
第11戦はオハイオ州レキシントンのミド‐オハイオ・スポーツカー・コースで開催。33℃を超す暑さのなか、午後12時45分にグリーンフラッグでレースがスタートした。序盤、Honda勢はトニー・カナーンの4位以下トップ10に4台が走行していたが、24周目にポール・トレイシーがメカニカルトラブルで戦列を離れ、40周目にはダリオ・フランキッティもコース上でストップ。さらに3位のトニー・カナーンも残り13周でトラブルに見舞われ戦線離脱するなど不運が襲う。しかしながら3位に上がったマイケル・アンドレッティがそのままのポジションを守りきり、今季3回目の表彰台。中野信治が9位に入賞し、6戦連続でチャンピオンシップポイントを獲得した。 |
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第11戦の舞台は今年で21回目となるミド‐オハイオ・スポーツカーコースで開催。今季4回目の常設ロードコース戦となる。起伏の激しい中低速コーナーと長いストレートで構成されているテクニカルなコースは1周2.258マイル。Hondaはこのコースで過去6戦中、5回のポールポジションと5回の優勝を挙げ、近年圧倒的な強さを誇示している。
予選8月10日(土)
土曜日の最終予選は初日より気温も上がり、初日のタイムを上回ることはないと思われていたが、予想とは裏腹に出走した18台のマシンすべてがタイムアップ。そのなかで金曜日に続き、土曜日の最終予選でもトニー・カナーンがHonda勢トップとなる66.631秒のタイムで5番手を確保。1990年から3年連続でポール・ポジションを獲得しているマイケル・アンドレッティは66.822秒のタイムで8番手に入り、チームメイトのポール・トレイシーが15番手からいっきに9番手まで躍進。Honda勢は3台のマシンがトップ10入りとなった。1998年、1999年と2年連続ポール・ポジションを獲得しているダリオ・フランキッティは、今回11番手からのスタート。前回第10戦でのアクシデントで負傷したエイドリアン・フェルナンデスの代役としてエントリーしたマックス・パピスは、初めてのHondaターボV8エンジンを駆り14番グリッドを確保。チームメイトの中野信治は今回17番グリッドからの決勝スタートとなった。
決勝8月11日(日)
レース・ウィーク中、最も気温が上昇した日曜日の決勝、ミド‐オハイオ恒例の高湿度と相まって、ドライバーには過酷なコンディションとなる。12時45分、グリーンフラッグを合図に92周の決勝レースがスタート。クリーン・スタートで幕を開けたレース序盤、Honda勢は予選5番手のトニー・カナーンが4位に上がり、1990年と1991年に連勝しているマイケル・アンドレッティが8番手から6位に上昇。ポール・トレイシーも7番手にアップし、Honda勢はトップ10内に4台が走行している。
しかし最初のピットストップを目前に控えた24周目、ポール・トレイシーがメカニカル・トラブルで突然ピットインし、リタイアを余儀なくされてしまう。40周目にはチームメイトのダリオ・フランキッティもコース上でスローダウン。こちらはピットに辿りつくことなくコース上でリタイアとなる。前回の第10戦でワンツー・フィニッシュを果たしたチーム・クール・グリーンの2台は、レース前半で戦列を離れてしまった。
70周目、2位走行中のC.ダ・マッタがターン4でスピンし、コースアウトした脇をすり抜けたトニー・カナーンが3位にポジションアップ。加えてマイケル・アンドレッティも4位に上がる。ここでレースはフルコースコーションとなり、この間にすべてのマシンが最後のピットストップを済ませ、72周目にレースが再スタート。
ラスト20周で3位に上がったトニー・カナーンだったが、79周目に突如スローダウン。モー・ナン・レーシングのチームクルーはピットに戻ったマシンの回復を試みるが、結局断念。前戦で3位表彰台を獲得したトニー・カナーンは、今シーズン6回目となるDNFの苦汁をなめることとなった。
第10戦で表彰台を独占した3人がいなくなってしまい、不運が続いたHonda勢だったが、ここでマイケル・アンドレッティが3位に浮上。ベテランらしい手堅い走りを最後まで披露し、92周のハードなレースを戦ったマイケル・アンドレッティは3位のままフィニッシュ。今季3度目の表彰台を獲得し、チャンピオンシップ・ポイントでも6位にランクアップする結果となった。
一方、予選中に変化する路面コンディションに対してセットアップが追いつかず、決勝は17番手のポジションからのスタートとなった中野信治は、43周目にポイント圏内の12位まで躍進。さらに71周目には10位、78周目には9位へと後半も徐々にポジションを上げていく。最終的に9位でフィニッシュした中野信治は6戦連続、今季通算8回目のポイント獲得となった。
M.アンドレッティ(3位)
とにかくミスを犯さず、限界まで攻めた。今回のようにマシンもまずまずの調子の時は、表彰台に上がるチャンスは大きい。この調子で後半戦も上位を狙っていきたいね。皆、シーズンの行方は決まったようなものだと言っていたけど、そんなことはないさ。まだまだチャンスはあるよ。
中野 信治(9位)
レース全体としては良い内容だったと思います。序盤はオーバーステアが大きく出ていましたが、最初のピットストップでタイヤ圧を調整したらだいぶ良くなりました。やはりこのレースは予選位置が大事です。ほとんどのドライバーがほとんど変らないタイムで走行していましたからね。
T.カナーン(14位)
前回に引き続き2戦連続で表彰台は堅かったのに、この不運な結果は非常に残念だ。表す言葉が見当たらないよ。なんの前兆もなく、急に後輪がロックしてしまったんだ。でも悔やんでも仕方がない。ここから何かを学び、次回でベストを尽くすしかない。絶対に諦めないよ。
M.パピス(15位)
スタートはきわどい状態だったけど、なんとか無事切りぬけたよ。レース中はトップグループのタイムと大差なく走行することが出来た。後半に的を絞っていただけに、トラブルに見舞われたことはとても残念だけど、自分なりにベストを尽くした。今回はいいチームに参加できて良かったね。
D.フランキッティ(17位)
何が起こったのか見当がつかない。無線でピットストップのことを話していたら、ターン9で急にエンジンパワーを失った。即座にイグニッションをチェックしたが原因は違ったようだ。タイトル獲得の可能性はだいぶ下がったが、まだチャンスはあるはずだ。これからも最善を尽くすよ。
P.トレイシー(18位)
何がおきたのかわからないが、バックストレートを走行中にギアシフトをした際、大きなバックファイアーが聞こえた。その途端にエンジンパワーが下がり、なんとかピットまでたどり着いたが結局ダメだった。ポイントランキングでだいぶ差が開いてしまったようだね。
Honda・パフォーマンス・デベロップメント副社長 朝香 充弘
今日のレースはスタート順があまり良くなく、苦戦は覚悟していました。しかしながら、マイケル(アンドレッティ)がいつものように落ち着いた走りでよく頑張ってくれ、3位が取れてよかったと思います。後半戦ではこのように確実に上位を確保していくことが必須だと考えており、今後も全力で戦っていきます。
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