Hondaは、FIA※フォーミュラ・ワン世界選手権(以下、F1)の第9戦オーストリアGP(開催地:スピルバーグ7月1〜3日)に向けて準備を進めています。今大会のサーキット情報や、今週末のレースの見どころなどをレポートします。
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レース日時
7月1日(金) | フリー走行1 10:00〜11:30(日本時間 17:00〜18:30) フリー走行2 14:00〜15:30(日本時間 21:00〜22:30) |
7月2日(土) | フリー走行3 11:00〜12:00(日本時間 18:00〜19:00) 予選 14:00〜15:00(日本時間 21:00〜22:00) |
7月3日(日) | 決勝レース 14:00〜 (日本時間 21:00〜) ※決勝レースは71周完走、もしくは2時間経過時点の周回で終了 |
サーキット情報
サーキット名 | レッドブル・リンク |
所在地 | オーストリア・スピルバーグ |
コース全長 | 4.326km |
周回数 | 71周 |
トップスピード | 時速310km |
特徴 | レッドブル・リンクは今年のF1カレンダーの中で最もコーナー数が少なく、シンプルなコースレイアウトであり、毎ラップが70秒程度とレース時間自体も大変短いサーキットである。オーストリアの雄大な自然を活用した、標高700m地点に位置する美しいサーキットである一方、標高の影響で、エンジンのパワーが必然的に落ちてしまう分、ターボなどが普段以上に仕事をする必要があり、パワーユニットには大変厳しいサーキット。また、シャシーのダウンフォースも発生しにくくなるために、空力の調整も重要となる難しさをあわせ持っている。今週末のレースタイヤは、昨年よりも柔らかいウルトラソフト、スーパーソフト、ソフトの3種類が用意されているため、昨年1ピットストップでほとんどのマシンがレースをフィニッシュしたが、今年はウルトラソフトの登場で戦略を変える必要があるかはチームの駆け引きポイントとなる。各コーナーの避難エリアが広く、整備が行き届いているためにセーフティーカーの出現は少なく、中断のないスピードレースが展開される予定だが、昨年は1ラップ目でアロンソ選手も巻き込まれた大きなアクシデントが発生したので、油断はできない。 |
気候 | 今週は25℃前後で暖かい予報だが、土・日は雷雨の可能性が高い。サーキットは標高700mに位置し、山々に囲まれているため天候が変わりやすい。 |
2015年優勝者:ニコ・ロズベルグ (メルセデス・AMG・ペトロナス・F1チーム)
2015年ファステストラップ:ニコ・ロズベルグ 1分11秒235 (35周目、メルセデス・AMG・ペトロナス・F1チーム)
ラップレコード:1分08秒337 (2003年、ミハエル・シューマッハ、フェラーリ)
※ FIAとは、Fédération Internationale de l'Automobile(国際自動車連盟)の略称
長谷川祐介 株式会社本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
「レッドブル・リンクは、オーストリアの山々に囲まれた自然豊かで美しいサーキットですが、日曜日にはのどかな田園風景をバックに、例年ハイスピードバトルが繰り広げられ、一年で最も短いレースとして、とても忙しい戦いとなります。
コースの特徴としては、2コーナーまで傾斜が高い上り坂を全開で登った後は、ヘアピンなどを含む曲がりくねった下り坂を一気に下ることになります。一見シンプルなサーキットに見えるものの、全長が短くブレーキングポイントが少ないことから回生エネルギーを規定の2MJに到達させるのが難しいこと、標高700mではパワーユニットのターボ効率が平地より低くなることなどから、効率のいいエネルギーマネージメントが必要となります。
カナダGPでアップデートを行ったターボがここ2戦ともに期待通りのパフォーマンスを発揮しており、熱エネルギーの効率いい回生ができていることを確認しましたので、今週末のレッドブル・リンクでも十分にバトルできると思います。再びポイント圏内に戻ることを目指し、週末に向けた準備をチームと進めます」