6月7日(月)
前戦ヨーロッパGPでは、ジェンソン・バトンが今季7戦中5度目の表彰台に上がった。また佐藤琢磨も自己ベストのフロントローからのスタートを獲得するなど、Lucky Strike B・A・R Hondaの好調ぶりはいささかも衰えていない。そしてチームは今週末、北米での2連戦を戦うべく、まずはカナダ・モントリオールへと向かう。
今季の絶好調を見れば、念願のチーム初優勝がほとんど手の届くところまで近づいているのは間違いない。カナダGPはモントリオール市内ノートルダム島にある、ジル・ビルヌーブサーキットで行なわれる。Hondaはここに、大きくパワーアップした改良型エンジンを投入する。このバージョンはすでに5月中旬に南仏ポールリカールでテストされ、先週にはイタリア・モンツァでも仕上げのテスト走行が実施された。第3ドライバーのアンソニー・デビッドソンが、火曜日からの3日間にわたって、約200周を走行。テスト2日目には、総合トップタイムを叩き出している。
一方レギュラードライバーの2人は、シルバーストーンで行なわれた3日間のテストに参加。おもなテストメニューは、イギリスGPに向けてのタイヤ選択だった。佐藤は火曜日と水曜の午前中を走り、水曜日にはトップタイムを記録した。バトンは、水曜午後と木曜日を担当。最終日には109周を走り、有意義なデータを収集した。
Hondaは5年連続して、モントリオール市内中心部のクレセントストリート・フェスティバルに参加する。今年は佐藤とバトンの両ドライバーが、10日木曜日に行なわれるオープニングセレモニーに参加する予定だ。フェスティバルでは、モントリオール・リハビリ・インスティチュートへの6万ドルの支援を目標とする、チャリティーオークションも開かれることになっている。オークションはクレセント通りで、午後5時15分から1時間。Hondaがこの先進的なリハビリ施設を支援するのも、今年で5年目となる。
オークションには、F1に関する盛り沢山のアイテムが出品されることになっている。その目玉は、Lucky Strike B・A・R Hondaのカラーリングの施された、限定バージョンの2台のHonda製スクーター。ステージ上のバトンと佐藤が、それぞれのサインを書き加えることになっている。他にもB・A・Rファクトリー訪問を含んだイギリスGPへのVIPツアーもある。さらにバトンのサイン入りレーシングスーツとグローブ。そして昨年のB・A・R Honda 005マシンのリヤウィングパーツも、同じくサイン入りで出品される予定だ。
Hondaカナダは、全世界の中で最も活動的なマーケットの一つである。アキュラとHondaの両ブランドを扱い、北米市場での重要な一翼を担っている。1969年に創設された同支社は、現在ではカナダでの5大自動車メーカーのひとつに数えられるまでに成長した。また2輪とATV(All Terrain Vehicles)では同国最大、汎用製品や船舶用エンジンでも最大級の規模を誇っている。
Hondaは18年前から、同国で乗用車を生産して来た。現在、オンタリオ州アリストンの同拠点においては、年産39万台を誇る。これらはカナダ国内だけでなく、アメリカや日本を始めとする世界14カ国に輸出。また同社は国内55のパートナー企業から、今までに80億ドルものパーツおよび原材料を購入している。
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