長島が自身初のポールポジションを獲得

最高気温が31℃、路面温度が45℃の中で行われたMoto2クラスの予選は、長島哲太(ONEXOX TKKR SAG Team)が初のポールポジション(PP)を獲得しました。初日のフリー走行でベストリザルトとなる2番手発進の長島は、FP3でも決勝に向けてロングランに挑み、総合10番手でQ2進出を果たすと、予選ではセッション序盤に1分28秒718のサーキットベストタイムをマークしました。この数戦、調子を上げている長島は、鈴鹿8時間耐久ロードレースから3連戦となっていますが、8耐を走ることでライダースキルを上げてきたという長島が、暑いコンディションの中で好走を見せました。

2番手にはチームのホームGPを迎えたブラッド・ビンダー(Red Bull KTM Ajo)で、長島とわずか0.073秒差でした。3番手にはIDEMITSU Honda Team Asiaのソムキャット・チャントラが、フリー走行13番手から一気に3番手に浮上しました。Moto2ルーキーのチャントラは、第2戦アルゼンチンGPで10位、前戦チェコGPで15位と、初めて経験するサーキットで2度のポイント獲得を果たしています。レッドブル・リンクも初サーキットですが、初日10番手と好走を見せると、予選では初フロントローを獲得してチームスタッフを喜ばせました。決勝では初表彰台を視野にベストリザルトを目指します。

以下、前戦チェコGPで3位初表彰台を獲得して調子を上げているエネア・バスティアニーニ(Italtrans Racing Team)が4番手、総合2位につけるトーマス・ルティ(Dynavolt Intact GP)が5番手、ロレンソ・バルダッサーリ(Flexbox HP 40)が6番手と続きました。

今大会の予選は、フロントローに並んだ3選手の差が0.138秒、PPから2列目6番手までが0.230秒差という厳しい戦いとなりました。総合首位で今季6勝目を狙うアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は11番手、総合3位のアウグスト・フェルナンデス(Flexbox HP 40)が13番手と、決勝の予想がつかない厳しい予選となりました。負傷欠場のディマス・エッキー・プラタマの代役として出場の名越哲平(IDEMITSU Honda Team Asia)は着実にタイムを短縮して31番手。決勝ではポイント獲得を目標に追い上げのレースに挑みます。

長島哲太(Moto2 ポールポジション)
「今大会は新品タイヤを装着したとき、そして、気温と路面温度があがったときにフィーリングがすごくよく、フロントローはいけると思っていました。まさかPPを獲得できるなんて思っていなかったので、すごくうれしいです。今日はFP3とQ2でも、単独でしっかりタイムを出せました。スタートに失敗してもそれほどポジションを落とさないと思うので、落ち着いてレースに挑みたいです。チームがしっかり仕事をしてくれたおかげです。感謝しています。明日はみんながよろこんでくれるリザルトを残したいです」

ブラッド・ビンダー(Moto2 2番手)
「レッドブル・リンクはKTMのホームなので、フロントローを獲得できて最高の気分です。マシンは快適ですし、明日に向けて準備はできています。明日のウオームアップでも引き続き前進したいと思います。目標は表彰台獲得です。理想は優勝です。レースは大きなバトルになると思いますが、準備は整っています」

ソムキャット・チャントラ(Moto2 3番手)
「この結果はとてもうれしいです。Moto2クラスのルーキーイヤーで、初めて走るオーストリアで予選3番手を獲得できました。信じられません。僕をサポートしてくれたすべてのひとに感謝しています。2週間前は、MotoGPのビデオゲームを使ってレッドブル・リンクのレイアウトを勉強していました。そして今日フロントローを獲得しました。今の気持ちをうまく表現できません。明日はトップグループについていけるようにがんばります。もし可能だったら表彰台争いもしたいです」

名越哲平(Moto2 31番手)
「自分もペースをあげることができましたが、回りもペースがあがっているので、ポジションを上げることは叶いませんでした。しかし、今日は集団の中で走ることができたので、ライディングの違いなど、いろいろ学ぶことができました。それをすぐに実践するのは難しいですが、これから活かせると思います。タイムは昨日より1秒近くあげることができました。ポジションは31番手のままなので目標のポイント獲得は厳しい状況ですが、あきらめず、ポイント獲得を目標に、ウォームアップ、決勝と着実に前進していきたいです」

Moto2 リザルト

順位	No.	ライダー	マシン	タイム
1	45	長島哲太	KALEX	1'28.718
2	41	ブラッド・ビンダー	KTM	1'28.791
3	35	ソムキャット・チャントラ	KALEX	1'28.856
4	33	エネア・バスティアニーニ	KALEX	1'28.903
5	12	トーマス・ルティ	KALEX	1'28.924
6	7	ロレンソ・バルダッサーリ	KALEX	1'28.948
7	97	チャビ・ビエルゲ	KALEX	1'28.956
8	9	ホルヘ・ナバロ	SPEED UP	1'28.969
9	87	レミー・ガードナー	KALEX	1'28.976
10	10	ルカ・マリーニ	KALEX	1'29.004
11	73	アレックス・マルケス	KALEX	1'29.012
12	88	ホルヘ・マルティン	KTM	1'29.061
13	40	アウグスト・フェルナンデス	KALEX	1'29.067
14	27	イケル・レクオナ	KTM	1'29.092
15	54	マティア・パシーニ	KALEX	1'29.118
16	23	マルセル・シュローター	KALEX	1'29.437
17	5	アンドレア・ロカテリ	KALEX	1'29.538
18	21	ファビオ・ディ・ジャンアントニオ	SPEED UP	1'29.682
以下Q1
19	11	ニッコロ・ブレガ	KALEX	1'29.410
20	77	ドミニク・エガーター	MVアグスタ	1'29.549
21	62	ステファノ・マンシィ	MVアグスタ	1'29.560
22	94	ジョナス・フォルガー	KALEX	1'29.587
23	64	ボウ・ベンドスナイダー	NTS	1'29.632
24	22	サム・ロース	KALEX	1'29.651
25	72	マルコ・ベツェッキ	KTM	1'29.809
26	65	フィリップ・エッテル	KTM	1'29.948
27	96	ジェイク・ディクソン	KTM	1'30.071
28	4	スティーブン・オデンダル	NTS	1'30.101
29	16	ジョー・ロバーツ	KTM	1'30.728
30	3	ルーカス・ツロヴィッチ	KTM	1'30.963
31	19	名越哲平	KALEX	1'31.008
32	18	シャビ・カルデルス	KTM	1'31.186