ブラジルで開幕したインディカー・シリーズは、初戦、第2戦ともに悪天候に見舞われる難しいレースの中、ウィル・パワー(Team Penske)が2連勝。さらに第4戦ロングビーチまでは3連続ポールポジションとロードコースで好調にシーズンをスタートさせた。

一転、5戦目からはオーバルコースでのレースが続く。カンザスの勝者はスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)で、チームメートのダリオ・フランキッティを従えて1-2フィニッシュとした。Chip Ganassi Racingとしてはカンザスで4年連続の勝利となる。佐藤琢磨(KV Racing technology)は初のオーバルレースにもかかわらず6位を走行。しかし5位を走行中だった武藤英紀(Newman/Haas/Lanigan Racing)と接触し、ともにリタイアに終わっている。

6戦目はインディ500。予選3番手からトップに躍り出、燃費も上手にコントロールしたフランキッティが勝利。女性ドライバーのダニカ・パトリック(Andretti Motorsport)は6位、続く第7戦テキサスでも2位に入る活躍を見せる。第8戦アイオワでは佐藤が一時3位を走行するもバックマーカーと接触してリタイア、舞台が再びロードコースに戻った第9戦ワトキンス・グレンではポールポジションのパワーが今季3勝目を挙げた。

後半戦のスタートはカナダのトロントで行われるストリートレース。ここでもパワーが力を見せて連勝。一方で佐藤はチームメートと接触し再びリタイアとなるが、次戦エドモントンでは9位と初のトップ10内フィニッシュを飾ったほか、第12戦ミッドオハイオでは予選3位からスタートし、好調さをみせることができた。

第13戦ではパワー、第14戦ではフランキッティが勝利と、チャンピオンシップはこの2人に絞られ僅差で展開する。第16戦は5万3000人の観客を集めた日本のツインリンクもてぎ。佐藤はオーバルコースでの自己ベストとなる12位、武藤は14位、スポット参戦のロジャー安川(Conquest Racing)は20位でフィニッシュ。

最終戦までもつれ込んだチャンピオン争いだが、ポイントリーダーのパワーがアクシデントで後退、ランキング2位のフランキッティは8位で確実に完走しシリーズチャンピオン、パワーは2位となった。最終戦の勝者はディクソンでランキング3位。日本人選手のランキングは武藤18位、佐藤21位となった。