Suzuka 8hours Honda Racing
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2006.07.30 Suzuka 8hours
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鈴鹿8耐
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辻村猛/伊藤真一組の初優勝でHonda10連覇達成!!
セブンスター ホンダは岡田/出口組4位、清成/玉田組5位と健闘
2006年7月30日(日)・決勝
会場:鈴鹿サーキット 天気:晴れ 気温:30℃ 観客:7万3000人
リザルト&ポイント

 Honda陣営の10連覇がかかった真夏の祭典、鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)。#11 セブンスター ホンダ 11の玉田誠選手がMotoGPドイツGPで転倒事故に巻き込まれるという不運から左ヒザのじん帯を痛めてしまい、翌アメリカGPは出場できたものの、ケガのダメージは大きいと見られていた。また、#7 セブンスター ホンダ 7の高橋裕紀選手が事前テストで左手を骨折してしまい、鈴鹿8耐参戦が絶望的とった。そこで、開幕直前の7月26日に#7 セブンスター ホンダ 7には清成龍一選手と玉田選手、#11 セブンスター ホンダ 11には岡田忠之選手と出口修選手という体制変更の発表が行われた。

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 玉田選手のケガは完治していないものの、本人の情熱と清成選手のサポートによって力を発揮できると判断。玉田選手自身も「現状でできる最大限の努力をして、10連覇に貢献したい」と誓っていた。清成選手はイギリススーパーバイク選手権で現在ランキングトップに浮上して絶好調でもあり、昨年に続く2回目の勝利を目指す。今年から導入された国別対抗戦「FIMカップ エンデュランス・オブ・ネーションズ」には、日本代表として清成/玉田組が挑むことになった。また、岡田選手は余裕の表情で「JSBに乗りなれている出口君とは強力なペア」と出口選手への信頼を示した。出口選手は「岡田さんと組める幸運を生かしたい。新生出口を見せます」と気合満点だ。

 レースウイークの水曜日、セブンスター ホンダ陣営は設営を終え、ピットワークの練習を開始。木曜日には気温36℃、路面温度55℃を超える猛暑となった。特別スポーツ走行の開始早々、転倒者が続出した。清成選手も転倒してしまうが、大きなダメージはなく、その後の走行をこなした。タイム計測される公式練習では、総合トップに手島雄介選手/鎌田学選手組(#48 F.C.C. TSR ZIP-FM Racing Team)。2番手に小西良輝選手/安田毅史選手組(#101 TOY STORY RT RUN'A & HARC-PRO.)。3番手に山口辰也選手/徳留和樹選手組(#04 仮面ライダーカブト Honda DREAM RT)、徳留選手は転倒した際に左肩を脱きゅう、左手甲を打撲してしまう。4番手には辻村猛選手/伊藤真一選手組(#778 F.C.C. TSR ZIP-FM Racing Team)、5番手に清成/玉田組、6番手に青木宣篤選手/渡辺篤選手組(#12 スズキ)、7番手に亀谷長純選手/武田雄一選手組(#9 ホンダドリーム チーム桜井ホンダ 9)、8番手に浜口俊之選手/菊池寛幸選手組(#044 ウイダーホンダ学園 D.D.BOYS)、9番手に中須賀克行選手/中冨伸一選手組(#21 ヤマハ)、10番手に岡田/出口組。13番手に森脇尚護選手/レオン・キャミア選手組(#19 モリワキ MOTUL レーシング)となった。

 金曜日から計時予選が開始された。上位10チームが土曜日の「トップ10トライアル」に出場する権利を得られるため、白熱した予選となった。午後には雨が落ちるなど不順な天候となるが、小西選手がトップタイムを記録。小西/安田組が暫定ポールポジションを獲得した。2番手青木/渡辺組。3番手にコーリン・エドワーズ選手/芳賀紀行選手組(#45 ヤマハ)、4番手に辻村/伊藤組。5番手に手島/鎌田組、6番手に藤原儀彦選手/大崎誠之選手組(#39 ヤマハ)、7番手山口/徳留組、8番手に中須賀/中冨組、9番手に清成/玉田組、10番手に岡田/出口組、11番手に森脇/キャミア組、12番手に亀谷/武田組となった。

 トップ10トライアルは1周のタイムアタックでグリッドを決める。清成選手が自己ベストを更新するすばらしい走りでトップタイムを記録したが、そのタイムを伊藤選手が超えた。伊藤選手は4年連続8耐ポールシッターとなり、通算6度目のPP獲得は歴代最多記録となった。3番手は小西/安田組、4番手手島/鎌田組、5番手中須賀/中冨組、6番手青木/渡辺組、7番手エドワーズ/芳賀組、8番手岡田/出口組、9番手山口/徳留組、10番手藤原/大崎組のオーダーでスタートが切られることになった。

 決勝日も晴天となり猛暑となった。決勝朝のウオームアップのトップは伊藤/辻村組、2番手に清成/玉田組、3番手にエドワーズ/芳賀組、4番手岡田/出口組で、ここまでが2分10秒台を記録した。

 決勝スタートでホールショットを奪ったのは清成選手。オープニングラップのS字出口で森脇選手が追突されて転倒、続いてヘアピンでエドワーズ選手と亀谷選手が接触転倒。レースは清成選手、伊藤選手、岡田選手、安田選手が続き、トップ集団を形成する。首位を走る清成選手が17ラップ目にイレギュラーのピットイン。ガス補給、前後のタイヤを交換してコース復帰した。大きくポジションダウンするが、驚異の追い上げで3番手までばん回して、34ラップ目に玉田選手にバトンタッチした。

 トップは伊藤/辻村組が安定したハイペースで飛ばし、2位以下を少しずつ引き離し始める。2番手は小西/安田組がキープ。3番手には岡田/出口組がつけたが、49ラップ目に青木/渡辺組に先行されてしまう。その後、清成/玉田組は先行するマシンをかわして3番手まで浮上する。だが、清成選手がシケインで転倒、すぐにコース復帰するが7番手までポジションダウン。その後は青木/渡辺組が3位を守り、岡田/出口組は4位で周回を重ねた。岡田はトップライダーの貫禄十分のしっかりとした走りを見せ、現役ライダーと互角に渡り合った。出口は突然の参戦ながら、安定した走りを貫き岡田選手に確実にバトンを渡した。

 134ラップ目、清成/玉田組は5位まで再び順位を上げた。日が傾き、路面温度が下がると清成選手は170ラップ目に2分9秒818のファステストラップを記録する走りを見せる。ハイペースで飛ばし、周回遅れをかわしてグイグイと疾走する清成選手の走りに、観客の目はくぎ付けになった。玉田選手も周回遅れを巧みにさばくライディングを随所に見せ、MotoGPライダーのプライドを見せた。清成/玉田組のポジションは5位と変わることはなかったが、そのポテンシャルの高さを示し続けた。

 首位を守る辻村/伊藤組は、16ラップ目から214ラップ目のチェッカーまで、誰に脅かされることなく周回を重ね、初の勝利を得た。2位には小西/安田組、3位には青木/渡辺組が入った。4位に岡田/出口組。5位に清成/玉田組が入り、国別対抗戦の日本代表として参加した2人は、トップとして表彰された。6位にはケガの痛みに耐え、我慢の走りをつらぬいた徳留選手とそれを支えた山口選手が入った。7位には須貝義行選手/ジョシュア・ブルックス選手組(#18 チームヨシハル四日市&K1RACING)、8位には松戸直樹選手/鶴田竜二選手組(#5 カワサキ)、9位手島/鎌田組、10位にグウェン・ジャバニ選手/イゴール・ジャーマン選手/セバスチャン・スカルナト選手組(#07 ヤマハ)となった。転倒後マシンを修復して復帰した亀谷/武田組は、18位でチェッカーを受けた。浜口/菊池組は、転倒後にエンジニアを務めるホンダ学園の生徒たちが懸命にマシンを修復するも、規定完走周回数に一周足らず未完走扱いとなった。

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コメント

優勝 #778 F.C.C. TSR ZIP-FM Racing Team

伊藤真一選手
「優勝できて夢のようです。過去3年は悔しい思いをしていたので勝つことができてうれしいです。ブリヂストンタイヤのテストをさせて頂いている関係で、今回はGPスペックのタイヤを持ってきて欲しいとオーダーしました。その願いを聞いてくれたブリヂストンさん。そして、支えてくれたチームスタッフ、アドバンテージを広げてくれたペアライダーの辻村選手に心から感謝します。今年勝つことができなかったら8耐に出ている意味がないんじゃないかと思うくらい懸けていたので、願いがかなって本当にうれしい」

辻村猛選手
「前哨戦の鈴鹿300kmではガス欠で優勝できなかった苦い経験がありました。あのときは、もう、レースをやめようかと思うくらい気持ちが高ぶっていました。僕たちはプライベーターなので、サスペンションのカヤバさんやブレーキのニッシンさん、ヘルメットのOGKさんなど、応援してくれているスポンサーのためにも結果を残したかった。その思いをチームスタッフにぶつけて、8耐に向けて結束を強めることができたことがよかったと思います。いつも、伊藤さんに助けてもらうばかりだったので、今回の8耐は自分が伊藤さんを助ける立場になりたいと走りました。なので、勝つことができてホッとしています。やめなくて良かった」

2位 #101 TOY STORY RT RUN'A & HARC-PRO.

小西良輝選手
「想像していた以上に熱く、自分が思っていた以上にきつい耐久でした。それでも、安田が懸命に走ってくれて、その走りに勇気づけられて走ることができました。今回2位になれたのは安田のおかげだと思います。本当は優勝を狙っていましたし、どんなチャンスも逃すまいと懸命に走っていましたが、ポジションを上げることができませんでした。それでも、僕にとっては初表彰台ですし、うれしいです。来年のことはわかりませんが、チャレンジする気持ちを忘れずにいたいと思います」

安田毅史選手
「最初はトップ争いについていけたのですが、タイヤのライフが終わってしまったら、自分の気持ちも駄目になって離されてしまいました。それでも、その差が大きくならないようにがんばりました。小西さんのサポートのおかげですし、いいチームに恵まれて、いいスタッフに支えられて結果が残せたのだと思います」

4位 #11 セブンスター ホンダ 11

岡田忠之選手
「今日はスタートライダーを務めました。1周目は3位と好調に滑り出しましたが、路面温度がどんどん上昇して思うように走れませんでした。しかし、マシンの調子はよかったので、できる限り攻めました。特に4回目の走行では路面温度も下がってきて、体力的にも問題なかったので、これ以上ないというくらい集中して走りました。でも4位という結果がすべてですね」

出口修選手
「自分がもっと速く走れていれば、表彰台にいたはずなので、チームや岡田さん、そしてファンのみなさんに申し訳ない気持ちです。1回目の走行で、タイヤが思っていたのと違う動きをしたので、体に力が入ってしまい、ペースを上げることができませんでした。最後の走行では3位に追いつこうと思って走っていましたが残念です。今回はワークスチームからの参戦で、岡田さんと組めて、とても勉強になりました。この経験を全日本のレースに生かしたいと思います」

5位 #7 セブンスター ホンダ 7

清成龍一選手
「優勝できなくて本当に残念です。今回も勝てると思っていたし、勝つつもりでした。1回目と2回目の走行の時に突然フロント周りから振動が出たのでピットに入りました。最後の走行では、絶対にファステストラップを記録しようと思っていたので、それが出せてよかった。来年も玉田さんと組めたら、今度こそ優勝します。今日のこの悔しさはイギリススーパーバイク世界選手権の残りのレースにぶつけます」

玉田誠選手
「今回はせっかくHRCが僕を呼んでくれたのに、力を発揮できなくて本当に申し訳ないと思っています。また、僕たちの優勝を期待して応援してくれたファンにも謝りたいです。僕もみんなの前でいい走りを見せたかったのですが、いいところを見せられなくて、本当に悔しいです。今度また、8耐で清成と組むチャンスがあったら、絶対に優勝します。今日はヒザの痛みよりも、去年痛めた右手首が終盤かなり痛くなってきました。次のMotoGPチェコGPまで3週間あるのでゆっくり休んで治療したいと思います。チェコGPは僕にとって本当に大事なレースとなりますから」

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決勝リザルト
順位 No. チーム/ライダー マシン 周回数
1 778 F.C.C. TSR ZIP-FM Racing Team
辻村猛/伊藤真一
Honda 214
2 101 TOY STORY RT RUN'A & HARC-PRO.
小西良輝/安田毅史
Honda 214
3 12 ヨシムラスズキwith JOMO
青木宣篤/渡辺篤
スズキ 214
4 11 セブンスター ホンダ 11
岡田忠之/出口修
Honda 213
5 7 セブンスター ホンダ 7
清成龍一/玉田誠
Honda 213
6 04 仮面ライダーカブト Honda DREAM RT
山口辰也/徳留和樹
Honda 211
7 18 チームヨシハル四日市&K1RACING
須貝義行/ジョシュア・ブルックス
Honda 210
8 5 TRICK☆STAR & B-LINE
松戸直樹/鶴田竜二
カワサキ 208
9 48 F.C.C. TSR ZIP-FM Racing Team
手島雄介/鎌田学
Honda 208
10 07 YAMAHA AUSTRIA RACING TEAM #07(YART)
G.ジャバニ/I.ジャーマン/S.スカルナト
ヤマハ 206
11 73 TEAM PLUS ONE&SHOWA
高橋英倫/松原泉
Honda 206
12 71 ホンダドリーム チーム桜井ホンダ 71
生見友希雄/津田一磨
Honda 206
13 52 MOTO WIN RACING
鈴木慎吾/高橋孝臣
Honda 205
16 64 チームOSGフェニックス&モトスポーツI
川上智彦/津田拓也
Honda 205
18 9 ホンダドリーム チーム桜井ホンダ 9
亀谷長純/武田雄一
Honda 204
19 25 Honda 鈴鹿レーシングチーム
荒川智樹/柚木伸介
Honda 204
20 82 ウィーブミハラレーシング
森井威綱/浜口喜博
Honda 204
22 76 Team IHY バーニングブラッド
和泉美智夫/畠山泰
Honda 202
25 807 ホンダドリーム北九州レーシングチーム
藤下和衛/中村丈士
Honda 201
26 30 赤い3輪車レーシング・クラブ
越澤友一/松井秀樹
Honda 201
27 59 Tele'ウルフマン&ヨシハル&MCRガレージ
山中正之/金淳一
Honda 200
28 66 京都科学技術専門学校 with オーテック鈴鹿
大内田実/桧垣誠
Honda 199
30 99 レーシングチーム ハニービー
野田弘樹/児玉勇太
Honda 199
33 41 ホンダ浜松エスカルゴ&狭山&H-TEC 関東
泉名英男/古川力也
Honda 198
39 23 ドライバースタンドRT
五十嵐明弘/里実
Honda 194
40 49 吉澤企画+Wヨシイ/CLUB-KENJIN・どんぐり・KS
吉澤隆/末続仁厚
Honda 193
47 111 Honda 向陽会ドリームレーシングチーム
栗田伸一/海老沼孝志
Honda 189
48 60 DREAM船橋&G-TRIBE
高田速人/永坂幸一
Honda 188
49 70 ALTERNA NAGOYA DISE
山口智也/古澤基樹
Honda 188
51 50 モトバム&モトキッズ
高宮義文/岡田聡
Honda 178
52 28 チームリトルウイング
浅野史久/的場浩晃
Honda 174
- 044 ウイダーホンダ学園 D.D.BOYS
浜口俊之/菊池寛幸
Honda 157
- 97 京都デザイン専門学校&日本モータースポーツ専門学校
仲城英幸/下地申悟
Honda 144
- 63 チームOSGフェニックス&モトスポーツII
中川直史/福山京太
Honda 126
- 19 モリワキ MOTUL レーシング
森脇尚護/レオン・キャミア
Honda 53
- 40 ホンダ浜友会浜松エスカルゴ&CBR
野寄真二/名倉嘉一
Honda 2
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