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MotoGP

round 14

SCHEDULE

September 26 2014, PRACTICE MotoGP Gran Premio de Aragón

アラゴンアラゴンGP

マルケスが2番手で、タイトル王手に向けて順調なスタート
ペドロサが3番手でRepsol Honda Teamの2人が好走をみせる

2014年9月26日(金)・1日目フリー走行  会場:モーターランド・アラゴン  天候:晴れ  気温:23℃  コースコンディション:ドライ

第14戦アラゴンGPのフリー走行は、青空が広がる絶好のコンディションとなりましたが、午前と午後の路面温度の変化が激しく、難しい一日になりました。午前に行われた1回目のセッションでは気温15℃、路面温度は17℃。それが午後になると、気温は23℃まで上がり、路面温度も36度まで上昇しました。

  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケス(#93)、アルバロ・バウティスタ(#19)マルク・マルケス(#93)、アルバロ・バウティスタ(#19)
  • ダニ・ペドロサ(左)、マルク・マルケス(右)ダニ・ペドロサ(左)、マルク・マルケス(右)
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ
  • 青山博一青山博一

そんな中、MotoGPクラスにおけるアラゴンGP2連覇、全クラス通算では4勝目を狙うマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、1回目のセッションで3番手、午後に行われた2回目のセッションで2番手と、まずまずのスタートを切りました。両セッションともに、終盤までトップタイムをマークしていたマルケスですが、滑りやすい路面コンディションを楽しみながら、無理にタイムを追わず、決勝に向けたセットアップに集中しました。

13戦を終えて11勝。2位以下に大きなリードを築いているマルケスは、今大会、チームメートのダニ・ペドロサと総合3位のバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)に先着すれば、タイトル王手となります。前戦サンマリノGPでは痛恨の転倒を喫して15位と、悔しい結果に終わったことで「これからはタイトル獲得を1番の目標に戦います」と語っていましたが、その言葉通り、慎重に初日を終えました。

総合2位のペドロサもマルケス同様、好調な走りをみせ、初日3番手につけました。低い気温と路面温度で行われた1回目のセッションは、着実にタイムを上げて5番手。気温も路面温度も上がり、コンディションがよくなった午後のセッションでは、午前よりも約1秒タイムを短縮して3番手に浮上しました。昨年の大会は不運の転倒でリタイア。今年は、13戦を終えて、ロッシとの総合2位争いがし烈になっています。今大会は、マルケスとの優勝争いはもちろんのこと、ロッシに先着することが1つの目標になります。

アラゴンGPではこれまで、ケーシー・ストーナー、ペドロサ、マルケスと、3年連続でRepsol Honda Teamが制してきました。4連覇への期待が膨らむ中、まずは順調なスタートとなりました。

昨年の大会で表彰台争いを繰り広げ、5位となったステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、セットアップに苦悩する初日となりましたが、最終的に8番手へとポジションを上げました。トップタイムをマークしたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)から、9台が1秒差以内。その中で8番手につけたブラドルは、タイム差が接近しているだけに、2日目でのポジションアップに気合を入れています。アルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)は今大会も、シーズン中盤戦から苦しんでいるリアのトラクション不足との戦いとなり、13番手と出遅れました。

Hondaの市販レーシングマシン「RCV1000R」勢は、青山博一(Drive M7 Aspar)が14番手、カレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)が16番手、5戦ぶりに復帰のニッキー・ヘイデン(Drive M7 Aspar)が18番手、スコット・レディング(GO & FUN Honda Gresini)が19番手という結果でした。午前、午後と大きくコンディションが変わり、モーターランド・アラゴンを初めて走るRCV1000R勢は、セットアップに戸惑うことになりました。2日目のタイムアップが期待されます。

Moto2クラスは、総合首位のエステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)がトップタイムをマーク。2番手にヨハン・ザルコ(AirAsia Caterham)、3番手に総合2位のミカ・カリオ(Marc VDS Racing Team)が僅差で続きました。以下、トップのラバトから1秒差以内に14台が入り、総合3位のマーベリック・ビニャーレス(Paginas Amarillas HP 40)が6番手、総合4位のドミニク・エージャーター(Technomag carXpert)が8番手でした。

前戦サンマリノGPで、今季ベストリザルトの10位に入った中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は、23番手と出遅れました。1回目のセッションは、トラブルが発生してほとんど走れず。2回目の走行で遅れを取り戻す意気込みでしたが、セッティングを詰めきれませんでした。

Moto3クラスは、総合3位のアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)がトップタイムをマーク。総合2位のアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)が2番手と、チャンピオンを争うHonda勢が好調なスタートを切りました。今大会も、トップのリンスから1秒差以内に14台という接戦です。そのほかのHonda勢は、ジョン・マクフィー(SaxoPrint-RTG)が11番手、総合4位につけるエフレン・バスケス(SaxoPrint-RTG)が13番手という結果でした。ワイルドカードで出場の尾野弘樹(Honda Team Asia)は、一時は5番手まで浮上しましたが、最終的に23番手。2日目でのポジションアップが期待されます。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 2番手)
「アラゴンはシーズンを通して大好きなサーキットの一つです。初日としては、まずまず順調なスタートが切れましたし、地元ファンの前で、ライディングを楽しめました。マシンのフィーリングもペースもよく、これが初日の目標だったので満足しています。今日は路面が滑りやすかったですが、こういう路面が大好きなので楽しめました。しかし、明日はタイヤの選択に集中しなければなりません。日曜日にいいレースをするためにも、明日はフロントローに並ぶことを目標にがんばります」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 3番手)
「今日は順調な一日でした。ソフトとハードの両方のタイヤを試したものの、リアに関しては、どちらがいいかまだ分かりません。フロントはミディアムがよかったと思います。このサーキットは、一周を通していい走りをキープしなければなりません。なぜなら、レース序盤はタイヤを消耗しますし、タイヤのパフォーマンスが落ちてから、いかにいいペースをキープするかが重要になるためです。明日はいいグリッドを獲得しなければなりません。そのためには、いいセットアップとクリアラップを見つける必要があります」

ステファン・ブラドル(MotoGP 8番手)
「今日は着実に前進できましたし、いいペースを刻めました。午前のセッションは、セッティングの方向性を見つけるのに時間がかかりました。もっとリアのグリップを上げるべきなのか、それともハンドリングを重視すべきなのか、分からない状態でした。そのため2台のマシンに異なるセッティングを施して、セットアップの方向性を探りました。ソフトとハードの両方のタイヤのテストができましたし、明日は、リアのグリップを上げていく方向で、セットアップしていくことになります。今日は8番手でしたが、トップとのタイム差は小さいので、明日はトップ5を目標にがんばります」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 13番手)
「残念な一日でした。今日もリアのグリップ不足という、以前から抱える問題と戦うことになりました。気持ちよく走れませんでした。現状では、タイヤのパフォーマンスをフルに引き出すことができません。一発のタイムが期待できないので、明日のフリー走行と予選は、レースに向けて少しでもアベレージを上げられるよう、セットアップとロングランに集中したいです」

青山博一(MotoGP 14番手)
「今日は午前と午後の路面コンディションが違いすぎて、難しい一日でした。しかし、午後のセッションでは、路面コンディションを確認しながらセットアップを進められました。マシンのバランスがよくなったことで、いい感じで走れました。今日は、ソフトとハードの両方のタイヤを試しましたが、どっちがいいか決められませんでした。ソフトの方がタイムは出ますが、ロングランができませんでした。ハードタイヤは持ちそうな気はしますが、これも、ロングランをしてみないと分かりません。明日は、タイヤの選択に集中しながらセットアップを進めたいです」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 18番手)
「今日は痛みがなく、こうして、再び乗ることができたのがうれしいです。ポジションがあまりよくないのが残念ですが、少し時間がかかるのは分かっているので仕方がありません。大事なことは、問題なくマシンを走らせられたことです。あとは腕と指の力が戻り、きちんとブレーキングができるようになるまで我慢です。午前のセッションに比べて、午後は前進できました。手術の前と比べて、それほどタイムは離れていません。ただ、ほかのライダーたちがペースを上げてきているのだと思います。彼らのレベルに戻れるようにがんばらなければなりません。なるべく早く100%に戻れるよう、少しでも多く走る必要があります」

スコット・レディング(MotoGP 19番手)
「難しい一日でした。特にブレーキングと、コーナーに進入する際のフロントの接地感がよくありませんでした。明日はこの部分を改善しなければなりません。解決に向けては、いくつかアイデアがあります。明日はそれを試したいです。前戦サンマリノGPが行われたミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリでも、同じ問題に悩みましたが、その原因について分かってきたことがあります。明日は問題の解消に努めたいです。もうワンステップいい状態にするためにも、セットアップに集中しなければなりません」

エステベ・ラバト(Moto2 1番手)
「今日はいい仕事ができました。しかし明日に向けて、もう少し改善する必要があります。明日のフリー走行では、レースを想定して、セッション開始からいいリズムで走れるようにします。明日の予選も接近戦になると思いますし、いいグリッドを獲得できるよう、集中しなければなりません」

ヨハン・ザルコ(Moto2 2番手)
「午後は気温が上がり、グリップがよくなりました。そのため、全体的にラップタイムが上がりましたが、最終的に2番手で初日を終えられて満足しています。マシンのセットアップが進んだことで、毎回前進できました。フィーリングがいいので、明日は今日より気温が上がっても、調子をキープしたいです。」

ミカ・カリオ(Moto2 3番手)
「午前のセッションは、これまでとは全く違うフィーリングで、不思議な感じでした。特にフロントの信頼性がなく、そのために1コーナーで転びました。もしかすると、転倒の原因はコース上のオイルだったかもしれませんが、とにかく、午前はひどいセッションとなりました。しかし、午後のセッションに向けて、少しの変更を施し、その結果、大きくタイムを更新できました。午前で失った貴重な時間を取り戻すため、午後は走りに集中しました。最終的なセットアップがよかったのかは、今日の時点では分かりませんが、距離を走れたので満足しています。明日になれば、いろんなことが分かると思います」

中上貴晶(Moto2 23番手)
「午前中は走り出してすぐにエンジンから煙が出たので、オレンジボールを出されてしまい、ピットに戻りました。そのままエンジンを載せ替えることになり、1回目は走行できませんでした。アラゴンでは、今年になって2度テストをしています。そのためデータはあるのですが、路面コンディションがテストのときとあまりに違っていたので、また一からのセッティングになりました。今日はフロントの安定性がなく、リアのスピニングが多く、タイムにつながりませんでした。テストでは1分54秒が出ているので、明日は、それを目標にセットアップしていきたいです」

アレックス・リンス(Moto3 1番手)
「今日は順調な一日でした。セットアップがうまくいき、快調にラップを刻めました。午前は、路面コンディションがあまりよくなく、全体的にセッティングが硬い感じでした。しかし、午後は気温も路面温度も上がったことでグリップがよくなり、午前とはまるで違う感じで、気持ちよく乗れました。このサーキットは、スリップを使えば簡単にタイムを上げられるので、明日の予選は、運も必要になります」

アレックス・マルケス(Moto3 2番手)
「初日としては順調でしたが、午前のセッションでは自分のミスで転倒してしまい、チームには申し訳ない気持ちです。しかし、全体的にはとてもよかったですし、ここで行ったテストの成果を生かせました。いつものレースに比べると、すべてが順調でしたが、明日も前進しなければなりません。午後のセッションはレースのことを考えて、タイヤのテストに集中しました。明日はいいセットアップで走れると思いますし、フロントローか2列目を狙っていきたいです」

尾野弘樹(Moto3 23番手)
「午前中はフロントのフィーリングがよくなく、うまくタイムを出せませんでした。しかし、午後はFIM CEVレプソルインターナショナル選手権のレースで出した、ベストタイムとほぼ同じラップを刻めました。それでも、周りの選手たちはセッション終盤にかけてタイムを更新していたので、予想よりもポジションを落としました。今日は速い選手の後ろについて、いろいろと学べました。明日はそれを生かしたいです。予選では、なんとか一桁グリッドを目指したいと思っています」

1日目フリー走行リザルト

MotoGP
順位 No. ライダー マシン F/O タイム/差
14A.ドヴィツィオーゾドゥカティF1'48.285
293マルク・マルケスHondaF0.043
326ダニ・ペドロサHondaF0.449
429A.イアンノーネドゥカティF0.462
541A.エスパルガロFORWARD YAMAHAO0.653
644P.エスパルガロヤマハF0.681
799J.ロレンソヤマハF0.684
86ステファン・ブラドルHondaF0.717
938B.スミスヤマハF0.726
1046V.ロッシヤマハF1.027
1135C.クラッチロードゥカティF1.088
1268Y.ヘルナンデスドゥカティF1.365
1319アルバロ・バウティスタHondaF1.426
147青山博一HondaO1.998
1515A.デ・アンジェリスFORWARD YAMAHAO2.123
1617カレル・アブラハムHondaO2.187
178H.バルベラドゥカティO2.202
1869ニッキー・ヘイデンHondaO2.605
1945スコット・レディングHondaO2.627
209D.ペトルッチARTO3.225
2123B.パークスPBMO4.130
2270M.ラバティPBMO4.315
2363M.ディ・ミリオAVINTIAO4.399

※F=ファクトリーオプション、O=オープンカテゴリー

Moto2
順位 No. ライダー マシン タイム/差
153エステベ・ラバトKALEX1'53.838
25ヨハン・ザルコCATERHAM SUTER+0.263
336ミカ・カリオKALEX+0.307
421フランコ・モルビデリKALEX+0.423
560フリアン・シモンKALEX+0.464
640マーベリック・ビニャーレスKALEX+0.599
712トーマス・ルティSUTER+0.609
877ドミニク・エージャーターSUTER+0.743
994ジョナス・フォルガーKALEX+0.768
1088リカルド・カルダスTECH 3+0.920
1122サム・ロースSPEED UP+0.969
1211サンドロ・コルテセKALEX+0.976
1381ジョルディ・トレースSUTER+0.989
1439ルイス・サロムKALEX+0.996
1514ラタパーク・ウィライローCATERHAM SUTER+1.238
1619ザビエル・シメオンSUTER+1.268
1754マティア・パシーニKALEX+1.386
1818ニコラス・テロールSUTER+1.397
198ジノ・レイSUTER+1.452
2070ロビン・マルホウザーSUTER+1.476
2149アクセル・ポンスKALEX+1.501
2296ルイス・ロッシKALEX+1.571
2330中上貴晶KALEX+1.586
2495アンソニー・ウエストSPEED UP+1.700
2597ロマン・ラモスSPEED UP+1.708
264ランディ・クルメンナッハSUTER+1.828
2784リカルド・ルッソSUTER+1.882
2855ハフィズ・シャーリンKALEX+1.914
297ロレンソ・バルダッサーリSUTER+1.954
3023マルセル・シュローターTECH 3+2.119
3125アズラン・シャー・カマルザマンKALEX+2.305
3220フロリアン・マリーノKALEX+2.382
3310ティティポン・ワロコーンKALEX+2.619
349ケニー・ノエス TSR+3.220
Moto3
順位 No. ライダー マシン タイム/差
142アレックス・リンスHonda1'58.788
212アレックス・マルケスHonda+0.018
331N.アジョハスクバーナ+0.097
458J.ゲバラKALEX KTM+0.144
533E.バスティアニーニKTM+0.197
632I.ビニャーレスKTM+0.354
744M.オリベイラマヒンドラ+0.387
884J.コーンフェールKTM+0.391
952D.ケントハスクバーナ+0.454
108J.ミラーKTM+0.567
1117ジョン・マクフィーHonda+0.623
1223N.アントネッリKTM+0.653
137エフレン・バスケスHonda+0.709
145R.フェナティKTM+0.984
1521F.バグナイアKTM+1.025
1616A.ミグノマヒンドラ+1.145
1710アレックス・マスボーHonda+1.168
1898K.ハニカKTM+1.365
1957E.グラナドKTM+1.377
2099J.ナバーロKALEX KTM+1.454
2141B.バインダーマヒンドラ+1.461
2213J.イウェママヒンドラ+1.545
2350尾野弘樹Honda+1.559
2438H.アーズミーKTM+1.661
2519A.トヌッチマヒンドラ+1.674
263M.フェラーリマヒンドラ+1.896
2763ズルファミ・カイルディンHonda+2.067
2891G.ロドリゴKTM+2.095
2955A.ロカテッリマヒンドラ+2.171
3043L.グリュンヴァルトKALEX KTM+2.258
319S.デウルKALEX KTM+2.428
3265P.エッテルKALEX KTM+2.486
3322A.カラスコKALEX KTM+2.774
3495J.ダニーロマヒンドラ+2.978
354G.ラモスKALEX KTM+3.321