round 05

May 31 2013, PRACTICE MotoGP Gran Premio d'Italia TIM イタリアGP

SCHEDULE

微妙なコンディションの中でペドロサ5番手。マルケスは転倒を喫し、14番手で初日を終える

2013年5月31日(金)・1日目フリー走行  会場:ムジェロ・サーキット  天候:曇り  気温:17℃
コースコンディション:ウエットのちドライ

第5戦イタリアGPのフリー走行は、前日まで降っていた雨の影響で、不安定な路面状況の中で行われました。午前中のフリー走行はウエットコンディション、午後は青空が広がり、ドライコンディションで行われました。

  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ
  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル
  • アルバロ・バウティスタ(#19)、ステファン・ブラドル(#6)アルバロ・バウティスタ(#19)、ステファン・ブラドル(#6)
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス

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午前中のセッションは、各車レインタイヤでスタートしましたが、セッション終盤にはライン上が乾いたことから、スリックタイヤにスイッチすることができました。完全なドライコンディションになった午後のセッションでは、全体的にタイムは向上しましたが、Honda勢は微妙なコンディションに苦戦しました。

ここまで4戦を終えて総合首位のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、終日、タイヤのグリップ不足に苦しみ、リアのトラクション不足にも課題を抱えました。午前中のセッションは8番手、午後のセッションも5番手。思うようにタイムを上げることはできませんでしたが、不安定な路面状況の中で着実な走りに徹していました。2日目も微妙な天候が予想されます。最終的なターゲットは決勝でベストリザルトを残すことであり、2日目のフリー走行と予選も、天候を見て、最良のセットアップを見いだすことに全力を尽くすことになります。

昨年の大会で表彰台争いに加わり、4位でフィニッシュしたステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、8番手で初日を終えました。ペドロサ同様、この日は、リアのトラクション不足に苦戦。しかし、得意としているコースだけに、2日目での巻き返しが期待されます。

また、チームのホームGPに闘志を燃やすアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)も、11番手と苦戦しました。ほかのHondaライダー同様、リアのトラクション不足に苦しみ、さらにブレーキングの安定性にも課題を抱えたことから、思うようにタイムを更新することができませんでした。

一方、午前中のフリー走行でトップタイムをマークしたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、ドライコンディションになった午後のセッションでもトップタイムが期待されましたが、1コーナー手前のストレート部分で転倒を喫し、14番手となりました。転倒は、1コーナーのブレーキングでフロントのグリップをなくしたことによるもので、転倒した際にアゴを強く打ち、首も痛めました。そのほかに打撲もあり、2日目に向けて治療を施し、安静にするように努めています。

CRTマシンで出場のブライアン・スターリング(GO & FUN Honda Gresini)は、ムジェロ・サーキットを走るのはこの日が初めて。不安定な路面コンディションの中で着実にタイムを上げ、24番手でした。

Moto2クラスは、午前、午後のセッションともにドライコンディションで走ることができました。トップタイムをマークしたのはエステベ・ラバト(Tuenti HP 40)で、ラバトから1秒差以内に15台という大接戦。その中で、シモーネ・コルシ(NGM Mobile Racing)が2番手、中上貴晶(Italtrans Racing Team)が3番手となりました。午前中の走行でトップタイムをマークした中上は、午後のセッションではセットアップが決まらず3番手にダウン。しかし、前戦フランスGPからの2戦連続ポールポジション獲得に自信をみなぎらせていました。また、ニューシャシーで挑んだ高橋裕紀(IDEMITSU Honda Team Asia)は22番手。車体のポテンシャル向上を感じる一日になっただけに、2日目のポジションアップが期待されます。

Moto3クラスは、ダニー・ウェッブ(Ambrogio Racing)が4番手、ジャック・ミラー(Caretta Technology - RTG)が5番手と、まずまずのスタート。さらに、ホームGPに気合を入れるロマノ・フェナティ(San Carlo Team Italia)が7番手、ニッコロ・アントネッリ(GO & FUN Gresini Moto3)が8番手、ジョン・マクフィー(Caretta Technology - RTG)が9番手と、トップ10にHonda勢5台が名前を連ねました。ルーキーの渡辺陽向(TASCA RACING)は33番手でした。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 5番手)「今日のプラクティスはあまりうまくいきませんでした。ドライコンディションになった午後のセッションでは、タイヤのグリップとリアのトラクションに課題を抱え、マシンの状態はあまりよくありませんでした。また、タイヤのフィーリングも、あまりよくありませんでした。午前中のセッションでは、路面はハーフウエット、ハーフドライでしたので、きちんとしたデータを得ることができませんでした。しかし、明日はすべてのセッションで前進できることを願っています」

ステファン・ブラドル(MotoGP 8番手) 「難しい路面コンディションで、不思議な初日になりました。午前中は、部分的に路面が濡れていましたし、午後も完全にドライコンディションとは言えませんでした。このような難しい路面では、ヤマハよりHondaの方が問題が大きかったのだと思います。実際に、ほかのHondaライダーのペースとはあまり離れていませんし、Honda勢全体が苦戦しました。しかし、よくなるときはHonda勢全体がよくなるので、明日が楽しみです。リアグリップをもっと改善したいと思っています。8番手という結果はそれほど悪くありませんが、このサーキットではまだ十分ではありません」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 11番手) 「午前中はコンディションが悪くてあまり走行できず、午後はマシンに苦戦し、今日はあまり満足できませんでした。ブレーキング時のフロントの安定性が足りません。また、リアのトラクションがコーナーの進入と出口であまりよくありませんでした。このサーキットではヤマハのパッケージが強いのは明らかですが、ほかのHonda勢とも、だいぶん離れています。明日はこの状況を改善するために一生懸命がんばらなければなりません」

マルク・マルケス(MotoGP 14番手)「ストレートの上り坂のすぐあとでブレーキをかけましたが、フロントから転倒してしまいました。マシンが壁に向かっていったので、壁に当たらないようにマシンからジャンプしました。転倒した際に、アゴを強く打ってしまい、首もかなり痛めました。また、右肩や右腕、右足に少し打撲があります。しかし、それ以外は大丈夫です。すぐに対応してくれたメディカルチームに感謝したいです。明日の体調がどうなるか分かりませんが、とにかく今は休んで、明日に向けた準備をしたいと思います」

ブライアン・スターリング(MotoGP 24番手) 「今大会も僕にとっては初めてのサーキットなので、今日のようなコンディションでは大変でした。セッションをフルに走行できたのは午後の走行だけでしたが、ここは辛抱しなければなりません。明日の2つのセッションでは、今日学んだことを生かし、前進したいと思います」

エステベ・ラバト(Moto2 1番手) 「今日のチームの仕事にはとても満足しています。午前中は、路面がウエットの部分と、ドライの部分があって、あまり速く走ることができませんでした。しかし、午後はドライコンディションになり、マシンにいいセットアップを見つけることができました。シケインの切り返しをもう少しよくしなければなりません。今日は、右から左への切り返しが難しかったのですが、それ以外の部分にはとても満足しています。楽しかったので、疲れていません。いい一日でした」

シモーネ・コルシ(Moto2 2番手) 「ホームで2番手タイムを出すことができてうれしいです。最後のラップはとてもうまくいきました。午前中は路面が少し湿っていましたが、午後はコンディションがよくなりました。マシンのフィーリングもよかったです。明日も天気になることを願っています。そして、ムジェロの観客の前でいいパフォーマンスをしたいです。明日も引き続きいい仕事をして、日曜日の決勝レースのパフォーマンスにつなげたいです。今日の結果にはとても満足しています」

中上貴晶(Moto2 3番手) 「今日は難しいコンディションでした。午前のセッションは、最初はレインタイヤかと思ったのですが、セッション開始直前にスリックにチェンジしました。午前中はまだ路面が濡れているところもあって、難しい状態でしたが、とても気持ちよく走れました。午後のセッションは完全にドライになり、その状態に合わせてセッティングを変えたのですが、それがうまくいかず、少しフラストレーションがたまりました。フロントはよかったのですが、リアのセッティングに失敗しました。方向性も分かっているので、明日はしっかり走りたいと思います」

高橋裕紀(Moto2 22番手) 「第3戦スペインGPで投入したニューシャシーをモデファイしたフレームで走りました。リアの剛性が上がり、しっかりしたフィーリングになりました。そのため、今までとは全く違うサスペンションのセッティングになり、一からのセットアップになりました。ただ、フロントの旋回性に依然として課題があり、その部分の解決に向けて明日は車体のジオメトリーを変えてみようと思っています。天気予報は雨でしたが、午前も午後もドライコンディションで走れたので、成果のある一日となりました」

渡辺陽向(Moto3 33番手) 「午前中はウエットコンディションでしたが、コースの特性をつかむことができました。ドライコンディションになった午後は、着実にタイムを縮めることができました。しかし、アクセルを自分の開けたいところで開けられず、その部分でタイムロスしてしまいました。コースレイアウトは好きですので、明日もドライコンディションになることを願っています」

1日目フリー走行

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
199J.ロレンソヤマハ1:48.375
246V.ロッシヤマハ+0.034
335C.クラッチローヤマハ+0.297
469N.ヘイデンドゥカティ+1.002
526ダニ・ペドロサHonda+1.008
629A.イアンノーネドゥカティ+1.092
74A.ドヴィツィオーゾドゥカティ+1.168
86ステファン・ブラドルHonda+1.220
914R.デ・ピュニエART+1.224
1051M.ピロドゥカティ+1.274
1119アルバロ・バウティスタHonda+1.358
1241A.エスパルガロART+1.394
1338B.スミスヤマハ+1.728
1493マルク・マルケスHonda+1.835
158H.バルベラFTR+2.025
1611B.スピーズドゥカティ+2.730
175C.エドワーズFTR KAWASAKI+3.058
1817K.アブラハムART+3.153
1968Y.ヘルナンデスART+3.269
209D.ペトルッチIODA-SUTER+3.562
217青山博一FTR+3.807
2271C.コルティFTR KAWASAKI+4.939
2370M.ラバティPBM+5.105
2467B.スターリングFTR Honda+5.856
2552L.ペセックIODA-SUTER+6.454

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
180エステベ・ラバトKALEX1:53.583
23シモーネ・コルシSPEED UP+0.197
330中上貴晶KALEX+0.243
45ヨハン・ザルコSUTER+0.355
519ザビエル・シメオンKALEX+0.368
615アレックス・デ・アンジェリスSPEED UP+0.391
745スコット・レディングKALEX+0.494
818ニコラス・テロールSUTER+0.656
940ポル・エスパルガロKALEX+0.658
1012トーマス・ルティSUTER+0.706
1160フリアン・シモンKALEX+0.851
1254マティア・パシーニSPEED UP+0.874
1377ドミニク・エージャーターSUTER+0.926
1411サンドロ・コルテセKALEX+0.937
1514ラタパーク・ウィライローSUTER+0.964
1623マルセル・シュローターKALEX+1.002
1749アクセル・ポンスKALEX+1.077
1824トニ・エリアスKALEX+1.081
1936ミカ・カリオKALEX+1.317
2081ジョルディ・トレースSUTER+1.452
214ランディ・クルメンナッハSUTER+1.495
2272高橋裕紀MORIWAKI+1.732
2363マイク・ディ・ミリオMOTOBI+1.939
2452ダニー・ケントTECH 3+2.115
25 88リカルド・カルダスSPEED UP+2.363
26 96ルイス・ロッシTECH 3+2.495
27 44スティーブン・オーデンダールSPEED UP+3.005
28 17アルベルト・モンカヨSPEED UP+3.181
29 9カイル・スミスKALEX+3.430
30 7ドニ・タタ・プラディタSUTER+4.663
31 97ラフィド・トパン・スチプトSPEED UP+5.825

Moto3

順位 No. ライダー マシン タイム/差
139L.サロンKTM1:59.606
225M.ビニャーレスKTM+0.025
394J.フォルガーKALEX KTM+0.495
499ダニー・ウェッブSUTER Honda+0.755
58ジャック・ミラーFTR Honda+0.789
644M.オリベイラMAHINDRA+1.012
75ロマノ・フェナティFTR Honda+1.166
823ニッコロ・アントネッリFTR Honda+1.474
917ジョン・マクフィーFTR Honda+1.515
1042A.リンスKTM+1.527
1110アレクシ・マスボーFTR Honda+1.673
123マッテオ・フェラーリFTR Honda+1.679
1363Z.カイルディンKTM+1.776
1441ブラッド・バインダーSUTER Honda+1.801
1589アラン・ティーチャーTSR Honda+1.844
1619アレッサンドロ・トヌッチFTR Honda+1.852
1731N.アジョKTM+1.902
1832アイザック・ビニャーレスFTR Honda+1.908
1912A.マルケスKTM+2.186
2053J.イウェマKALEX KTM+2.197
2161A.シシスKTM+2.293
22 55 A.ロカテッリ MAHINDRA +2.354
2377ロレンソ・バルダッサーリFTR Honda+2.395
2411L.ロイKALEX KTM+2.482
2565P.エッテルKALEX KTM+2.858
2658ファンフラン・ゲバラTSR Honda+2.953
2757E.グラナドKALEX KTM+3.120
28 93 マイケル・コレッティ Honda +3.178
297E.バスケスMAHINDRA+3.216
304フランシスコ・バグナイアFTR Honda+3.312
31 9 T.フィンスターブッシュ KALEX KTM +3.781
3222A.カラスコKTM+3.818
3329渡辺陽向FTR Honda+4.303
-84J.コーンフェールKALEX KTM+23.741