round 09

July 19/20/21 2013 MotoGP Red Bull U.S. Grand Prix アメリカGP

SCHEDULE

アメリカGPプレビュー

前戦ドイツGPから2週連続となる第9戦アメリカGPが、7月19日(金)から21日(日)までの3日間、アメリカ・カリフォルニア州モントレーのマツダ・レースウェイ・ラグナセカで開催されます。シーズン前半を締めくくることになる今大会は、例年通り、MotoGPクラスのみが開催され、Moto2クラスとMoto3クラスは、第8戦ドイツGPから後半戦のスタートとなる第10戦インディアナポリスGPまで夏休みとなります。

アメリカGPプレビュー

アメリカGPの歴史は、1964年にフロリダ州のデイトナでスタートしました。このときは、わずか2年間の開催でしたが、1988年にカリフォルニア州のラグナセカに舞台を移してアメリカGPが復活。92年を除き、94年まで6回開催されました。その後、再び中断されましたが、2005年に復活し、今年で9年連続15回目、アメリカGPとしては17回目を迎えます。

アメリカでは、2008年にインディアナポリスGPがスタートしました。今年は、テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で第2戦アメリカズGPが開催されており、アメリカでは、一年で3大会が行われることになりました。

ラグナセカは、一周3.610km。シーズンを通じて最も短いサーキットですが、アップダウンに富み、中速コーナーが連続するハイスピードコースとして知られています。コースの中ほどの丘の上から急降下するS字コーナー「コークスクリュー」は、世界で最も有名なコーナーの一つで、ここから最終コーナーまでの下りセクションが、このサーキットの最大の勝負どころとなります。

Honda勢は、グランプリが再開された05年に、ニッキー・ヘイデン(現ドゥカティ)がHondaライダーとしては初優勝を達成。06年には2年連続で優勝を果たしました。そして、09年にダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)、11年と12年には昨年を最後に引退したケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が2年連続で優勝し、05年に復活してからの8大会で5度の優勝を果たしています。今年は3年連続6回目の優勝を目指します。

前戦ドイツGPでは、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が今季2勝目を達成しました。今年、MotoGPクラスにデビューしたマルケスは、第2戦アメリカズGPで史上最年少で初優勝を達成し、世界中の注目を集めました。そして、ドイツGPまでの8戦で2勝を含む7度の表彰台に立つ大活躍で総合首位に浮上しました。

マルケスにとって、ラグナセカは初めて経験するサーキットとなります。今年は、MotoGPマシンで初めて走るサーキットが続いていますが、ここまではそのようなハンディを感じさせないすばらしい走りを披露してきました。しかしラグナセカは、125cc、Moto2クラスが開催されないため、見るのも走るのも初めてとなります。そのため、サーキットの経験値では、これまで以上の大きなハンディを抱えますが、それでも初開催となったアメリカズGPの再現が期待されます。

前戦ドイツGPの決勝を欠場したペドロサは、その雪辱に闘志を燃やしています。ドイツGPでは、2日目のフリー走行で転倒し、左鎖骨にひびが入りました。ケガはそれほどひどいものではなく、決勝には出場する予定でした。しかし、決勝日の朝に血圧が低下し、ドクターストップとなりました。その後、症状は回復し、今回のアメリカGPで復帰します。

ペドロサは、ラグナセカではこれまで表彰台に4度立っています。今年は09年以来、2度目のアメリカGP制覇を目指します。前戦ドイツGPを欠場したことで、マルケスから2点差の総合2位になりましたが、今大会は首位奪還を目指すことはもちろん、マルケスとともに、1-2フィニッシュを目指します。

前戦ドイツGPで4位のステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、ラグナセカを走るのはこれが2度目となります。昨年は初めて経験するラグナセカにやや苦戦しましたが、決勝では7位でフィニッシュしました。オランダGPで初フロントローを獲得し、ドイツGPで初表彰台にあと一歩の4位と好調なだけに、今大会も引き続き、初表彰台を目標に全力を尽くします。

前戦で今季ベストリザルトとなる5位でフィニッシュしたアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)は、ここにきて上り調子です。まだ本調子とはいえませんが、今大会は予選で今季初のフロントロー獲得、決勝では今季初表彰台を狙います。チームメートでCRTマシンで出場するブライアン・スターリングは、今季2度目のポイント獲得を目指します。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP ランキング1位)「ドイツで優勝できたことはとてもいい経験でした。もう少しバトルがあるレースをしたかったですし、ダニやホルヘ(ロレンソ、ヤマハ)にもいてほしかったです。彼らが早く回復することを願っています。ラグナセカは初めてですので、大変なグランプリになると思います。落ち着いて取り組み、一歩一歩ラインを学びたいと思います。レースのビデオをたくさん見て準備したいと思います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング2位)「すべてのメッセージに感謝したいです。体調はいいです。鎖骨の状態がどうなのか、様子をみなければなりませんが、それ以外は問題ありませんし、一番重要なのは元気だということです。前戦ドイツGPが行われるザクセンリンクに着いたときは、チャンピオンシップでいいポジションにいましたので、欠場は大きな痛手となりました。しかし、これがレースです。常に前を向かなければなりません。チャンピオンシップは長く、まだ前半です。まだいろいろなことがあると思いますし、全力で挑むだけです」

ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング7位)「ドイツGPでは、レースウイークを通じて、とてもいい走りができたと思います。また、ファンのすばらしいサポートが大きな力になりました。ラグナセカのサーキットはすばらしいです。今大会は、ラグナセカのコークスクリューを楽しみたいです。昨年はジェットコースターのような気分を味わいました。全体的なパッケージとしてはかなりいいので、ラグナセカでは表彰台獲得が目標になります。簡単ではありませんが、ここ数戦、トップライダーたちと戦えるスキルを証明しました。そのため、夏休みに入る前に表彰台に上がりたいです」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング8位)「ドイツGPは楽ではありませんでした。しかし、ポジティブに終えることができました。コース上のほとんどでいい走りができましたが、コース前半でタイムをロスしていました。決勝になっても改善できませんでしたが、全体的にはポジティブなステップを踏むことができました。オランダGPから着実に前進していることは確かです。チームの士気も高まっています。ラグナセカは難しいサーキットですが、早くセットアップできるようにベストを尽くします。昨年はここでサスペンションのセッティングに苦しみましたが、今年はいい状態にできると思っています。チームはいい仕事をしていますので、今週末はいい結果を出せる自信があります」

ブライアン・スターリング(MotoGP ランキング23位)「ドイツGPは本当に残念でした。レースウイークで4回の転倒は多すぎました。一生懸命がんばっていたチームに申し訳なく思っています。大変なコースだとは思っていましたが、思っていた以上でした。自信をなくしました。ラグナセカも楽なサーキットではありません。難しいサーキットですが、落ちついて、一生懸命にがんばろうと思っています。初日から集中して、コースの最良のラインを学ばなければなりません。そして、マシンのセットアップに取り組まなければなりません。ドイツのことを忘れるために全力を尽くします」