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MotoGP

round 14

SCHEDULE

September 27 2014, QUALIFYING MotoGP Gran Premio de Aragón

アラゴンアラゴンGP

マルケスが今季11度目のポールポジションを獲得。ペドロサが2番手と、Repsol Honda Teamが絶好のグリッドを獲得する

2014年9月27日(土)・予選  会場:モーターランド・アラゴン  天候:晴れ   気温:24℃  コースコンディション:ドライ

第14戦アラゴンGPの予選は、Repsol Honda Teamのマルク・マルケスとダニ・ペドロサによる、し烈なポールポジション(PP)争いとなり、マルケスが今季11度目のPPを獲得。ペドロサが僅差の2番手となりました。アラゴンGPは、Repsol Honda Teamが2011年から3連覇を達成しており、これで大会4連覇への期待が膨らみました。PPを獲得したマルケスはアラゴンGP2連覇(Moto2時代を含めると通算4勝)、ペドロサは2年ぶりのアラゴンGP制覇に挑みます。

  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル
  • 青山博一(右)青山博一(右)

前日は路面コンディションがよくありませんでした。そんな中でマルケスは、着実にセットアップを進めて2番手。路面コンディションが改善した2日目は、決勝を想定したロングランに集中しました。マルケスはこの日のフリー走行で、ベストタイムを狙う走りはみせませんでしたが、2度のフリー走行でともにトップタイムをマークしました。そして迎えた予選では、最初のアタックで1秒47秒マーク。昨年の予選で、自身がマークした1分47秒804を680を早々にブレイクしました。その次周には、1分47秒572を叩き出し、さらにタイムを短縮し、トップに浮上しました。

その後、2度目のアタックを先に行ったペドロサが、1分47秒549をマークして逆転を許しますが、2度目のアタックに出たマルケスがさらにタイムを短縮。昨年のベストタイムを0.617秒も短縮する1分47秒187というスーパーラップで、PPを獲得しました。

2年ぶりのアラゴンGP制覇に闘志を燃やすペドロサも、フリー走行では決勝を想定したロングランに集中。順調にマシンを仕上げました。そして予選では、アタックするたびにベストタイムを更新し、2番グリッドを手にしました。

これで、Repsol Honda Teamの2人が予選で1-2となるのは、第2戦アメリカズGP、第9戦ドイツGPに続いて3度目。両選手がフロントローに並ぶのは7度目です。今シーズン、2人がフロントローから決勝に挑んだレースでは、すべて2人ともが表彰台に立っているだけに、今大会は両選手の優勝争いと、Repsol Honda Teamの大会4連覇が期待されます。

初日のフリー走行で8番手のステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、2日目に行われた3回目のフリー走行で総合5番手に浮上。予選前の4回目のフリー走行では、さらにポジションを上げる4番手と、快調にラップを刻みました。予選ではアタックに失敗して8番グリッドに終わりましたが、アベレージを上げることには成功しました。決勝では追い上げのレースが期待されます。

Hondaの市販レーシングマシン「RCV1000R」に乗る青山博一(Drive M7 Aspar)が14番手。ファクトリー機であるRC213Vを駆るアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)は、リアのグリップ不足に苦しみ15番手と低迷しました。以下、RCV1000Rに乗るスコット・レディング(GO & FUN Honda Gresini)が16番手、カレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)が17番手、5戦ぶりに復帰のニッキー・ヘイデン(Drive M7 Aspar)が18番手でした。

Moto2クラスもMotoGPクラスと同様、し烈なPP争いが展開され、総合3位のマーベリック・ビニャーレス(Paginas Amarillas HP 40)が、Moto2クラスで初めてPPを獲得。以下、1秒差以内に21台が入る大接戦となりました。2番手はヨハン・ザルコ(AirAsia Caterham)、3番手には総合2位のミカ・カリオ(Marc VDS Racing Team)が入りました。初日のフリー走行でトップタイムを叩き出した、総合トップのエステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)は、2日目のフリー走行で3番手と好調をキープ。ところが、予選ではトップに浮上するも、痛恨の転倒を喫し、最終的には5番手に終わりました。とはいえ、チャンピオン争いをするカリオとラバト、そして2人を追うビニャーレスが好調で、今大会はこの3選手による優勝争いに注目が集まります。

初日23番手と出遅れた中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は、7番手と大きくポジションアップ。前戦サンマリノGPの10位を上回る、ベストリザルトに挑みます。

Moto3クラスは、初日のフリー走行でトップタイムをマークしたアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)が、シーズン4度目となるPPを獲得しました。リンスはこれで、アラゴンGPで2年連続のPP。以下、1秒差以内に17台が入り、総合2位のアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)は5番手でしたが、リンスとともに2列目から優勝を狙います。総合首位のジャック・ミラー(KTM)は4番手でした。ワイルドカードで出場の尾野弘樹(Honda Team Asia)は、FIM CEVレプソルインターナショナル選手権でマークした、モーターランド・アラゴンでの自己ベストを0.7秒短縮して19番手。決勝ではポイント獲得を目指します。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP ポールポジション)
「今大会はいいスタートを切れました。その走りがキープでき、予選でもとても好調でした。今日は予選でアタックするためのセットアップというよりも、レースペースを改善することに集中し、いいペースで周回できました。決勝に向けていい状態になりました。しかし、ダニもとても速いペースで走っているので、明日の決勝はどうなるか分かりません。ベストタイムを出した周回は100%の走りでした。ポールポジションを獲得できてよかったです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 2番手)
「今日はいい予選になりました。ここ数戦、フロントローに並べていなかったので、決勝ではいつも苦しいスタートになっていました。しかし、今大会はいいグリッドを獲得したので、最初からトップグループで戦えると思います。アラゴンでのレースは、スタートがとても重要です。そして、長いレースになるので、いいペースで走り続ける必要があります。明日はすべてのコーナーで集中しなければなりません」

ステファン・ブラドル(MotoGP 8番手)
「昨日に比べて、今日は大きく前進できました。午前と午後のフリー走行ではともに、ハンドリングなど、全体的にマシンがよくなり、気持ちよく乗れるようになりました。予選では、何度かミスをして、パーフェクトなアタックはできませんでしたが、いいペースで走れているので、明日の決勝がとても楽しみです。3列目からのスタートになりますが、決勝では、2つか3つポジションを上げられると思います」

青山博一(MotoGP 14番手)
「昨日できなかったタイヤのテストに集中しました。午前のフリー走行では、ソフトとハードの両方を試し、ハードの方がフィーリングがよく、ベストタイムもハードで出しました。しかし、午後のフリー走行は、サスペンションのセットアップをちょっとアジャストしたせいなのか、あまりフィーリングがよくなかったので、予選はソフトタイヤでアタックしました。それが結果的によくて、思った以上にタイムを上げられました。明日は天候が大きく変わりそうですが、それに合わせて、セッティングを外さないようにしたいです」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 15番手)
「依然としてリアのグリップ不足に苦しんでいます。そのため、マシンとタイヤのパフォーマンスを引き出せず、今日も苦戦しました。とにかく、Q2に進出することができなかったので、明日の決勝は後方のグリッドからレースに挑むことになりました。とてもがっかりしています。同じマシンに乗るライバルたちより1秒以上も遅いです。今の状態でやれることは限られますが、ホームグランプリですので、明日の決勝ではファンのためにも全力で挑むつもりです」

スコット・レディング(MotoGP 16番手)
「難しい一日でした。フリー走行では、いろいろなことにトライしましたが、いずれもいい状態にはならず、予選では以前のセットアップに戻しました。しかし、昨日と比べてもよくなかったので、明日のウォームアップでさらにセットアップを行う必要があります。明日は、厳しく長いレースになることは間違いありません。しかし、RCV1000R勢のトップでフィニッシュできるようにがんばります」

カレル・アブラハム(MotoGP 17番手)
「今日はとても残念な一日でした。予選では、フリー走行より気持ちよく走れていました。しかし、セッションが始まると、集団についていこうとしたのに、うまくいきませんでした。そのあと、バレンティーノ(ロッシ、ヤマハ)についていこうとしましたが、今度は転倒してしまいました。転倒したマシンは時速180kmで壁にぶつかり、大きなダメージを受けました。しかし、幸い僕にケガはありませんでした。どうして転倒したかはデータを分析しないと分かりません。残念な一日でしたが、明日はいいレースができるように、全力を尽くします」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 18番手)
「今日は、いくつかのポイントで前進できました。しかし、期待したほどはタイムを上げられませんでした。それがどうしてなのかは分かりませんが、思うようにグリップしてくれませんでした。その原因を知るためにはデータを分析する必要があります。今週は5戦ぶりの復帰戦なので、簡単なレースでないことは分かっています。決勝は、次戦につながるように最後まで走りきりたいです」

マーベリック・ビニャーレス(Moto2 ポールポジション)
「Moto2クラスはいつも接戦になりますが、今日はとても気持ちよく終われました。レースに向けてマシンはとてもいい状態です。明日の決勝がとても楽しみです」

ヨハン・ザルコ(Moto2 2番手)
「今日は厳しく、難しいセッションでした。自分は完ぺきな走りをしましたが、マーベリックは、さらに速いタイムをマークしました。セッション序盤は、リアが滑りやすく、タイムを出すのは不可能でした。それで、新品のタイヤに履き替えたとき、スムーズに乗るように心がけたら、いいペースが刻め、タイムが上がりました。今日はマーベリックが速かったのでポールポジションを獲得できませんでしたが、フロントローから決勝に挑めるので満足しています」

ミカ・カリオ(Moto2 3番手)
「ポールポジションは獲得できませんでしたが、フロントローに並べてとてもハッピーです。今大会はあまりいいスタートではありませんでしたが、一生懸命、セットアップに取り組みました。そして、今日の午前のフリー走行では、フロントの安定性が増し、攻めの走りができるようになりました。ところが、予選ではコンディションが変わり、タイムを更新できませんでした。みんな同じ条件なので仕方ありません。しかし、ベストラップに近いタイムで安定して走れていますし、明日のレースはいい走りができると確信しています」

中上貴晶(Moto2 7番手)
「正直、昨日の走行を終えた時点で、セッティングが行き詰まってしまったので、今年のアラゴンでのテストのセットアップに戻して挑みました。気候もコンディションも違うので不安はありましたが、走り出すと、思いのほかフィーリングがよかったです。午前のフリー走行では、タイムもポジションもそれほどではありませんでしたが、午後の予選もそのままのセットアップで走り続けて、最後に7番手まで上がれました。明日は雨の予報もありますが、もし雨になった場合は、5番グリッドから決勝に挑み14位に終わった、第8戦オランダGPのような失敗をしないようにしたいです。とりあえず明日の決勝は、次に控える日本GPにつながるようなレースにしたいです。ベストリザルトを狙っていきます」

アレックス・リンス(Moto3 ポールポジション)
「昨日はとてもいいペースで走れました。そして、今日の予選もよかったので、決勝に向けてモチベーションは高まっています。レースの目標はとてもクリアです。しかし、勝つのは簡単ではありません。このサーキットはストレートが長いので、きっと集団でのレースになると思います。序盤は大混戦になりそうです。おそらく、第6戦イタリアGPや第11戦チェコGPのようなレースになると思うので、トップグループを小さくするために、序盤からプッシュしていきます」

アレックス・マルケス(Moto3 5番手)
「フリー走行は、とてもいい状態で終えられました。昨日よりもマシンの状態もライン取りもよくなりました。予選ではさらにタイムが上がることを期待していましたが、思ったほどは上がりませんでした。今大会はすごい接戦になっています。そんな状況で、2列目から決勝に挑めるので悪くはありません。明日のウォームアップでさらにレースペースを改善していければと思います。今日の結果とこの2日間の内容には満足しています」

尾野弘樹(Moto3 19番手)
「昨日からちょっとずつよくなって、予選では自己ベストをマークできました。周りが速いので、スリップを使いたいのですが、バックストレートに出るタイトなコーナーをうまく攻略できず、その先のストレートでスリップに入れませんでした。FIM CEVレプソルインターナショナル選手権では、序盤にペースが上がらないというウイークポイントがあるので、明日の決勝では、序盤で後れないように、集団についていきたいです」

予選リザルト

MotoGP
順位 No. ライダー マシン F/O タイム
193マルク・マルケスHondaF1'47.187
226ダニ・ペドロサHondaF1'47.549
329A.イアンノーネドゥカティF1'47.685
444P.エスパルガロヤマハF1'47.865
535C.クラッチロードゥカティF1'47.897
646V.ロッシヤマハF1'48.226
799J.ロレンソヤマハF1'48.246
86ステファン・ブラドルHondaF1'48.368
94A.ドヴィツィオーゾドゥカティF1'48.542
1041A.エスパルガロFORWARD YAMAHAO1'48.568
1138B.スミスヤマハF1'48.810
128H.バルベラドゥカティO1'48.991
1368Y.ヘルナンデスドゥカティF1'49.051
147青山博一HondaO1'49.209
1519アルバロ・バウティスタHondaF1'49.274
1645スコット・レディングHondaO1'49.703
1717カレル・アブラハムHondaO1'49.790
1869ニッキー・ヘイデンHondaO1'49.835
1915A.デ・アンジェリスFORWARD YAMAHAO1'50.263
209D.ペトルッチARTO1'50.635
2170M.ラバティPBMO1'51.280
2223B.パークスPBMO1'51.489
2363M.ディ・ミリオAVINTIAO1'52.181

※F=ファクトリーオプション、O=オープンカテゴリー

Moto2
順位 No. ライダー マシン タイム/差
140マーベリック・ビニャーレスKALEX1'54.073
25ヨハン・ザルコCATERHAM SUTER+0.051
336ミカ・カリオKALEX+0.057
421フランコ・モルビデリKALEX+0.110
553エステベ・ラバトKALEX+0.151
612トーマス・ルティSUTER+0.268
730中上貴晶KALEX+0.317
877ドミニク・エージャーターSUTER+0.318
911サンドロ・コルテセKALEX+0.402
1023マルセル・シュローターTECH 3+0.435
1160フリアン・シモンKALEX+0.577
1294ジョナス・フォルガーKALEX+0.713
1381ジョルディ・トレースSUTER+0.713
1419ザビエル・シメオンSUTER+0.725
1539ルイス・サロムKALEX+0.727
1654マティア・パシーニKALEX+0.754
1755ハフィズ・シャーリンKALEX+0.770
1849アクセル・ポンスKALEX+0.793
1988リカルド・カルダスTECH 3+0.843
2022サム・ロースSPEED UP+0.910
2196ルイス・ロッシKALEX+0.984
2218ニコラス・テロールSUTER+1.109
2395アンソニー・ウエストSPEED UP+1.207
248ジノ・レイSUTER+1.225
257ロレンソ・バルダッサーリSUTER+1.328
2620フロリアン・マリーノKALEX+1.356
2714ラタパーク・ウィライローCATERHAM SUTER+1.365
2870ロビン・マルホウザーSUTER+1.414
2997ロマン・ラモスSPEED UP+1.741
3084リカルド・ルッソSUTER+1.786
314ランディ・クルメンナッハSUTER+1.905
3225アズラン・シャー・カマルザマンKALEX+1.996
3310ティティポン・ワロコーンKALEX+2.374
349ケニー・ノエスTSR+2.973
Moto3
順位 No. ライダー マシン タイム/差
142アレックス・リンスHonda1'58.318
252D.ケントハスクバーナ+0.116
358J.ゲバラKALEX KTM+0.152
48J.ミラーKTM+0.158
512アレックス・マルケスHonda+0.192
633E.バスティアニーニKTM+0.329
732I.ビニャーレスKTM+0.389
817ジョン・マクフィーHonda+0.425
923N.アントネッリKTM+0.452
107エフレン・バスケスHonda+0.510
1199J.ナバーロKALEX KTM+0.651
1284J.コーンフェールKTM+0.681
135R.フェナティKTM+0.714
1416A.ミグノマヒンドラ+0.869
1541B.バインダーマヒンドラ+0.890
1610アレックス・マスボーHonda+0.906
1798K.ハニカKTM+0.996
1863ズルファミ・カイルディンHonda+1.056
1950尾野弘樹Honda+1.104
2044M.オリベイラマヒンドラ+1.308
2157E.グラナドKTM+1.318
2221F.バグナイアKTM+1.400
2319A.トヌッチマヒンドラ+1.709
243M.フェラーリマヒンドラ+1.728
2595J.ダニーロマヒンドラ+1.769
2631N.アジョハスクバーナ+1.942
279S.デウルKALEX KTM+1.971
2838H.アーズミーKTM+2.011
2991G.ロドリゴKTM+2.066
3055A.ロカテッリマヒンドラ+2.447
3113J.イウェママヒンドラ+2.487
3222A.カラスコKALEX KTM+2.560
3343L.グリュンヴァルトKALEX KTM+2.726
3465P.エッテルKALEX KTM+2.789
354G.ラモスKALEX KTM+3.794