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            第7戦はアメリカ第3の都市、イリノイ州シカゴ郊外のシカゴ・モーター・スピードウェイで開催。コースは典型的な左右対称のターンを持つオーバルで、Rは比較的小さくバンク角も浅め。CARTイベントは1999年に初開催してから4度目となる。 
             
            予選6月29日(土) 
            今回のレースウィークは、通常金曜日に設けられるプラクティスが無く、各ドライバーは土曜日午前中に行われたプラクティス一回のみの走行で午後の予選タイム・アタックを迎える。午後1時45分にスタートした予選では、12番目に出走したダリオ・フランキッティが23.428秒のタイムで今季初、自己通算11回目となるポール・ポジションを獲得。加えてHonda勢は、午前中のプラクティスでトップタイムをマークしたトニー・カナーンが23.526秒で4番手2列目グリッドを確保。グリッド3列目には不調のプライマリー・カーで記録したタイムをあえて放棄し、再アタックを行ったエイドリアン・フェルナンデスが17番手からいっきに6番手まで躍進する。今季オーバルで好調のポール・トレイシーは13番手。またエイドリアン・フェルナンデスと同様にTカーで再アタックを敢行したマイケル・アンドレッティは、ひとつ順位を上げ14番グリッド。中野信治は23.905秒で16番手からのスタートだが、トップとの差はわずか0.477秒しかない。 
             
            決勝6月30日(日) 
            午後2時40分、34℃を超す猛暑のなか18台のマシンがコースイン。ウォームアップのあとグリーン・フラッグが振られて250周のレースがスタートしたが、オープニングラップのターン1で2台のマシンが絡むアクシデントが発生。レースはフルコース・コーションとなる。 
             
            13周に及ぶペースカー先導を経てレースが再開。ポール・ポジションから好スタートを決めたダリオ・フランキッティが飛び出し、序盤を快調にリードする。HondaターボV8勢は3番手にトニー・カナーン、6番手以下エイドリアン・フェルナンデス、ポール・トレイシー、マイケル・アンドレッティと続き、中野信治も12番手までポジションを上げる。 
             
            迎えた68周目、全車がいっせいに予定のピット・ストップを行う。ところがトップでピットインしたダリオ・フランキッティだったが、右前輪の交換に手間取り痛恨のタイムロス、順位を3位まで落としてしまう。79周目、後半に向けて追い上げが期待されたマイケル・アンドレッティのマシンにメカニカル・トラブルが発生。ピットに戻ったマイケル・アンドレッティは無念のリタイアを余儀なくされた。 
             
            141周目にブレーキの不調を訴えるエイドリアン・フェルナンデスがピットイン。トラブルを修復するも9周遅れで戦列復帰となる。Honda勢にさらに不運が続き、156周目の再スタート直後、2位争いをしていたポール・トレイシーとA.タグリアーニがコース上で接触。コース上で逆向きにストールしてしまったトレイシーはセイフティ・クルーの助けを借りて再スタートするが、周回遅れとなってしまった。しかしこのフルコースコーションで中野信治がトニー・カナーンの後ろ、6位までポジション・アップを果たす。 
             
            200周を過ぎたところで各チームは最後のピットストップを終了。だが2度目のピットでもタイヤがうまく交換できなかったダリオ・フランキッティは3位をキープするのがやっと。トップを挽回すべくチェッカーを目指すが、前半のタイムロスが尾を引き上位2台になかなか届かない。結局3位でチェッカーを受けたダリオ・フランキッティは、優勝こそ逃したものの今季4度目の表彰台を獲得。ポイント・ランキングでも3位に浮上する結果となった。 
             
            一方予選16番手からスタートした中野信治は、スタート直後のフルコース・コーションで12番手までポジション・アップ。47周目には11位、ピット・ストップを終えた79周目には10位まで順位を上げた。レース後半のフルコース・コーション下ではピット・ストップを挟みながらも6番手に浮上。ピットのタイミングでレース終盤10周にわたってトップを走行した中野信治は、最終的に自己ベストの5位でチェッカーを受け、チャンピオンシップ・ポイント10点を獲得した。 
             
             
            D.フランキッティ(3位) 
            表彰台に上がることができてよかった。このマシンは昨日初めて走行したまったくの新車だったけど、大きな問題は無くほぼ思いどおりに走った。普段からトレーニングを欠かさなかったおかげで、今日のコンディションにも対処できたよ。ピット・ストップに関しては今後の課題だ。 
             
            中野 信治(5位) 
            今日のレースはノーミス、ノートラブルでした。チーム・スタッフが時間をかけてベストセッティングを探してくれたことに感謝します。シーズン当初からの問題も少しずつ解決されてきています。今週はメカニカル・トラブルが無かった分、セットアップに時間をかけることが出来ました。 
             
            T.カナーン(8位) 
            以前は完走することのみを目標としてきたけど、今はもっと上位入賞を目指すことを念頭に置いている。今日は本当に蒸し暑く、ひさしぶりのタフなコンディションだった。タイヤが磨耗してくると、ハンドリングに悪影響がでた。今後はピット・ストップでの時間短縮を目指したい。 
             
            P.トレイシー(9位) 
            スタートが上手くいったおかげで順位を上げることが出来たのはとてもよかった。なんといっても156周目のアクシデントは残念だ。それまで絶好調だったハンドリングも、あの後問題が出てきた。レース終盤は、なんとしてもポイントを取りたかったから、ひたすら入賞をめざしたよ。 
             
            A.フェルナンデス(13位) 
            マシンはまずまずの状態だった。トップグループとの走行も苦にならなかったからね。実際、もっと上位でのフィニッシュが望めたと思う。それが中盤辺りからブレーキトラブルにみまわれてしまい、ハンドリングにも影響が出てきた。次回のトロントで雪辱を晴らしたい。 
             
            M.アンドレッティ(15位) 
            良いスタートを切れたおかげで、序盤からいいポジションを得ることができた。マシンも好調で、序盤はアウトからパスすることも可能な勢いだったよ。ところが走行中にコックピット内から煙が立ちこめてきた。何か焦げる匂いがしたあと、エンジンのパワーが落ちてしまった。 
             
            Honda・パフォーマンス・デベロップメント副社長 朝香 充弘 
            大変好調だったダリオが勝てなかったのは残念ですが、ポイントはしっかり確保してくれました。これから後半に向かって力強い追い上げをみせてくれることを期待します。また、中野選手が追い越しの難しいコースでよく頑張り、5位を取れたことはうれしいことです。これで、彼もこれからのレース展開には大きな自信をもてるようになったと思います。 
             
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