Moto3クラスは、FP1とFP2でコンディションが異なり、難しい一日となりました。FP1は厚い雲が空を覆い気温は16℃。対して、青空が広がったFP2は24℃まで気温が上昇し、セットアップの難しい一日となりました。その難しいコンディションの中で、後半戦のスタートとなったチェコGP、オーストリアGPの2連戦で2戦連続表彰台に立ち好調なトニ・アルボリーノ(VNE Snipers)がトップタイムをマークし、今季3勝目に向けて絶好のスタートを切りました。
総合首位のロレンソ・ダラ・ポルタ(Leopard Racing)が3番手とまずまずのスタートを切りました。鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)が5番手、鳥羽海渡(Honda Team Asia)が7番手と、シーズン中盤戦に入って、好調な走りを見せるも転倒やノーポイントのレースが続く両選手がともに順調なスタートを切りました。
前戦オーストリアGPで今季初優勝のロマーノ・フェナティ(VNE Snipers)が8番手。しかし、大接戦の中でフェナティは、単独走行で周回を続けており、今大会も優勝候補の一角に浮上。ケガで欠場しているガブリエル・ロドリゴ(Kömmerling Gresini Moto3)の代役で出場のジェレミー・アルコバが9番手と続きました。
総合4位につけるニッコロ・アントネッリ(SIC58 Squadra Corse)が11番手、第9戦ドイツGPで初PPを獲得してから上り調子の佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)がセットアップを進めながら12番手、ホームGPで今季2勝目と3回目の表彰台を目指すジョン・マクフィー(Petronas Sprinta Racing)がトップから1秒差以内の14番手につけて、地元ファンの期待を膨らませました。予選では今季3回目のPPに挑みます。
ルーキーでシルバーストーンを初めて走る小椋藍(Honda Team Asia)は、着実にタイムを短縮して20番手。土曜日のフリー走行、予選の走りに注目されます。
トニー・アルボリーノ(Moto3 1番手)
「FP2でタイムは更新できませんでしたが、今日はいろいろ経験できる興味深い日になりました。レースに向けていい仕事ができたと思います。あといくつか改善するだけですが、明日もしっかりデータを積み重ねたいです」
ロレンソ・ダラ・ポルタ(Moto3 3番手)
「今日はポジティブでした。FP1からすでにいいフィーリングがありました。路面温度が上がったFP2では、タイヤの持ちがよくなりました。日曜日も同じような状況になることを願っています。マシンのフィーリングはよく、全体的にいい感触があるので、特別な調整は必要ないと思います。新しい路面はとてもよくて楽しく走れています。明日もこの調子で仕事を続けるだけです」
鈴木竜生(Moto3 5番手)
「この数戦、初日はいい感じで走れていますが、今日も同じようにいいスタートが切れました。しかし、路面が改修された影響で、新品タイヤでコースインして5周くらいでかなり消耗し始めたので、FP1はそのままタイヤの消耗を確認するために同じタイヤで走り続けました。それをベースにFP2はセットアップを変更したのですが、結果的にそれがよかったと思います。シルバーストーンは、デビューした15年に初めてトップ10フィニッシュできたサーキットですが、バンピーな路面だったのであまり好きではありませんでした。しかし、今年はすごくいいコンディションになり、初めてシルバーストーンが好きになりました」
鳥羽海渡(Moto3 7番手)
「FP1は順調にいきました。そのため、FP2は単独でコンスタントにタイムを出そうと思ったのですが、序盤からリズムをつかめず、うまくいきませんでした。バイクのセットアップがよくなっている分、ブレーキングで突っ込みすぎて、それが結果的にタイムにつながらなかったのだと思います。走っていた位置もよくなかったのですが、FP2は24番手までタイムを落としました。しかし、FP1のタイムで総合7番手でした。このサーキットは、スリップストリームを使うとすぐにタイムを出せることが分かっているので、FP3でも引き続き、単独でしっかりいいアベレージを刻めるようにトライして、予選ではしっかりタイムを出したいです」
佐々木歩夢(Moto3 12番手)
「FP1は走り出しからペースはよかったのですが、路面が新しくなったこともあり、いろいろセットアップが必要になりました。忙しいセッションでしたが、12番手とまずまずのスタートでした。午後は最初からいい感じで走ることができました。しかし、クリアラップが取れず、完ぺきなラップが一度もありませんでした。それを考えれば総合12番手は悪くなかったかなと思います。シルバーストーンは好きなサーキットですが、今年は路面が新しくなりとても走りやすくなっています。明日もタイムが上がると思うので、Q2にダイレクトで進出できるようにFP3をがんばり、予選では2列目以内を目指します」
小椋藍(Moto3 20番手)
「FP1から1秒タイムを詰めることができました。そして、FP1で2.5秒差あったトップとのタイム差をFP2で1.5秒まで短縮することができたのですが、Q2に進出できるポジションではないので、明日のFP3でしっかりタイムを上げてQ2進出を目指します。シルバーストーンは初めて走るサーキットですが、走っていてとても楽しいコースでした。ただ、一周が長く、すべてのコーナーが連続しているので、タイムを上げていくには、リズムよく走らなければなりません。コースはなんとなく分かってきましたが、まだ完全ではありません。明日のフリー走行では、トップとの差をさらに1秒短縮して、予選でさらにトップとの差を縮めたいと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
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1 | 14 | トニ・アルボリーノ | ![]() | 2'12.008 |
2 | 75 | A.アレナス | KTM | +0.216 |
3 | 48 | ロレンソ・ダラ・ポルタ | ![]() | +0.244 |
4 | 40 | D.ビンダー | KTM | +0.279 |
5 | 24 | 鈴木竜生 | ![]() | +0.407 |
6 | 44 | A.カネット | KTM | +0.644 |
7 | 27 | 鳥羽海渡 | ![]() | +0.674 |
8 | 55 | ロマーノ・フェナティ | ![]() | +0.681 |
9 | 52 | ジェレミー・アルコバ | ![]() | +0.695 |
10 | 82 | S.ネパ | KTM | +0.732 |
11 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | +0.746 |
12 | 71 | 佐々木歩夢 | ![]() | +0.762 |
13 | 16 | A.ミニョ | KTM | +0.876 |
14 | 17 | ジョン・マクフィー | ![]() | +0.993 |
15 | 84 | J.コーンフェール | KTM | +1.132 |
16 | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | +1.139 |
17 | 11 | セルジオ・ガルシア | ![]() | +1.218 |
18 | 5 | J.マシア | KTM | +1.283 |
19 | 42 | マルコス・ラミレス | ![]() | +1.311 |
20 | 79 | 小椋藍 | ![]() | +1.427 |
21 | 12 | F.サラク | KTM | +1.530 |
22 | 25 | R.フェルナンデス | KTM | +1.535 |
23 | 7 | D.フォッジャ | KTM | +1.571 |
24 | 22 | 真崎一輝 | KTM | +1.643 |
25 | 69 | T.ブース・アモス | KTM | +1.693 |
26 | 76 | M.ユルチェンコ | KTM | +1.831 |
27 | 61 | C.オンジュ | KTM | +2.019 |
28 | 13 | C.ヴィエッティ | KTM | +2.392 |
29 | 54 | リカルド・ロッシ | ![]() | +2.812 |
30 | 73 | M.コフラー | KTM | +3.171 |
31 | 96 | B.パーシュ | KTM | +4.049 |