クラス参戦4年目のエステベ・ラバトが悲願のチャンピオン獲得
日本人ライダーの中上貴晶はシーズンを戦いきる
2014年、Hondaのワンメイクエンジンで争われるMoto2クラスは、全18戦で行われ、その多くでランキング上位の3人が表彰台を席巻。そんな中、最多の7勝を挙げたエステべ・ラバト(Marc VDS Racing Team)がチャンピオンに輝きました。また日本人ライダーは、中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)と長島哲太(Teluru Team JiR Webike)の2名がレギュラー参戦。特に中上は、設立2年目のチームへの移籍初年度ながら、11度の入賞を果たしてチームを引っ張りました。
ナイトレースとなった開幕戦カタールGPでは、前年ランキング3位のラバトが、サーキットベストタイムを叩き出してポールポジション(PP)を獲得。決勝でも勢いそのままに、優勝を果たしました。
第2戦アメリカズGPでも、ラバトはPPを獲得。しかし決勝は、前年度にMoto3を制し、ステップアップしてきたマーベリック・ビニャーレス(Paginas Amarillas HP 40)が、初優勝を手にしました。
第3戦ではラバトが2勝目を挙げたものの、第4戦は、トップから1秒差以内に16台がひしめく予選を制したミカ・カリオ(Marc VDS Racing Team)が、シーズン初優勝。そしてここから、ラバトとカリオ、ビニャーレスの3人による、チャンピオン争いが激化していきます。
第7戦の終了時点で、勝利数はラバトが4回、カリオが2回、ビニャーレスが1回。ラバトがそのままランキングトップをひた走るかと思われましたが、以降の3戦で表彰台を逃し、ライバル2人に詰め寄られます。
それでも、ラバトは第11戦からの3戦で優勝。その後も優勝には届かないものの、表彰台をしっかり確保していきました。
そうして迎えた第17戦マレーシアGP。シーズン10度目のPPを獲得して決勝に臨んだラバトは、3位に入りチャンピオン争いに終止符を打ちました。
Hondaがエンジンサプライヤーを務め、イコールコンディションを目指すMoto2クラスの予選では、トップから1秒差以内に10数台のマシンが入ることが珍しくありません。それは決勝レースも同様で、毎回のように激戦が展開されます。そんなMoto2クラスにあって、ラバトはPPを11度獲得、表彰台を逃したのはわずか4度でした。14年は、ラバトの勝負強さと安定感が光るシーズンとなりました。