round 16

October 18 2013, PRACTICE MotoGP Australian Grand Prix オーストラリアGP

SCHEDULE

タイトル王手のマルケスは転倒するも2番手。バウティスタ3番手、ペドロサ4番手と続く

2013年10月18日(金)・1日目フリー走行  会場:フィリップアイランド・サーキット  天候:晴れ
気温:20℃  コースコンディション:ドライ

マレーシアGPからの2連戦となる第16戦オーストラリアGPは、前日までは雨の多い不安定な天候でしたが、初日のフリー走行は青空の広がる一日となりました。気温も20℃まで上昇しましたが、終日、強い風が吹きつける厳しいコンディションとなりました。オーストラリアGPは、昨シーズンを最後に引退したケーシー・ストーナーが、Repsol Honda Teamで2連覇、通算6勝を達成しています。Repsol Honda Teamは、ストーナーの連勝に続き、今年は3連覇を目指すことになります。

  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル

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総合首位でタイトル王手のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、2番手で初日を終えました。午前中1回目のセッションでは、1分29秒台という好タイムをマークして2番手につけます。そして、午後の2回目の走行ではさらにタイム短縮を目指しましたが、セッション序盤に転倒を喫したことでタイムを更新することができませんでした。

マルケスは、MotoGPマシンでフィリップアイランドを走るのは初めてのことです。そのため、セッティングの方向性を早く見つけるために、2台のマシンを異なるジオメトリーにして挑んでいました。その結果、2号車ではなかなかタイムを更新できず、それを変更する時間もないことから、そのままの状態で走り続け、2回目のセッションは6番手に終わりました。しかし、1回目の走行のベストタイムで2番手をキープ。結果的にセットアップの方向性も決まり、2日目のタイム更新と5戦連続9度目のポールポジション(PP)が期待されます。

今季初の表彰台を狙うアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)が、3番手と好調なスタートを切りました。午前中は、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)、マルケスとともに1分29秒台のタイムをマークして3番手。午後の走行はセッション序盤に転倒しますが、2号車で走行を再開、タイムを更新して3番手をキープしました。フィリップアイランドは、今年の始めに路面の大改修を実施しています。そのため路面のグリップが上がり、バンピーだった部分が改善されていて、バウティスタには追い風となりました。2日目の予選では、今季3度目のフロントローを狙います。

総合3位で今大会を迎えたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、1回目で4番手、2回目の走行で3番手と、セットアップを進めながら着実にタイムを更新しました。午後の走行ではセッション終盤にマシンに問題が発生したため、早めに走行を切り上げましたが、全体的に順調で、2日目のタイム上昇に期待されます。前戦マレーシアGPで今季3勝目を挙げたペドロサは、その勢いを今大会につなげる意気込み。転倒リタイアに終わった昨年の雪辱にも挑みます。

CRTマシンに乗るブライアン・スターリング(GO & FUN Honda Gresini)は、今大会がホームレースとなります。走り慣れたサーキットで順調にタイムを短縮して21番手でした。

前戦マレーシアGPのフリー走行で転倒、右足くるぶしを骨折したステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、メディカルチェックを受けて出走許可が下りましたが、1回目のフリー走行を終えて、今大会の出場を断念しました。手術をした右足首の動きが完全ではなく、右コーナーをスムーズに走れませんでした。そのため、自身にとっても、ほかのライダーにとってもリスクの大きい存在になると判断。オーストラリアGPからの連戦となる日本GPの復帰を目指し、治療とリハビリを続けることになりました。

Moto2クラスは、チャンピオン争いをする3選手が上位を独占、エステべ・ラバト(Tuenti HP 40)、スコット・レディング(Marc VDS Racing Team)、ポル・エスパルガロ(Tuenti HP 40)と続き、3人のタイム差が、0.178秒という大接戦となりました。さらに、トップから1秒差以内に11台という厳しい戦いになりました。初日は、ダンロップが投入したニュータイヤと新しい路面のサーフェスが合わず、全選手がタイヤの消耗とグリップに課題を抱える一日でした。

初優勝が期待される中上貴晶(Italtrans Racing Team)は、午前中の走行は接戦の中で13番手、午後の走行では10番手とややポジションを上げましたが、総合14番手と苦しいスタートとなりました。アズラン・シャー・カマルザマン(IDEMITSU Honda Team Asia)は26番手。代役出場の野左根航汰(JiR Moto2)は、初めて走るサーキットとグリップの問題に苦しんで30番手でした。

Moto3クラスは、ニッコロ・アントネッリ(GO & FUN Gresini Moto3)が5番手と、まずまずのスタートを切りました。アントネッリは前戦マレーシアGPで今季初のフロントローを獲得する3番手になるも、決勝では転倒を喫しているだけに、今大会はその雪辱に挑みます。アイザック・ビニャーレス(Ongetta-Centro Seta)が8番手。ホームGPを迎えるジャック・ミラー(Caretta Technology - RTG)が11番手、ロマノ・フェナティ(San Carlo Team Italia)が12番手。今大会のMoto3クラスは今季一番の接戦で、トップから1秒差以内に14台という厳しい戦いになりました。渡辺陽向(TASCA RACING)は、28番手でした。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 2番手)「今日は順調でした。とくに午前中はいいセッションとなりましたが、午後のセッションは、序盤に転倒してしまい、残念でした。すぐにピットに戻り、セカンドマシンで走行を再開しました。しかし、セカンドマシンは全く違うジオメトリーだったので、セットアップを変更する時間がありませんでした。そのため、2回目のセッションは、そのままの状態で走りました。明日は、今日の午前中のようなフィーリングを取り戻せるようにがんばります。午前中はとてもいい感触でした。これはフィリップアイランドでは、とても重要なことです。レースに向けて前進できるように引き続きがんばります」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 3番手)「ポジティブな一日になりました。新しい路面にすぐに慣れることができたし、とてもいい感触を得ることができました。昨年よりかなりよくなった印象です。そして、午後のセッションでは、さらに前進するためにペースを上げていったのですが、序盤に2コーナーで転倒してしまいました。イン側の汚れた部分に乗り上げて転ぶという愚かな転倒でしたが、幸い深刻なダメージはありませんでした。同じセッティングのセカンドマシンで再びコースに出ることができました。そして再びいい感触を得ることができました。そこから少しセッティングを進め、さらによくなったのでうれしいです。明日はもっと前進できることを願っています」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 4番手)「今日はとてもポジティブでした。新しいアスファルトはいい感触でした。また、タイヤもうまく機能しました。しかし、セッションを最大限使うことができなかったのが唯一残念なことでした。午後のセッションは、最後にマシンに問題が出てしまったため、早く切り上げなければなりませんでした。全体的にはいい一日になりました。明日はもっと前進できるようにがんばります」

ブライアン・スターリング(MotoGP 21番手)「ホームレースはいいものです。そのおかげで今日はマシンがとても快適に感じられました。このサーキットはよく知っているので大きな助けになります。今日はいい仕事をすることができました。明日に向けてセットアップも進みました。明日もベストを尽くします」

ステファン・ブラドル(MotoGP 23番手)「走れるかどうか分からない状態だということは分かっていました。おそらく、次の日本GPの方がいいコンディションで挑めることも分かっていました。それでもトライしたいと思いました。思っていた通り、痛みはひどく、そして足首の動きは完ぺきではありませんでした。これが理由で出場は認められませんでした。その決定に僕も異論はありません。午前中は痛み止めの注射をしましたが、コース上では思うように走れず、僕やほかのライダーたちにとってもリスクが大きすぎると感じました。クリニカモバイルのスタッフはすばらしい治療をしてくれました。手術してわずか5日でマシンに乗ることができたのですからね。早く治るように努力してくれた彼らに感謝します。悔しいですが、ここで復帰するのは不可能でした。日本GPで、100%で走れるように今は治療に集中します」

エステべ・ラバト(Moto2 1番手)「今日は難しい一日でした。午後はダンロップの2種類のニューコンパウンドを試しました。しかし、どちらも3、4周ですぐ消耗してしまいました。明日、そして日曜日に向けて解決策を見つけなければなりません。このサーキットは僕にはとても難しいです。風は強いし、コーナーが続くのでハードです。レースへ向けてこういった問題を攻略するために集中したいと思います」

スコット・レディング(Moto2 2番手)「マレーシアのあと、この数戦の問題を解決しなければならないと、チームスタッフと話し合い、今大会はいい方向へ進んでいます。両セッションともにまずまずの走りができました。午前中は新しいタイヤをずっと試していました。問題はありませんでした。しかし、パンクしたライダーが何人かいて、その後にみんなのタイヤが回収されてしまいました。代わりのタイヤを2本使いましたが、両方とも完全に終わってしまいました。おそらくほかのライダーも同じ問題を抱えていると思います」

ポル・エスパルガロ(Moto2 3番手)「今日は難しい一日でした。なぜかは分かりませんが、不思議な日でした。これまで使ったことのないタイヤで走りましたが、いい感触はありませんでした。多くのライダーが同じ状態で、ダンロップは『このタイヤは今週末はもう使わない』と言ってきました。明日のタイヤをどうするかは決まっていません。これからデータを見直して考えなければなりません」

中上貴晶(Moto2 14番手)「今回はダンロップの新しいタイヤを2種類使ったのですが、午前中はハードを使って走りました。まずまずの走りができたのですが、タイヤの持ちが異常に悪く、これはみんなも同じ状態でした。そして、午後に使ったソフトは、今度は全然グリップしなくて、思うように走れませんでした。タイヤをどうするのか、どっちのタイヤでいくのかを決めなければ、とてもセッティングができません。ダンロップの情報を待ってから、土曜日の方向性を決めたいと思っています」

ニッコロ・アントネッリ(Moto3 5番手)「初日にしては悪くない結果です。マシンと路面の感触は最初からとてもよく、気持ちよく乗れました。まだいくつか取り組まなければならないことがあります。リアのフィーリングを改善しなければなりません。いい方向に進んでいるのでうれしいです。そしてセパンでのフロントローが、まぐれでなかったことが証明できました 」

渡辺陽向(Moto3 28番手)「コースのレイアウトは好きだし、走っているフィーリングも悪くなかったのですが、今日はギアのセッティングにすごく苦しみました。今、チームが持っているギアでは、コーナーの中でロングになり、ストレートでショートという最悪の状態です。ギアのセットが決まれば気持ちよく走れるし、タイムも上がると思うのですごく残念です。明日に向けてどうするか、チームと相談します」

1日目フリー走行

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
199J.ロレンソヤマハ1:28.961
293マルク・マルケスHonda+0.294
319アルバロ・バウティスタHonda+0.477
426ダニ・ペドロサHonda+0.517
546V.ロッシヤマハ+0.576
635C.クラッチローヤマハ+0.706
738B.スミスヤマハ+1.204
814R.デ・ピュニエART+1.254
969N.ヘイデンドゥカティ+1.648
104A.ドヴィツィオーゾドゥカティ+1.793
1129A.イアンノーネドゥカティ+1.831
125C.エドワーズFTR KAWASAKI+1.956
1341A.エスパルガロART+2.130
1468Y.ヘルナンデスドゥカティ+2.173
158H.バルベラFTR+2.325
167青山博一FTR+2.473
1771C.コルティFTR KAWASAKI+2.490
189D.ペトルッチIODA-SUTER+2.842
1970M.ラバティART+3.105
2023L.スカッサART+3.300
2167B.スターリングFTR Honda+3.329
2252L.ペセックIODA-SUTER+3.982
236ステファン・ブラドルHonda+4.204
2450D.カドリンPBM+6.008

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
180エステベ・ラバトKALEX1:33.157
245スコット・レディングKALEX+0.116
340ポル・エスパルガロKALEX+0.178
481ジョルディ・トレースSUTER+0.458
515アレックス・デ・アンジェリスSPEED UP+0.625
677ドミニク・エージャーターSUTER+0.723
711サンドロ・コルテセKALEX+0.753
85ヨハン・ザルコSUTER+0.839
912トーマス・ルティSUTER+0.853
1036ミカ・カリオKALEX+0.929
1118ニコラス・テロールSUTER+0.971
1219ザビエル・シメオンKALEX+1.023
1354マティア・パシーニSPEED UP+1.058
1430中上貴晶KALEX+1.139
153シモーネ・コルシSPEED UP+1.209
1660フリアン・シモンKALEX+1.328
1723マルセル・シュローターKALEX+1.422
1895アンソニー・ウエストSPEED UP+1.455
1988リカルド・カルダスSPEED UP+1.672
2052ダニー・ケントTECH 3+1.793
218ジノ・レイSPEED UP+1.826
2249アクセル・ポンスKALEX+1.848
2392アレックス・マリネラレナKALEX+2.487
2496ルイス・ロッシTECH 3+2.489
257ドニ・タタ・プラディタSUTER+2.530
2625アズラン・シャー・カマルザマンMORIWAKI+3.224
2744スティーブン・オーデンダールSPEED UP+3.414
2897ラフィド・トパン・スチプトSPEED UP+3.659
2910ティティポン・ワロコーンSUTER+4.197
3031野左根航汰MOTOBI+5.242
3134エセキエル・イトゥリオスKALEX+5.245

Moto3

順位 No. ライダー マシン タイム/差
125M.ビニャーレスKTM1:38.198
294J.フォルガーKALEX KTM+0.022
363Z.カイルディンKTM+0.026
439L.サロンKTM+0.037
523ニッコロ・アントネッリFTR Honda+0.185
644M.オリベイラMAHINDRA+0.290
742A.リンスKTM+0.297
832アイザック・ビニャーレスFTR Honda+0.373
941B.バインダーMAHINDRA+0.487
1031N.アジョKTM+0.527
118ジャック・ミラーFTR Honda+0.787
125ロマノ・フェナティFTR Honda+0.793
1312A.マルケスKTM+0.798
1461A.シシスKTM+0.983
1577ロレンソ・バルダッサーリFTR Honda+1.009
167E.バスケスMAHINDRA+1.040
1789アラン・ティーチャーTSR Honda+1.063
1822A.カラスコKTM+1.119
1965P.エッテルKALEX KTM+1.125
2010アレクシ・マスボーFTR Honda+1.145
214フランシスコ・バグナイアFTR Honda+1.176
2243L.グリューエンバルトKALEX KTM+1.257
2353J.イウェマKALEX KTM+1.264
2417ジョン・マクフィーFTR Honda+1.295
2521L.アマートMAHINDRA+1.484
2657E.グラナドKALEX KTM+1.511
2784J.コーンフェールKALEX KTM+1.551
2829渡辺陽向FTR Honda+1.647
293マッテオ・フェラーリFTR Honda+1.711
3011L.ロイKALEX KTM+1.744
3158ファンフラン・ゲバラTSR Honda+1.925
329T.フィンスターブッシュKALEX KTM+2.036
3380ハフィーク・アーズミーFTR Honda+3.337
3475L.キャブニーBULLET+6.636
-47カラム・バーカーHonda+7.859