2011年10月15日(土)・予選 会場:フィリップアイランド・サーキット 天候:曇り、ときどき雨
気温:17℃ コースコンディション:ドライ/ウエット
第16戦オーストラリアGPの予選は、初日のフリー走行でトップタイムをマークしたケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が順調にタイムを上げて、今季11回目のPPを獲得しました。タイトルに王手をかけてホームGPを迎えたストーナーは、午前中のフリー走行で、唯一1分30秒台のタイムをマークすると、午後の予選では、さらにタイムを上げて、ただひとり1分29秒台を叩き出す圧倒的な速さでした。これで第12戦インディアナポリスGPから5戦連続、歴代2位となるシーズン11回目のPPを獲得しました。
2番手にはホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)。そして、3番手にはマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)が僅差で続きました。今大会のシモンチェリは、初日から好調で、予選でも順調にタイムを刻み、第8戦イタリアGP以来となるフロントローを獲得しました。シモンチェリは、PPを獲得したストーナーのアベレージには届かずも、表彰台争いに加われることは間違いなく、今季2回目の表彰台の期待がふくらみます。
その後方では、バンピーな路面に苦戦しているアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)が、着実にタイムを上げて5番手。対照的にダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、気温と路面温度が下がり、風が強かった影響で8番手に後退しました。しかし、2番手のロレンソからペドロサまでは、わずか0.423秒差。ウオームアップで最後の調整を行い、優勝争いに加わることが期待されます。
初日8番手の青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)は、午前中のフリー走行では11番手。午後の予選はプッシュしましたが、6コーナーの立ち上がりで転倒を喫し、12番手に後退しました。しかし、マシンの状態はよく、決勝では4列目から追い上げのレースに挑みます。トニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)は16番手。決勝ではトップ10入りを目標に全力を尽くします。
今大会は、Honda勢が3位以内でフィニッシュすれば、Hondaの18回目のコンストラクターズタイトルが決まります。
Moto2クラスは、セッション開始直後に雨が降る難しいコンディションとなりました。その後も雨は断続的に降り続きますが、セッション終盤に路面が乾き、一斉にコースイン。激しいアタック合戦の末、アレックス・デ・アンジェリス(JIR Moto2)がPPを獲得。マイク・ディ・ミリオ(Tech 3 Racing)が2番手。高橋裕紀(Gresini Racing Moto2)は3番手につけて、今季5回目のフロントローを獲得しました。
トップのデ・アンジェリスから1秒差以内に15台がひしめき合う激戦。チャンピオン争いをしている総合首位のマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)は、初日のペナルティで最後尾38番手、マルケスと1点差で総合2位のステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)は8番手。2人の戦いに大きな注目が集まっています。
ケーシー・ストーナー(MotoGP ポールポジション) 「ここまでは順調です。マシンの感触もよく、ペースも悪くないです。しかし、リアのグリップはもう少し改善しなければなりません。特にレースで使うことになるハードで、もっとうまく走れるようにしたいです。予選はハードの中古タイヤで始めました。その後、ソフトに入れ替えて走りましたが、フィーリングもよく、いいタイムを出すことができました。ソフトを履くのは、昨日の午前中以来でしたが、いい感触でした。ラップタイムも上げることができましたし、安定していました。しかし、タイヤの左側の消耗が激しく、かなりスピンしました。明日の天気を見てから最終的にタイヤを決めたいです。ホルヘ(ロレンソ、ヤマハ)は今回もいいペースを刻んでいましたし、明日でチャンピオンシップを獲得できるチャンスはあまりないと思います。とにかく、レースに優勝することに集中したいです」
マルコ・シモンチェリ(MotoGP 3番手) 「久しぶりのフロントローなので、本当にうれしいです。今回は、金曜日、土曜日と、2日連続でいい状態で走ることができました。今日は寒くて風も強くて、あまりいいコンディションではありませんでした。そのため、タイムを上げるのは難しかったですが、ベストを尽くせたし楽しかったです。すばらしい予選セッションでした。だから明日の目標は、いいスタートを切って、いいリザルトを残すことです。ストーナーの速さには圧倒されますが、レースでは絶対ということはありませんので、あきらめずにがんばりたいです」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 5番手) 「今日の結果には、とても満足しています。フロントローには並べませんでしたが、大きく前進することができました。今回も、表彰台争いに加わりそうなライダーがたくさんいますが、その中でいいレースができると思っています。ここは天候が不安定ですので、いつも難しいです。今日はハードのリアタイヤで1分31秒台前半を出せました。フロントの感触もだいぶんよくなりました。まだまだよくしたいですし、フィリップアイランドでは、もっとアグレッシブに乗れなければなりません。明日はいいレースにしたいです」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 8番手) 「ハードタイヤで少し問題があって、なかなかタイムを上げることができませんでした。しかし、ソフトで走ったら、ラップタイムがかなりよくなりました。セッション後半にかけて、セットアップを変えましたが、それがうまくいきませんでした。そのせいで、ほかの選手がラップタイムを上げているときに、僕は上げることができず、8番手に落ちてしまいました。今日の一番の問題はハイスピードコーナーでの切り返し。明日の天気がどうなるかわかりませんが、ウオームアップで違うセットアップにトライしてみたいです。今日はソフトタイヤの方がだいぶ快適でした。明日の天気を見て、レースで使うかどうかを考えたいです」
青山博一(MotoGP 12番手) 「セッション後半に、シベリアンコーナーの立ち上がりで転んでしまいました。それまでソフトで走っていましたが、ハードに変えてコースインした直後でした。転倒したときに頭を強く打って、ちょっとふらふらしたので、残りの時間は走行するのをやめました。今日は寒くて気温も路面温度も上がらず、思い通りにはいきませんでした。しかし、セットアップは悪くはありません。明日は天気がよくなることを願っています。そうすればいいレースができると信じています」
トニ・エリアス(MotoGP 16番手) 「昨日に比べて気温が低く、風も強くて乗りづらかったです。天気のよかった昨日のようなフィーリングではありませんでした。そのせいなのか、1コーナーと8コーナーでフロントのフィーリングがよくなかったです。午後はその問題を直すために時間を費やしましたが、あまりよくはなりませんでした。決勝ではトップ10に入れるポテンシャルがあると思っています。ウオームアップで最後の調整をして決勝に挑みたいです」
中本修平|HRCチーム代表 「昨年に比べて路面が荒れているため、選手たちは苦労しています。その中でケーシーは順調にセットアップを詰めてPPを獲得しました。細かい要求はありますが、全体的にはまとまってきました。明日もこの調子でがんばってもらいたいです。今回、タイトルを決めるのは難しいと思います。ミスのないよう、しっかり走ってもらいたいです。アンドレアは、ギャップに乗ったときにハンドルが切れ込むという問題に苦しんでいます。明日のウオームアップで違う仕様のサスを試して、問題を解消できればと思っています。ダニは、風が強くなったこともあって、厳しい一日になりました。ほかのライダーのデータと比べて、マシンの状態を検証しています。ウオームアップで最後の調整をして決勝に挑みたいです。シモンチェリは燃費が厳しいので、決勝はもう少ししぼらないといけないかもしれません。とにかく、いい天候になってくれることを願っています」
アレックス・デ・アンジェリス(Moto2 ポールポジション) 「難しいセッションでしたが、最後にうまくいきました。昨日は理想的なセットアップを見つけることができました。今日はそれを確かめることができたと思います。今日は、ちょうどいい時にコースに出てアタックすることができました。ポールポジションを獲得できて、すごくうれしいです。タイヤは、ソフトでもハードでも最高の感触でした。天候が不安定ですが、どんな天候でもいいレースをする自信があります。明日はいいスタートを切ってベストを尽くしたいです」
マイク・ディ・ミリオ(Moto2 2番手) 「ここまで、とても難しいシーズンでしたので、フロントローに並べて本当にうれしいです。あきらめずにがんばってきたかいがありました。今日はその努力が報われました。今日は難しいセッションでした。何度か雨が降り、ピットボックスで待っているのは、フラストレーションがたまりました。路面はレインタイヤにするほど濡れていませんでしたし、それでもスリックで走るにはリスクがありすぎました。最後にコースに出てアタックしました。路面が少し濡れていましたし、風が強く吹いていましたが、全力を出しました。もう少しでポールポジションでしたが、今日は2番手で満足しています。明日もいい結果を残したいです」
高橋裕紀(Moto2 3番手) 「難しいセッションでした。途中で2度雨になって、これはもうタイムを上げるチャンスはないのかもしれないと思いました。しかし、終盤の10分くらいになって、あっという間に路面が乾いて、アタックするチャンスが生まれました。なかなかクリアラップが取れなくてタイムを出せませんでしたが、最後の1周でクリアラップが取れてベストを出せました。今日は午前中に違うセットを試してダメでしたので、昨日の状態に戻しました。フィリップアイランドは、今までいいレースをしたことがないので、明日はいいリザルトを残したいです」
マルク・マルケス(Moto2 38番手) 「昨日のことは忘れてがんばることにしました。マシンも徐々にいい状態になりましたし、チームとSUTERの努力には、心から感謝したいです。本当に助かりました。そして最後にはいいセットアップを見つけられましたし、明日に向けて自信を持つことができました。いつものような状態ではありませんが、それでも、昨日のことを思えば完ぺきだと言ってもいいくらいです。明日は最後尾からのスタートになりますが、ラップごとに前進して自分のレースをしたいです。集中して落ち着いて走ることができれば、ポジションをだいぶん上げることができると思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 27 | ケーシー・ストーナー | Honda | 1:29.975 |
2 | 1 | J.ロレンソ | ヤマハ | +0.473 |
3 | 58 | マルコ・シモンチェリ | Honda | +0.624 |
4 | 19 | A.バウティスタ | スズキ | +0.739 |
5 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +0.805 |
6 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +0.817 |
7 | 11 | B.スピーズ | ヤマハ | +0.860 |
8 | 26 | ダニ・ペドロサ | Honda | +0.896 |
9 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +1.262 |
10 | 65 | L.カピロッシ | ドゥカティ | +1.608 |
11 | 14 | R.デ・ピュニエ | ドゥカティ | +1.660 |
12 | 7 | 青山博一 | Honda | +1.914 |
13 | 46 | V.ロッシ | ドゥカティ | +2.005 |
14 | 35 | C.クラッチロー | ヤマハ | +2.048 |
15 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | +2.079 |
16 | 24 | トニ・エリアス | Honda | +2.528 |
DNQ | 0 | D.クドリン | ドゥカティ | +6.691 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | MOTOBI | 1:34.574 |
2 | 63 | マイク・ディ・ミリオ | TECH 3 | +0.088 |
3 | 72 | 高橋裕紀 | MORIWAKI | +0.115 |
4 | 45 | スコット・レディング | SUTER | +0.125 |
5 | 54 | ケナン・ソフォーグル | SUTER | +0.155 |
6 | 44 | ポル・エスパルガロ | FTR | +0.223 |
7 | 38 | ブラッドリー・スミス | TECH 3 | +0.293 |
8 | 65 | ステファン・ブラドル | KALEX | +0.328 |
9 | 12 | トーマス・ルティ | SUTER | +0.384 |
10 | 75 | マティア・パシーニ | FTR | +0.518 |
11 | 76 | マックス・ノイキルヒナー | MZ-RE HONDA | +0.693 |
12 | 51 | ミケーレ・ピロ | MORIWAKI | +0.707 |
13 | 77 | ドミニク・エージャーター | SUTER | +0.825 |
14 | 18 | ジョルディ・トレース | SUTER | +0.945 |
15 | 36 | ミカ・カリオ | SUTER | +0.990 |
16 | 29 | アンドレア・イアンノーネ | SUTER | +1.073 |
17 | 34 | エステベ・ラバト | FTR | +1.094 |
18 | 13 | アンソニー・ウエスト | MZ-RE HONDA | +1.101 |
19 | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | SUTER | +1.126 |
20 | 71 | クラウディオ・コルティ | SUTER | +1.161 |
21 | 16 | ジュール・クルーゼル | SUTER | +1.256 |
22 | 3 | シモーネ・コルシ | FTR | +1.338 |
23 | 19 | ザビエル・シメオン | TECH 3 | +1.780 |
24 | 40 | アレックス・エスパルガロ | PONS KALEX | +1.792 |
25 | 80 | アクセル・ポンス | PONS KALEX | +1.897 |
26 | 9 | ケニー・ノイズ | FTR | +1.965 |
27 | 88 | リカルド・カルダス | MORIWAKI | +2.121 |
28 | 53 | バレンタン・ドゥビーズ | FTR | +2.158 |
29 | 68 | ヨニー・ヘルナンデス | FTR | +2.571 |
30 | 6 | ホアン・オリベ | FTR | +2.613 |
31 | 20 | イバン・モレノ | SUTER | +2.840 |
32 | 43 | クリス・マクラーレン | SUTER | +3.026 |
33 | 4 | ランディ・クルメンナッハ | KALEX | +3.653 |
34 | 64 | サンティアゴ・ヘルナンデス | FTR | +4.253 |
35 | 56 | ブレイク・レイスミス | FTR | +4.328 |
36 | 39 | ロベルティーノ・ピエトリ | SUTER | +4.359 |
37 | 95 | マシェル・アル・ナイミ | MORIWAKI | +5.084 |
38 | 93 | マルク・マルケス | SUTER | +1:00.724 |
- | 14 | ラタパーク・ウィライロー | FTR | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 5 | J.ザルコ | デルビ | 1:39.207 |
2 | 11 | S.コルテセ | アプリリア | +0.351 |
3 | 94 | J.フォルガー | アプリリア | +0.403 |
4 | 18 | N.テロール | アプリリア | +0.495 |
5 | 55 | H.ファウベル | アプリリア | +0.756 |
6 | 7 | E.バスケス | デルビ | +1.065 |
7 | 52 | D.ケント | アプリリア | +1.085 |
8 | 23 | A.モンカヨ | アプリリア | +1.094 |
9 | 25 | M.ビニャーレス | アプリリア | +1.127 |
10 | 39 | L.サロン | アプリリア | +1.217 |