
今季唯一の500マイルレースとなった第18戦“The 500”が、カリフォルニア州フォンタナの“カリフォルニア・スピードウェイ”で開催。ポール・ポジションからスタートしたトニー・カナーンを、予選4位のマイケル・アンドレッティが捉えてトップに浮上するなど、レースは1周目から目の離せない展開となる。中盤もマイケル・アンドレッティとトニー・カナーンを含む6台によるトップ争いが繰り広げられ、残り7周の再スタートでマイケル・アンドレッティがトップに躍進。だがその2周後にイエローコーションが発生し、赤旗中断。コースがクリアとなってレースは残り2周で再スタートし、マイケル・アンドレッティがわずか0.4秒差で2位フィニッシュとなる。 |
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第18戦はカリフォルニア州ロサンゼルスのダウンタウンから車で東に約45分のフォンタナにある2マイル・オーバル、“カリフォルニア・スピードウェイ”で開催。バックストレートエンドでは最高速が時速400キロを超える、CARTシリーズ最速のコースだ。今シーズンのオーバルはこれが最後であり、今季唯一の500マイルレースとなる。
予選11月2日(土)
土曜日に行なわれた予選は、プラクティスの総合タイムの遅いドライバーからタイムアタックを行なう“シングルカー・クオリファイ方式”で決勝グリッドを決める。プラクティスで最速タイムをマークしているトニー・カナーンは一番後に登場し、予選のタイムアタックでも31.483秒のトップ・タイムをマーク。第16戦に続いて今季2度目、自己通算5度目のポール・ポジションを獲得した。以下、マイケル・アンドレッティが31.685秒で2列目4番グリッドを確保したほか、ポール・トレイシーが31.734秒で5番手、ダリオ・フランキッティが31.759秒で9番手と続く。前回の第17戦オーストラリアで負傷したエイドリアン・フェルナンデスの代役としてエントリーしたマックス・パピスは10番手。中野信治もポール・ポジションからわずか0.353秒遅れの12番手を確保し、Honda勢は6台すべてが決勝グリッド6列以内からのスタートとなる。
決勝11月3日(日)
好天に恵まれた決勝日、午後12時38分にグリーン・フラッグが振られて500マイルのレースがスタート。オープニングラップでマイケル・アンドレッティが4番手の位置からホール・ショットを決めてトップに躍進。序盤はマイケル・アンドレッティ、ポール・トレイシー、トニー・カナーンらのHonda勢に、ピット・タイミングをずらしたダリオ・フランキッティも加わり、次々とトップが入れ替わる激しいレースが展開する。
66周目、2回目のピット・ストップで大きく順位を落としたポール・トレイシーが、86周目に痛恨のメカニカル・トラブルでリタイア。しかしながらレースは中盤を過ぎてもマイケル・アンドレッティとトニー・カナーンがトップ・グループを走行し、500マイルのサバイバルレースはいよいよ終盤へと突入した。
レースは残り12周となり、フルコース・コーション後の再スタートでマイケル・アンドレッティがJ.バッサーをパスしてトップに立った。ところがその4周後、周回遅れとなっていたダリオ・フランキッティがコース上でストップし、マシンに火災が発生したためにマシンを降りてリタイア。レースは残り5周で赤旗中断となってしまった。今年からゴールはグリーン・フラッグで迎えるという新ルールが採用されており、そのための中断だ。
コースがクリーンとなって、ウォームアップの後248周目にグリーン・フラッグで再スタート。この時点でトップのマイケル・アンドレッティだったが、再スタートで真後ろにいたJ.バッサーがドラフティング(スリップ・ストリーム)から抜け出して再度トップへ。ホワイト・フラッグを目にして最後のチャンスにかけるマイケル・アンドレッティだったが、オーバーテイクは叶わず結局2位のままチェッカー。惜しくも優勝を逃したマイケル・アンドレッティは、第11戦のミド-オハイオ以来となる今シーズン4度目、HondaターボV8エンジンにとっては今シーズン13度目の表彰台獲得となった。
予選12位からスタートした中野信治は、レースウィークをとおして悩まされ続けていたハンドリングの問題が解決できないままレースに挑む。決勝では100周目を過ぎたあたりからオーバーステアが大きくなって徐々に後退。140周目には周回遅れとなってしまう。その後もなんとか完走を目指してレースを続行していた中野信治だったが、200周を過ぎてアップライトの温度が異常に上昇。これ以上の走行は危険とチームが判断し、無念のリタイアとなった。
M.アンドレッティ(2位)
242周目の再スタートのあと、レースはもらったと思ったよ。でもそのあとの赤旗中断で事態は逆転した。ジミー(バッサー)のマシンはベスト・コンディションだったようで、再スタートで彼にパスされたあと、ターン3とターン4でなんとかパスを試みたけど追いつけなかったよ。
T.カナーン(4位)
レース後半は周回遅れを交わすことに苦労して、ジミー(バッサー)やマイケル(アンドレッティ)をパスするまでは至らなかった。もう1〜2周あれば、表彰台もいけたかもしれない。でもアクシデントにも遭わなかったことだし、4位という結果には満足すべきだろうね。
D.フランキッティ(10位)
レース中、マシンの調子は良くなかった。ピット・ストップの際にダウンフォースを減らそうと思い、フロント・ウイングを思い切って調整したらアンダーが強くなってしまった。その問題がなければ独自のピット作戦も上手くいくはずだった。それにしても242周でのリタイアは残念だ。
M.パピス(14位)
チームと仕事ができたことで、とてもハッピーなレース・ウィークだった。それだけにレースをフィニッシュすることができなかったのは残念だ。自分にとってはここでレース活動が一旦休止となるが、僕の今日の走りがみんなの印象に残ってくれることを望んでいる。
中野 信治(15位)
金曜日から同様のトラブルに悩まされ続けていました。レースでは100周目あたりからオーバーステアがかなり強くなり、リアサスペンションのアップライトが異常に加熱してチームが継続を断念。終始ハンドリングの問題については解決の糸口が見つからないままの状態でした。
P.トレイシー(17位)
今日はトップグループで渡り合えるだけのスピードがあっただけに、チームにとって残念な結果だ。最初のピット・ストップでイグニッション系のトラブルがあり、後退してしまったあとはトップグループに返り咲くことができなかった。どうもこのサーキットでは不運に祟られるようだ。
Honda・パフォーマンス・デベロップメント副社長 朝香 充弘
マイケルが優勝を逃したことは残念ですが、久しぶりにみなさんにパワーレースを見てもらうことができて良かったと思います。今回は予選、レースと観客のみなさんはHondaパワーの力強さを堪能されたことでしょう。残りあと1戦となりましたが、全力で戦い抜きます。
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