Moto2クラスは、今大会、タイトル王手で迎えたアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が2位でフィニッシュし、念願のタイトルを獲得しました。
予選で今季6回目のポールポジションを獲得したマルケス弟は、スタートから積極的な走りをみせ、予選3番手から首位に浮上した総合3位のブラッド・ビンダー(Red Bull KTM Ajo)を追うかたちで周回を重ねました。そして、予選5番手からスタートした総合2位のトーマス・ルティ(Dynavolt Intact GP)がポジションを上げて3番手に浮上するという、緊張感あふれるオーダーとなりました。
マルケス弟は、このままビンダーが先着しても、ルティを抑えればチャンピオンが決まります。緊張感あふれる戦いとなりましたが、マルケス弟は18周に渡り、高い集中力でビンダーを追撃、そしてルティの追撃を振りきることに成功しました。
これで2014年のMoto3クラスに続き、2度目のタイトル獲得となりました。14年のチャンピオン獲得は、MotoGPクラスを制した兄マルク・マルケスと同一シーズンで同時チャンピオンという偉業達成でしたが、今年も兄マルクがMotoGPクラスを制しており、2度目の偉業達成となりました。
今大会優勝したのはビンダーで、前戦オーストラリアGPからの2連勝となり、今季4勝目で総合2位に浮上。ルティが3位になり、ビンダーと4ポイント差の総合3位になりました。
4位にはチャビ・ビエルゲ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)、5位にホルヘ・ナバロ(Beta Tools Speed Up)、6位にイケル・レクオナ(American Racing KTM)、7位にロレンソ・バルダッサーリ(FLEXBOX HP 40)と続き、このグループをリードした予選2番手の長島哲太(ONEXOX TKKR SAG Team)は、後半リアタイヤの消耗に苦しんで8位、マルセル・シュローター(Dynavolt Intact GP)が9位、ルカ・マリーニ(SKY Racing Team VR46)が10位という結果でした。
IDEMITSU Honda Team Asiaのディマス・エッキー・プラタマが今季ベストの18位。ソムキャット・チャントラは、13番手までポジションを上げましたが、8周目の最終コーナーで転倒、再スタートを切りましたが、ピットに戻りリタイアとなりました。
ブラッド・ビンダー(Moto2 優勝)
「今日の目標は優勝することでした。全力を尽くしました。危うく転倒しそうになり、コースを外れてしまいましたが、再びリードすることができました。アレックス(マルケス)に全力でプレッシャーを与えましたが、彼はすばらしいレースをしました。タイトルを獲得した彼におめでとうと言いたいです。今回のグランプリでできることはすべてやりました。そしてレースで勝つことができました。優勝できてうれしいです」
アレックス・マルケス(Moto2 2位)
「タイトルを獲得できてすばらしい気分です。とてもうれしいです。今シーズンは完ぺきでした。どのサーキットでも、そしてどんなコンディションでも、いい結果を残すことができました。悪い結果は忘れるようにして、いい結果を次のレースに最大限活かすようにしました。完ぺきなパッケージでした。そのおかげでワールドチャンピオンになることができました。今日フィニッシュラインを通過したとき、僕を支えてくれたすべての人のことが頭をよぎりました。今年はとてもハッピーでした。それがパフォーマンスにつながりました。チームは僕に自信を持たせてくれたし、しっかりサポートしてくれました。1年中この自信とサポートを感じていました。2019年を思い出すときは、このことも思い出すに違いありません。今は夢の中にいるようです。とにかく僕をサポートしてくれたチームのみんな、家族、友人、そしてスポンサーに感謝しています。この5年間、マルク・ファン・デル・ストラテン(チームオーナー)の愛情と信頼に感謝しています」
トーマス・ルティ(Moto2 3位)
「タイトルを獲得したアレックスにおめでとうと言いたいです。僕は表彰台を獲得できてとてもうれしいです。今日はすべての思いをレースにぶつけました。前の2人はとても強かったです。2人とも同じ走り方で、彼らに近づこうとするとフロントが切れ込みました。今日はミスができないポジションにいました。ミスをせずに限界まで、そしてときには限界を超えて走りました、今日はそれが一番重要なことでした。表彰台を獲得できたことはうれしいですが、最終戦決着に持ち込めず残念でした。チャンピオンシップに負けたのは、シーズン中盤に苦戦した時期があったからです。その時期、アレックスはたくさんポイントを獲得し、僕はポイントをたくさん失いました。でもポジティブに考えたいです。再び表彰台に戻ってくることができました。今はバレンシアが楽しみです。もう一度アタックしたいです」
長島哲太(Moto2 8位)
「序盤はいいペースで走れていたのですが、後半はリアタイヤのグリップが落ちて、ペースを落としてしまいました。データを見るとタイヤの温度が異常に上がっていて、それがグリップを落とした原因だと思います、その原因がなにかをしっかり追求したいです。今大会は予選までは完ぺきだったので本当に残念です」
ディマス・エッキー・プラタマ(Moto2 18位)
「レースウイークを通じて順調に仕事を進めることができました。チームはいいセッティングを施し、とても助けてくれました。ウォームアップではフルタンク、ユーズドタイヤで走行しましたが、フィーリングはよかったです。レース中は、自分のペースをしっかりキープし、ベストリザルトを得ることができました。ディクソンを追い抜くことができていれば、また違った結果を得られていたと思います。最後にアフリザ・ムナンダル選手のご家族、ご友人の皆さんに哀悼の意を表します」
ソムキャット・チャントラ(Moto2 リタイア)
「今日の気持ちを言い表すのはとても難しいです。いいレースができていました。ラップタイムも8番手くらいでした。フィーリングはよく、21番手からのスタートでしたが、多くのライダーを追い抜くことができました。しかし、最終コーナーでミスを犯して転倒してしまいました。いい結果が得られそうだっただけにとても残念です。この失敗から学ばなくてはいけません」
| 順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 41 | ブラッド・ビンダー | KTM | 38'07.843 |
| 2 | 73 | アレックス・マルケス | KALEX | +0.758 |
| 3 | 12 | トーマス・ルティ | KALEX | +2.683 |
| 4 | 97 | チャビ・ビエルゲ | KALEX | +6.646 |
| 5 | 9 | ホルヘ・ナバロ | SPEED UP | +7.114 |
| 6 | 27 | イケル・レクオナ | KTM | +8.582 |
| 7 | 7 | ロレンソ・バルダッサーリ | KALEX | +9.232 |
| 8 | 45 | 長島哲太 | KALEX | +10.180 |
| 9 | 23 | マルセル・シュローター | KALEX | +10.807 |
| 10 | 10 | ルカ・マリーニ | KALEX | +14.585 |
| 11 | 40 | アウグスト・フェルナンデス | KALEX | +16.521 |
| 12 | 11 | ニッコロ・ブレガ | KALEX | +22.333 |
| 13 | 54 | マティア・パシーニ | KALEX | +23.326 |
| 14 | 87 | レミー・ガードナー | KALEX | +23.810 |
| 15 | 77 | ドミニク・エガーター | MVアグスタ | +24.002 |
| 16 | 5 | アンドレア・ロカテリ | KALEX | +24.055 |
| 17 | 96 | ジェイク・ディクソン | KTM | +27.663 |
| 18 | 20 | ディマス・エッキー・プラタマ | KALEX | +29.455 |
| 19 | 16 | ジョー・ロバーツ | KTM | +30.896 |
| 20 | 2 | イェスコ・ラフィン | NTS | +37.044 |
| 21 | 65 | フィリップ・エッテル | KTM | +50.548 |
| 22 | 3 | ルーカス・ツロヴィッチ | KTM | +54.921 |
| 23 | 18 | シャビ・カルデルス | KTM | +1'00.678 |
| 24 | 33 | エネア・バスティアニーニ | KALEX | +1Lap |
| RT | 22 | サム・ロース | KALEX | +5Laps |
| RT | 72 | マルコ・ベツェッキ | KTM | +6Laps |
| RT | 62 | ステファノ・マンシィ | MVアグスタ | +8Laps |
| RT | 35 | ソムキャット・チャントラ | KALEX | +10Laps |
| RT | 21 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | SPEED UP | +11Laps |
| RT | 47 | アダム・ノロディン | KALEX | +13Laps |
| RT | 88 | ホルヘ・マルティン | KTM | +16Laps |
| RT | 64 | ボウ・ベンドスナイダー | NTS | - |
| 順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 73 | アレックス・マルケス | KALEX | 262 |
| 2 | 41 | ブラッド・ビンダー | KTM | 234 |
| 3 | 12 | トーマス・ルティ | KALEX | 230 |
| 4 | 9 | ホルヘ・ナバロ | SPEED UP | 210 |
| 5 | 40 | アウグスト・フェルナンデス | KALEX | 197 |
| 6 | 10 | ルカ・マリーニ | KALEX | 182 |
| 7 | 7 | ロレンソ・バルダッサーリ | KALEX | 171 |
| 8 | 23 | マルセル・シュローター | KALEX | 137 |
| 9 | 21 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | SPEED UP | 101 |
| 10 | 33 | エネア・バスティアニーニ | KALEX | 95 |
| 11 | 27 | イケル・レクオナ | KTM | 90 |
| 12 | 88 | ホルヘ・マルティン | KTM | 83 |
| 13 | 45 | 長島哲太 | KALEX | 78 |
| 14 | 87 | レミー・ガードナー | KALEX | 76 |
| 15 | 97 | チャビ・ビエルゲ | KALEX | 72 |
| 16 | 22 | サム・ロース | KALEX | 60 |
| 17 | 11 | ニッコロ・ブレガ | KALEX | 48 |
| 18 | 5 | アンドレア・ロカテリ | KALEX | 46 |
| 19 | 54 | マティア・パシーニ | KALEX | 30 |
| 20 | 62 | ステファノ・マンシィ | MVアグスタ | 26 |
| 21 | 35 | ソムキャット・チャントラ | KALEX | 23 |
| 22 | 72 | マルコ・ベツェッキ | KTM | 17 |
| 23 | 77 | ドミニク・エガーター | MVアグスタ | 15 |
| 24 | 24 | シモーネ・コルシ | NTS | 10 |
| 25 | 64 | ボウ・ベンドスナイダー | NTS | 7 |
| 26 | 2 | イェスコ・ラフィン | NTS | 6 |
| 27 | 96 | ジェイク・ディクソン | KTM | 4 |
| 28 | 16 | ジョー・ロバーツ | KTM | 4 |
| 29 | 3 | ルーカス・ツロヴィッチ | KTM | 3 |
| 30 | 89 | カイルール・イダム・パウィ | KALEX | 3 |
| 31 | 4 | スティーブン・オデンダル | NTS | 0 |
| 32 | 94 | ジョナス・フォルガー | KALEX | 0 |
| 33 | 65 | フィリップ・エッテル | KTM | 0 |
| 34 | 20 | ディマス・エッキー・プラタマ | KALEX | 0 |
| 35 | 18 | シャビ・カルデルス | KTM | 0 |
| 36 | 6 | ガブリエーレ・ルイウ | KALEX | 0 |
| 37 | 47 | アダム・ノロディン | KALEX | 0 |
| 38 | 36 | アンディ・イズディハール | KALEX | 0 |
| 39 | 19 | 名越哲平 | KALEX | 0 |
| 40 | 31 | ゲリー・サリム | KALEX | 0 |
| 順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
|---|---|---|
| 1 | KALEX | 422 |
| 2 | KTM | 256 |
| 3 | SPEED UP | 243 |
| 4 | MV AGUSTA | 32 |
| 5 | NTS | 11 |