
その中から2周目にトップに浮上したルティとビンダーがやや抜け出し、2人の一騎打ちの様相となりました。そしてラスト2周でペースを挙げたビンダーがルティを突き放して3連勝を達成し、今季5勝目を挙げて総合2位を獲得しました。2位になったルティもこれで4戦連続で表彰台を獲得。1勝を含む通算8回の表彰台獲得を果たし、総合3位でシーズンを終えました。
その2人には届きませんでしたが、マンシィとのし烈な戦いを制してナバロが今季8回目の表彰台を獲得。総合4位でシーズンを終えました。初フロントローの3番手から初表彰台獲得に挑んだマンシィは僅差の4位でした。
以下、し烈なセカンドグループの戦いを制したホルヘ・マルティン(Red bull KTM Ajo)が5位、アウグスト・フェルナンデス(FLEXBOX HP 40)が6位、チャビ・ビエルゲ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が7位、ルカ・マリーニ(SKY Racing Team VR46)が8位。ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(MB Conveyors Speed Up)は、9位でフィニッシュしてMoto2クラスのルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得しました。10位にサム・ロース(Federal Oil Gresini Moto2)という結果でした。
初表彰台獲得に挑んだ長島哲太(ONEXOX TKKR SAG Team)はリアタイヤのグリップに苦しんで21位。総合14位でシーズンを終えました。IDEMITSU Honda Team Asiaのソムキャット・チャントラは23位に終わり、ポイント獲得は果たせませんでした。しかし、タイGPの9位を最高位に6回のポイント獲得を果たして総合21位。来季の活躍が期待されます。チームメートのディマス・エッキー・プラタマ(IDEMITSU Honda Team Asia)は25位でした。
ブラッド・ビンダー(Moto2 優勝)
「この一年、チームとKTMの仕事に感謝しています。シーズン序盤は簡単ではありませんでしたが、一生懸命取り組みました。僕たちはタイトル獲得まであと3ポイントでした。すばらしい結果です。レースウイークを通してだれのスリップストリームも使わず単独で走行してきました。今日はほかのライダーを追い越すのが少し大変でした。集中力を維持して、全力を尽くしました。そして最後に勝つことができました。Moto2クラス最後のレースを優勝で締めくくることができてよかったです」
トーマス・ルティ(Moto2 2位)
「表彰台を獲得できてとてもうれしいです。チャンピオンシップで2位を獲得できず少し残念ですが、再びレースで優勝争いができたのでとてもうれしいです。ブラッド(ビンダー)はすばらしいレースをしました。彼はとても強かったです。僕はレース序盤から力強い走りができましたが、中盤以降は風が強くなり、フロントタイヤに問題が出てきました。そのあと小さなミスをしてしまい、ブラッドが再び追いついてきました。彼は終盤全くミスをしませんでした。優勝できませんでしたが、今日の結果にはとても満足していますし、誇りに思っています。シーズン中盤戦は苦労しましたが、終盤戦は再び自信を取り戻しました。そして進むべき方向も分かりました。来年も同じチームで走ることができてとてもうれしいです。お互いのことがよく理解できるようになってきました。これが仕事に役に立っています。来年はどのようなことも可能です」
ホルヘ・ナバロ(Moto2 3位)
「今大会が100回目のグランプリでした。そのレースで、予選ではPPを獲得し決勝で3位になり表彰台に立つことができました。今日はスタートしてからフロントのフィーリングがどんどん変わっていくという難しいレースでしたが、最後まで走りきることができました。いくつかのコーナーでは、前の2人との差を縮めることができました。しかし、その他のコーナーでは、限界の走りでした。終盤はマンシィと戦わなければならず厳しいレースでしたが、今季8回目の表彰台を獲得できたことに満足しています」
アレックス・マルケス(30位)
「今日はベストを尽くしました。ノーポイントに終わったことをチームに謝りたいです。今日はミスをしてしまいました。今週末の僕は100%ではありませんでした。すべてをうまくコントロールするのが難しい状態でした。レースではベストを尽くしました。そして、レースを楽しむことができました。15番手から5番手まで追い上げることができました。オープニングラップの1コーナーから楽しもうと思いました。今日はファンの前で走ることができてとてもよかったです。残念ながらミスをしてしまい、コーナーでフロントから転倒してしまいました。でも110%の力を出していました。いつものように最高のマシンを準備してくれたチームに感謝しています。この瞬間を楽しみたいです。信じられないような一年でした。僕たちはワールドチャンピオンです。一生忘れることはできません」
ソムキャット・チャントラ(Moto2 23位)
「決して満足できる結果ではありませんが、完走することができました。Moto2クラスではこのコースを初めて走りました。もっといい結果を期待していましたが、ここバレンシアでは、多くのライダーが私よりいい走りをしていました。初めてのシーズンで23ポイントを獲得できましたが、もっと経験を積み重ねることが必要です。来年に向けて、しっかり準備をしていきます」
ディマス・エッキー・プラタマ(Moto2 25位)
「世界選手権に参戦できる機会を与えていただきとても幸せでした。残念なことはシーズン半ばに負傷して一時戦列を離れなくてはならなかったことです。世界選手権を戦うというのは容易ではなく、戦列を離れてからはなおさらでした。ライバルたちが戦っている中、7レースを走ることができませんでした。その後は、ステップバイステップで仕事をし、リズムを取り戻し、マレーシアで自己最高の18位の結果を得ることができました。バレンシアでは、コーナーのフィーリングがよくなかったため、結果につなげることができませんでした。とりあえず、これが最後のレースとなってしまいましたが、今後のチームの成功を心より願っています」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 41 | ブラッド・ビンダー | KTM | 25'30.766 |
2 | 12 | トーマス・ルティ | KALEX | +0.735 |
3 | 9 | ホルヘ・ナバロ | SPEED UP | +1.045 |
4 | 62 | ステファノ・マンシィ | MVアグスタ | +1.185 |
5 | 88 | ホルヘ・マルティン | KTM | +8.066 |
6 | 40 | アウグスト・フェルナンデス | KALEX | +8.311 |
7 | 97 | チャビ・ビエルゲ | KALEX | +9.922 |
8 | 10 | ルカ・マリーニ | KALEX | +11.085 |
9 | 21 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | SPEED UP | +11.739 |
10 | 22 | サム・ロース | KALEX | +12.362 |
11 | 54 | マティア・パシーニ | KALEX | +16.620 |
12 | 77 | ドミニク・エガーター | MVアグスタ | +17.160 |
13 | 96 | ジェイク・ディクソン | KTM | +17.595 |
14 | 33 | エネア・バスティアニーニ | KALEX | +17.624 |
15 | 87 | レミー・ガードナー | KALEX | +17.835 |
16 | 23 | マルセル・シュローター | KALEX | +18.090 |
17 | 7 | ロレンソ・バルダッサーリ | KALEX | +18.251 |
18 | 16 | ジョー・ロバーツ | KTM | +18.434 |
19 | 72 | マルコ・ベツェッキ | KTM | +19.829 |
20 | 5 | アンドレア・ロカテリ | KALEX | +20.278 |
21 | 45 | 長島哲太 | KALEX | +20.298 |
22 | 11 | ニッコロ・ブレガ | KALEX | +20.362 |
23 | 35 | ソムキャット・チャントラ | KALEX | +20.280 |
24 | 64 | ボウ・ベンドスナイダー | NTS | +25.732 |
25 | 20 | ディマス・エッキー・プラタマ | KALEX | +28.179 |
26 | 65 | フィリップ・エッテル | KTM | +28.392 |
27 | 70 | トマーゾ・マルコン | NTS | +32.617 |
28 | 18 | シャビ・カルデルス | KTM | +37.281 |
29 | 47 | アダム・ノロディン | KALEX | +37.410 |
30 | 73 | アレックス・マルケス | KALEX | +1'29.344 |
RT | 69 | ショーン・ディラン・ケリー | KTM | +2Laps |
RT | 3 | ルーカス・ツロヴィッチ | KTM | +11Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 73 | アレックス・マルケス | KALEX | 262 |
2 | 41 | ブラッド・ビンダー | KTM | 259 |
3 | 12 | トーマス・ルティ | KALEX | 250 |
4 | 9 | ホルヘ・ナバロ | SPEED UP | 226 |
5 | 40 | アウグスト・フェルナンデス | KALEX | 207 |
6 | 10 | ルカ・マリーニ | KALEX | 190 |
7 | 7 | ロレンソ・バルダッサーリ | KALEX | 171 |
8 | 23 | マルセル・シュローター | KALEX | 137 |
9 | 21 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | SPEED UP | 108 |
10 | 33 | エネア・バスティアニーニ | KALEX | 97 |
11 | 88 | ホルヘ・マルティン | KTM | 94 |
12 | 27 | イケル・レクオナ | KTM | 90 |
13 | 97 | チャビ・ビエルゲ | KALEX | 81 |
14 | 45 | 長島哲太 | KALEX | 78 |
15 | 87 | レミー・ガードナー | KALEX | 77 |
16 | 22 | サム・ロース | KALEX | 66 |
17 | 11 | ニッコロ・ブレガ | KALEX | 48 |
18 | 5 | アンドレア・ロカテリ | KALEX | 46 |
19 | 62 | ステファノ・マンシィ | MVアグスタ | 39 |
20 | 54 | マティア・パシーニ | KALEX | 35 |
21 | 35 | ソムキャット・チャントラ | KALEX | 23 |
22 | 77 | ドミニク・エガーター | MVアグスタ | 19 |
23 | 72 | マルコ・ベツェッキ | KTM | 17 |
24 | 24 | シモーネ・コルシ | NTS | 10 |
25 | 96 | ジェイク・ディクソン | KTM | 7 |
26 | 64 | ボウ・ベンドスナイダー | NTS | 7 |
27 | 2 | イェスコ・ラフィン | NTS | 6 |
28 | 16 | ジョー・ロバーツ | KTM | 4 |
29 | 3 | ルーカス・ツロヴィッチ | KTM | 3 |
30 | 89 | カイルール・イダム・パウィ | KALEX | 3 |
31 | 4 | スティーブン・オデンダル | NTS | 0 |
32 | 94 | ジョナス・フォルガー | KALEX | 0 |
33 | 65 | フィリップ・エッテル | KTM | 0 |
34 | 20 | ディマス・エッキー・プラタマ | KALEX | 0 |
35 | 18 | シャビ・カルデルス | KTM | 0 |
36 | 6 | ガブリエーレ・ルイウ | KALEX | 0 |
37 | 47 | アダム・ノロディン | KALEX | 0 |
38 | 36 | アンディ・イズディハール | KALEX | 0 |
39 | 19 | 名越哲平 | KALEX | 0 |
40 | 70 | トマーゾ・マルコン | NTS | 0 |
41 | 31 | ゲリー・サリム | KALEX | 0 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | KALEX | 442 |
2 | KTM | 281 |
3 | SPEED UP | 259 |
4 | MV AGUSTA | 45 |
5 | NTS | 11 |