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2013年7月21日(日)・決勝 会場:マツダ・レースウェイ・ラグナセカ 天候:晴れ
気温:23℃ コースコンディション:ドライ 観客:4万6256人(3日間:11万8696人)
ドイツGPから2連戦となった第9戦アメリカGP決勝は、初のポールポジション(PP)を獲得したステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)と、予選2番手のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の一騎打ちとなり、19周目にブラドルをかわしたマルケスが、そのまま快調にラップを刻み、32周のレースで真っ先にチェッカーを受けました。
今大会、初日のフリー走行から好調で、ライバルを圧倒したマルケスは、予選で痛恨の転倒を喫して悔しい2番手。決勝は、ブラドル、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)に続いてオープニングラップ3番手と1つポジションを落としましたが、4周目にロッシをパスして2番手に浮上すると、ブラドルを追い上げました。そして、19周目の最終コーナーでブラドルをかわしてトップに浮上すると、そこからは快調にラップを刻みました。
マルケスは、第2戦アメリカズGPで優勝し、フレディ・スペンサー選手の持つ最高峰クラスの史上最年少優勝記録を更新しました。今大会はスペンサー選手の持つ21歳104日の史上最年少での連勝記録を上回り、20歳154日へと更新しました。これでマルケスは、今大会5位のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)に16点差、今大会6位のホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)には26点差としました。
最高峰クラス2年目で、27戦目にして初PPを獲得したブラドルは、念願の初表彰台を獲得しました。PPから好スタートを切ったブラドルは、序盤から快調にラップを刻み、一時は2番手のマルケスに2秒近いリードを築きました。その後、追い上げてきたマルケスと緊迫感あふれるマッチレースを繰り広げ、わずかにペースの速いマルケスにかわされて2番手へとポジションを落としました。その後も全力でマルケスを追撃しますが追いつかず。後方でし烈な3位争いをするロッシとアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)の2人との距離をきっちりとキープして、念願の初表彰台を獲得しました。
マルケス、ブラドルとともにフロントローから決勝に挑んだバウティスタは4位でフィニッシュ。バウティスタは、オープニングラップに5番手へとポジションを落としましたが、2周目にロレンソをかわして4番手に浮上すると、ロッシをピタリと追撃。今季初表彰台に向けて全力を尽くしましたが、ロッシをかわすことはできませんでした。しかし、今季ベストの4位フィニッシュ。夏休み明けの後半戦の活躍に期待をつなぎました。
前戦ドイツGPをケガのために欠場したペドロサは、7番グリッドから5位でフィニッシュしました。オープニングラップで6番手につけたペドロサは、前半はロレンソをピタリとマーク、中盤に入るとロレンソをかわして5番手に浮上。上位4選手と変わらない1分22秒台の好ラップで周回を続けました。今大会は左鎖骨にひびが入っているために、マシンをコントロールするのがとても厳しいレースとなりましたが、最後まで集中力を切らさず5位でフィニッシュ。総合2位をキープしました。
CRTマシンで出場のブライアン・スターリング(GO & FUN Honda Gresini)は17位でチェッカーを受けました。
今大会を終えて、グランプリは3週間の夏休みに入ります。後半戦は、アメリカ・インディアナポリスからスタートします。
マルク・マルケス(MotoGP 優勝)「とてもうれしいレースとなりました。初めてのラグナセカでこのような結果は期待していませんでした。このような難しいサーキットに、こんなに早く慣れることができるとは思ってもいませんでした。しかし、初日のプラクティスからとても快適で、いいラインを見つけることができました。今日はスタートで少し気をつけました。満タンではミスをしやすいからです。しかしタイヤに熱が入ると、プラクティスのときのペースを維持することができました。2008年にバレンティーノがケーシーをパスした同じ場所でバレンティーノをパスしました。彼のパスの方がすばらしかったと思います。今日の僕のパスは少し違いました。そのあと、ステファンもパスすることができました。何周も彼の後ろで走って、彼の走りを見てからパスしました。そして、快適なマージンで優勝できるようにギャップを広げました」
ステファン・ブラドル(MotoGP 2位)「すばらしい結果になりました。レースウイークを通していい仕事をすることができました。昨日はポールポジションを獲得できましたので、もちろん期待していました。いいスピードがあることも分かっていました。そして、最初から速く走れると思っていましたので、スタートからプッシュし、とてもうまくいきました。ただ、満タンの状態ではフロントに少し問題があって苦労しました。マルケスにパスされたとき、彼の方がタイヤのエッジグリップがあるのが分かりました。そのために彼はギャップを広げることができました。マルケスに抜かれたあと、僕はバレンティーノとのギャップを維持しようとしました。簡単なことではなく、長く厳しいレースでした。チームに、そして、すべてのファンに感謝したいです。この重要な結果を父親と一緒に祝うことができてうれしいです」
アルバロ・バウティスタ(MotoGP 4位)「表彰台まであと一歩でした。表彰台に上がりたかったのですが、仕方ありません。この結果に満足しています。(3位とは)0.059秒差でした。一番大事なことは、今日のレースで大きく前進したことを証明できたことです。次のレースでも同じようにがんばりたいです。今年は厳しい時期を過ごしてきましたので、今日のレースで自信が生まれました。後半戦に向けて勢いもつきました。一生懸命がんばってくれているチームのためにも、いい結果を残せました。チームには本当に感謝しています」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 5位)「この数日間、僕をサポートしてくれたすべての人に感謝したいです。今回のレースは、ポイントを獲得するためにとても重要なレースでした。今回は、体調があまりよくなくて、欠場することを真剣に考えていました。そんな状態でしたので、5位を獲得できてとてもうれしいです。表彰台にも近いところでゴールできました。終盤はとても大変でしたので、よく耐えたと思います。レースウイーク中はかなり痛みがありましたが、なんとかハンドルバーを握って、マシンをコントロールすることができました。マシンの切り返しがとても大変でしたし、長いレースでした。最後に11ポイント獲得できました。チャンピオンシップのことを考えると、貴重なポイントとなりました」
ブライアン・スターリング(MotoGP 17位)「最近のレースに比べていいレースになりました。レース前半は速いペースを刻むことができました。しかし、足のケガのためにあまりトレーニングができなかったので、体力的にとても苦しくなりました。それで後半はペースを落としてしまいました。それでも、また一歩前進することができました。後半戦につながるレースができたと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 93 | マルク・マルケス | Honda | 44:00.695 |
2 | 6 | ステファン・ブラドル | Honda | +2.298 |
3 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +4.498 |
4 | 19 | アルバロ・バウティスタ | Honda | +4.557 |
5 | 26 | ダニ・ペドロサ | Honda | +9.257 |
6 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | +12.970 |
7 | 35 | C.クラッチロー | ヤマハ | +15.304 |
8 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +33.963 |
9 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | +34.129 |
10 | 8 | H.バルベラ | FTR | +1:02.369 |
11 | 15 | A.デ・アンジェリス | ドゥカティ | +1:02.604 |
12 | 5 | C.エドワーズ | FTR KAWASAKI | +1:03.593 |
13 | 9 | D.ペトルッチ | IODA-SUTER | +1:20.450 |
14 | 17 | K.アブラハム | ART | +1Lap |
15 | 68 | Y.ヘルナンデス | ART | +1Lap |
16 | 7 | 青山博一 | FTR | +1Lap |
17 | 67 | B.スターリング | FTR Honda | +1Lap |
18 | 52 | L.ペセック | IODA-SUTER | +1Lap |
RT | 38 | B.スミス | ヤマハ | +25Laps |
RT | 41 | A.エスパルガロ | ART | +27Laps |
RT | 14 | R.デ・ピュニエ | ART | +28Laps |
RT | 71 | C.コルティ | FTR KAWASAKI | +29Laps |
RT | 70 | M.ラバティ | PBM | +31Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | マルク・マルケス | Honda | 163 |
2 | ダニ・ペドロサ | Honda | 147 |
3 | J.ロレンソ | ヤマハ | 137 |
4 | V.ロッシ | ヤマハ | 117 |
5 | C.クラッチロー | ヤマハ | 116 |
6 | ステファン・ブラドル | Honda | 84 |
7 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | 81 |
8 | アルバロ・バウティスタ | Honda | 71 |
9 | N.ヘイデン | ドゥカティ | 65 |
10 | A.エスパルガロ | ART | 52 |
11 | B.スミス | ヤマハ | 51 |
12 | M.ピロ | ドゥカティ | 36 |
13 | A.イアンノーネ | ドゥカティ | 24 |
14 | H.バルベラ | FTR | 24 |
15 | R.デ・ピュニエ | ART | 19 |
16 | D.ペトルッチ | IODA-SUTER | 18 |
17 | C.エドワーズ | FTR KAWASAKI | 17 |
18 | B.スピーズ | ドゥカティ | 9 |
19 | Y.ヘルナンデス | ART | 7 |
20 | A.デ・アンジェリス | ドゥカティ | 5 |
21 | C.コルティ | FTR KAWASAKI | 5 |
22 | K.アブラハム | ART | 5 |
23 | M.ラバティ | PBM | 3 |
24 | B.スターリング | FTR Honda | 2 |
25 | 青山博一 | FTR | 1 |
26 | J.デル・アモール | FTR | 1 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 201 |
2 | ヤマハ | 188 |
3 | ドゥカティ | 83 |
4 | ART | 54 |
5 | FTR | 25 |
6 | IODA-SUTER | 18 |
7 | FTR KAWASAKI | 17 |
8 | PBM | 3 |
9 | FTR Honda | 2 |
順位 | チーム | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | Repsol Honda Team | 310 |
2 | Yamaha Factory Racing | 254 |
3 | Monster Yamaha Tech 3 | 167 |
4 | Ducati Team | 146 |
5 | LCR Honda MotoGP | 84 |
6 | GO & FUN Honda Gresini | 73 |
7 | Power Electronics Aspar | 71 |
8 | Pramac Racing Team | 60 |
9 | Avintia Blusens | 26 |
10 | NGM Mobile Forward Racing | 22 |
11 | Came IodaRacing Project | 18 |
12 | Paul Bird Motorsport | 10 |
13 | Cardion AB Motoracing | 5 |