AIデータ分析とは?できること・進め方・成功に必要なデータを解説

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AIデータ分析は、需要予測や異常検知、顧客分析など、多くの業界で活用が進んでいます。従来の集計や統計分析では見つけにくかった複雑なパターンを学習し、将来の予測や業務判断を支援できる点が特徴です。

この記事では、AIデータ分析の仕組みや従来の分析との違い、できること、導入手順、データ品質や運用時の注意点まで詳しく解説します。

目次

  • AIデータ分析とは
    • 従来のデータ分析との違い
    • 生成AIと機械学習による分析の違い
  • AIデータ分析でできること
    • 予測(回帰・時系列予測)
    • 分類・スコアリング
    • 異常検知
    • クラスタリング・パターン発見
    • 画像・文章など非構造化データの分析
  • AIデータ分析の進め方
    • 1. 課題・目的・評価指標を決める
    • 2. データを収集・理解する
    • 3. 前処理・特徴量設計を行う
    • 4. モデルを学習・評価する
    • 5. 業務へ導入し、継続監視する
  • AI分析の成否を左右するデータ品質
    • 量だけでなく代表性と偏りを見る
    • 正確性・鮮度・継続性を確認する
  • AIデータ分析の注意点
    • バイアスと公平性
    • 説明性とブラックボックス
    • 個人情報・機密情報・セキュリティ
  • AIデータ分析の活用例
    • 交通・都市計画での分析
  • まとめ

AIデータ分析とは

従来分析とAI分析の違いと共通部分の図

AIデータ分析とは、機械学習やディープラーニングなどのAI技術を活用し、大量のデータから特徴やパターンを学習して予測・分類・異常検知などを行う分析手法です。売上や需要の予測、設備故障の予兆検知、不正利用の検出、交通状況の分析など、幅広い分野で活用されています。

従来のデータ分析との違い

AIデータ分析と従来のデータ分析の違いは、分析方法です。AIデータ分析はAIがデータから特徴やパターンを学習して分析するのに対し、従来のデータ分析は人が方法やルールを決めて分析します。

AIデータ分析は、大量のデータに含まれる特徴や関係性を学習し、人では見つけにくい傾向を捉えられます。そのため、需要予測や異常検知など、複雑なデータを分析する場面に適しています。

一方、従来のデータ分析は、集計や可視化を通じてデータの傾向や原因を把握する分析方法です。分析の過程や結果を説明しやすいため、現状の把握や仮説の検証に向いています。

生成AIと機械学習による分析の違い

生成AIと機械学習による分析は、得意な役割が異なります。生成AIは分析作業を支援することが得意なのに対し、機械学習によるAIデータ分析はデータから予測や分類などの分析結果を導き出すことが得意です。

たとえば、生成AIは文章の作成や要約、情報の整理に加え、データ分析の補助にも活用されています。分析結果の要約やレポートの作成、自然言語でデータを検索・分析する場面で役立ちます。

一方、機械学習によるAIデータ分析は、大量のデータから特徴やパターンを学習し、売上や需要の予測、異常検知、リスク判定などを行います。分析モデルを構築し、データをもとに予測や分類を行う点が特徴です。

AIデータ分析でできること

AIデータ分析でできることと活用例

AIデータ分析でできることは、大きく5つあります。予測、分類、異常検知、クラスタリング、画像・文章などの非構造化データの分析です。それぞれ得意な分析が異なるため、解決したい課題に合わせて使い分けることが大切です。

予測(回帰・時系列予測)

予測とは、過去のデータをもとに将来の数値を予測する分析です。AIデータ分析では、売上や需要、交通量、旅行時間、設備の故障時期など、時間とともに変化するデータの予測に活用されています。

ただし、予測結果は将来を保証するものではない点に留意しましょう。天候や社会情勢などの影響で結果が変わる場合もあるため、予測値だけでなく、予測の誤差も踏まえて判断することが重要です。

分類・スコアリング

分類・スコアリングとは、データの特徴をもとにグループ分けや評価を行う分析です。たとえば、購入する可能性が高い顧客と低い顧客を分類したり、渋滞発生確率や事故発生確率を高・中・低で判定したりできます。

分類結果は、そのまま利用するのではなく、業務で活用しやすい基準を設定することが重要です。また、誤った判定による影響も考慮しながら、分析モデルを評価する必要があります。

異常検知

異常検知とは、通常とは異なる動きや変化を見つける分析です。設備の故障につながる異常や、不正な取引、交通状況の急な変化などを早期に発見するために活用されています。

ただし、異常として検知されたデータが必ずしも問題とは限りません。異常検知は調査が必要な候補を見つける分析であるため、最終的には現場で原因を確認する必要があります。

クラスタリング・パターン発見

クラスタリングとは、似た特徴を持つデータを自動でグループ分けする分析です。たとえば、行動パターンが似ている顧客や、交通状況が似ている道路をグループ化すると、それぞれに合った施策を検討しやすくなります。

あらかじめ条件を決めなくても特徴を見つけられる点が強みですが、グループ分けされた結果が何を意味するのかは、業務の知識をもとに確認する必要があります。

画像・文章など非構造化データの分析

画像・文章などの「非構造化データの分析」とは、表形式ではないデータから特徴を読み取る分析です。たとえば、道路や設備の画像から損傷を検出したり、問い合わせ内容を自動で分類したりできます。

分析精度を高めるには、学習に使用するデータの品質が重要です。また、画像や文章を利用する際は、著作権や個人情報、機密情報に十分配慮しなければなりません。

AIデータ分析の進め方

AI分析ライフサイクル

AIデータ分析は、目的を決めて終わりではありません。課題の整理から運用後の見直しまで、一連の流れで進めることが大切です。

AIデータ分析では、モデル作成が注目されがちですが、実際にはデータの準備や運用後の改善が分析結果を大きく左右します。各工程の役割を理解し、順番に進めましょう。

1. 課題・目的・評価指標を決める

AIデータ分析は、解決したい課題や目的を明確にすることから始まります。たとえば、「売上を予測したい」「事故が起こりやすい場所を見つけたい」など、AIで何を実現したいのかを整理します。

また、AIの活用が必要な課題かを見極めることも重要です。単純な集計やルールで対応できる場合は、従来のデータ分析の方が適しているケースもあります。

あわせて、分析結果の評価方法も決めておきましょう。予測精度だけでなく、業務の改善につながったかどうかも確認しておきたいポイントです。

2. データを収集・理解する

AIデータ分析では、目的に合ったデータを収集し、内容を把握することが重要です。データを集める際は、対象期間や更新頻度、データの粒度、欠損の有無などを確認します。

また、学習データとして利用できる権利があるか、契約条件や利用目的に問題がないかも確認が必要です。運用時に取得できないデータを学習に使うと、実際の業務で同じ分析ができなくなるため注意しましょう。

3. 前処理・特徴量設計を行う

前処理・特徴量設計は、AIが学習しやすいデータに整える工程です。重複データや欠損値、入力ミスなどを修正し、分析に適した形へ整えます。加えて、目的に合わせて特徴量を作成することも重要です。たとえば、交通分析では曜日や時間帯、天候などを組み合わせることで、分析精度の向上が期待できます。前処理の内容は記録し、学習時と運用時で同じ処理を行えるようにしておきましょう。

4. モデルを学習・評価する

モデルの学習・評価では、AIの分析精度や実用性を確認します。学習に使用するデータと、精度を評価するデータは分けて利用します。同じデータだけで評価すると、実際の運用では精度が低下する可能性があるためです。

また、時系列データでは未来の情報が学習データに含まれないよう注意する必要があります。評価では、精度だけでなく、結果を説明しやすいか、処理時間は適切か、誤判定による影響は許容できるかなども確認しましょう。

5. 業務へ導入し、継続監視する

AIデータ分析は、導入後も継続的な見直しが必要です。業務で利用する際は、誰が分析結果を確認し、どのような基準で判断するのかを決めておきます。

また、時間の経過とともにデータの傾向が変わると、分析精度が低下することがあります。そのため、データの変化や分析結果を定期的に確認し、必要に応じてモデルや判定基準を見直すことが大切です。

AI分析の成否を左右するデータ品質

AIデータ分析の精度を左右するのは、データ品質です。どれだけ高性能なAIを使っても、データの量や質が不足していると、期待した分析結果は得られません。

AIは学習したデータをもとに予測や分類を行います。そのため、データに偏りや誤りがあると、分析結果にも影響が出ます。AIデータ分析で成果を上げるには、データの量だけでなく、代表性や正確性、更新頻度なども確認することが重要です。

量だけでなく代表性と偏りを見る

AIデータ分析では、データの量だけでなく、代表性や偏りを確認することが重要です。代表性とは、収集したデータが分析対象全体の特徴を適切に表しているかを示す考え方です。

たとえば、特定の地域や時間帯のデータだけを学習すると、ほかの地域や時間帯では十分な精度が得られない場合があります。また、特定の車種や利用者のデータに偏っていると、分析結果にも偏りが生じる可能性があります。

分析の精度を高めるには、対象全体をバランスよく表すデータを収集し、不足しているデータがないかを確認することが大切です。

正確性・鮮度・継続性を確認する

AIデータ分析では、正確で使い続けられるデータを利用することが重要です。入力ミスや欠損が多いデータを学習すると、分析結果の信頼性が低下する可能性があります。また、古いデータだけを使うと、現在の状況を正しく反映できず、分析精度が下がる場合もあります。

あわせて、データを安定して取得できるかも確認しましょう。データの提供が終了したり、取得方法や仕様が変わったりすると、これまでと同じ条件で分析を続けられなくなる可能性があります。

AIデータ分析の進め方

AIデータ分析を活用する際は、精度だけでなく、公平性や説明性、情報管理にも配慮することが重要です。AIの分析結果は業務判断を支援するものですが、高い精度が得られていても、全ての場面でそのまま利用できるとは限りません。安心して活用するためには、AIの特性やリスクを理解した上で運用することが大切です。

バイアスと公平性

AIデータ分析では、学習データの偏りによって分析結果にバイアスが生じる場合があります。たとえば、特定の地域や利用者のデータが多いと、その特徴が分析結果に強く反映される可能性があります。

分析結果を活用する際は、対象によって精度に差がないかを確認し、不利益が生じる可能性がある場合は、人が結果を確認できる体制を整えましょう。

参考:AI 事業者ガイドライン|経済産業省

説明性とブラックボックス

AIデータ分析では、分析結果の根拠を説明できるかも重要です。AIのなかには、高い精度で分析できる一方で、なぜその結果になったのかを説明しにくいモデルがあります。このように、分析の過程や判断の理由がわかりにくい状態を「ブラックボックス」といいます。

そのため、契約や安全管理など重要な判断に活用する場合は、分析結果だけで判断せず、根拠となるデータやほかの情報もあわせて確認することが大切です。また、用途によっては、精度だけでなく説明しやすさも考慮して分析手法を選びましょう。

個人情報・機密情報・セキュリティ

AIデータ分析では、個人情報や機密情報を適切に管理することが重要です。データを利用する際は、利用目的を明確にし、必要な人だけがアクセスできるよう管理します。

外部のAIサービスを利用する場合は、入力したデータの取り扱いを事前に確認しましょう。匿名化や統計化されたデータでも、ほかの情報と組み合わせることで個人を特定できる場合があります。データの利用方法や管理体制を定期的に見直すことも大切です。

AIデータ分析の活用例

AIデータ分析は、需要予測や交通分析、設備保全、顧客分析など、さまざまな分野で活用されています。ここでは、交通や都市計画の活用を例に解説します。

交通・都市計画での分析

交通・都市計画では、交通量や旅行時間の予測、危険箇所の把握などにAIデータ分析が活用されています。たとえば、過去の交通量や速度の変化をもとに、時間帯ごとの渋滞を予測したり、急減速や急ハンドルなどの走行データから事故リスクが高い場所を抽出したりできます。

また、道路整備や交通施策の実施前後でデータを比較すると、施策の効果を検証しやすくなります。分析結果をもとに改善を繰り返すことで、安全で利用しやすい交通環境づくりにつながります。

まとめ

HDDSを基盤とする交通データの活用

AIデータ分析は、大量のデータから特徴やパターンを学習し、予測や分類、異常検知などを行う分析手法です。成果を高めるには、AIの性能だけでなく、データ品質や運用体制も重要です。

AIデータ分析を導入する際は、目的を明確にし、分析に適したデータを準備した上で、運用後も継続的に精度を確認・改善することが求められます。特に交通・移動分野では、分析に利用するデータの量や正確性、更新頻度が分析結果に大きく影響します。そのため、分析の目的に合ったデータを選ぶことが重要です。

HDDSでは、交通量や旅行時間、速度、OD、急減速、路面挙動など、交通・移動分野の分析に活用できる統計データと分析サービスを提供しています。2010年以降の過去データを提供できる項目があるほか、データの種類によってはリアルタイムでの提供にも対応しています。また、提供するデータは個人情報を含まない統計化データのため、交通分析や需要予測など幅広い用途で活用できます。

さらに、HDDSでは「Riskみっけ」も提供しています。Riskみっけは、Honda車両の走行データをAIで解析し、地域ごとの交通事故リスクを可視化するシステムです。危険な道路やリスクが高い要因を可視化するだけでなく、AIが改善案の作成まで支援します。

AIデータ分析で成果を上げるには、分析手法だけでなく、目的に合ったデータを継続的に活用できる環境づくりが欠かせません。交通・移動分野でAIデータ分析を検討している方は、HDDSが提供するデータや分析サービスの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

このコラムの執筆者

執筆者写真
増田真吾
自動車ライター
自動車整備士・自動車検査員
  • 国産車ディーラー、ガソリンスタンド、車検工場で約15年間整備士として勤務
  • 国内最大手の中古車買取販売会社本部にて保証判定部署に転職し、保証認否および提携工場からの技術相談業務に従事
  • 40歳手前で自動車関連記事の執筆を開始しフリーランスとして独立
  • 2022年に自動車関連企業やサービスをきっかけとして、WEB制作やSNS支援、YouTube制作を行う「株式会社グラフィカ・ワン」を設立
  • 現在は複数のライターと主にチームとして記事執筆担当
  • 大手カー用品店、レーシングチーム、eモータースポーツなど様々なプロジェクトに参画中
増田 しんご【車系ライター/エディター/コンテンツクリエイター】 - X(Twitter)
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