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NSX-GTにとってのラストシーズンとなる2009年、最終戦までタイトル争いを繰り広げた
オートバックス・レーシング・チーム・アグリを率いる鈴木亜久里監督。
ドライバーとしても多くの成功を収めてきた同氏が語る、NSX-GTへの想いとは。

「まあ、振り返ってみると、いいこと、悪いこと、いろいろありました。トラブルやアンラッキーなことも起こりましたしね。そんな中でも、最後のもてぎまでチャンピオン争いに加わっていられたというのは、やはりNSX-GTのラストシーズンにとってとてもいいことだったと思います」

「やっぱりラルフ・ファーマン、伊藤 大輔といっしょにチャンピオンを獲得した2007年はうれしかったですね。速かったですし、『NSX、強し!』というインパクトのあるシーズンでした。うちのクルマだけでなく、どのNSX-GTも特に輝いていましたね」

「2004年のターボのときは本当にダメだったね(笑)。それだけじゃなくて、NSX-GTは、ドライバーもそうだし、エンジニアにもフォーミュ ラカー並のセッティングのシビアさを求めるので、大変だった話は山ほどあるんです。セッティングを外すとものすごく乗りにくくなってしまうし。でも、基本的に長くNSXでレースをしてきて思ったのは、このクルマはとてもポテンシャルが高くて、いいクルマだったということです」

「(伊藤)大輔もそうだし、金石(勝智)もそうだし、どのドライバーが、っていうことはなくて、みんなそうですよ。思い出がいっぱいありますね。みんなよく頑張ってくれたし、そのときどきのNSXも、ドライバーの求めに応えてよく走ってくれたよね」

「クルマじたいの味付けにいい加減なところが全く無いんだよね。クルマのつくりかたもそうだし、乗ったフィーリングもそうだし、すごく繊細なとこ ろがHondaらしさという感じかな。僕は他のメーカーのクルマにも乗っていたからわかりますが、やっぱり『Hondaの味』ってあるんですよ。もちろん、レースを戦う上で繊細、センシティブであることが常にいい結果をもたらすわけじゃないんですよ。ときには少しルーズだったり、ドライバーのミスを寛容してくれるキャパシティがあったほうがいいこともある。でも、NSX-GTに関しては、ドライバーを試すかのように繊細な性格を持っている、という印象が強いかな」

「そのときは『敵』だったからね(笑)。どうだったかな。でも、『乗ってレースしてみたいな』って思うクルマでしたね。外から見ていても」

「登場した1990年当時、オールアルミのクルマなんて前例がなかった。今見ても新鮮なデザインだと思えるし、やっぱりすごいクルマだよね。世界のスポーツカーの歴史に、新しい1ページを加えた一台だと思います。そんなクルマだからこそ、10年以上もレースの第一戦でトップを争うことができたんでしょうね」

「NSXを越えるのはなかなかたいへんだと思いますが、新しいマシンにも頑張ってもらわなくてはいけませんね。NSXというクルマじたいは、まだまだたくさんのオーナーさんに愛されて走っていますし、そういう意味では『お疲れ様』というには、まだまだ早いのかもしれませんね。みんなの心の中でこれからも夢を与えていってくれる存在であってほしいと思います」