2011年9月2日(金)・1日目フリー走行 会場:ミサノ・サーキット 天候:晴れ/曇り 気温:30℃
コースコンディション:ドライ
インディアナポリスGPからの連戦となる第13戦サンマリノGPは、午前中に行われた1回目のフリー走行で、ケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)がトップタイムをマークしました。以下、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が3番手、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)が4番手、マルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)が5番手と、Honda勢は好調なスタートを切りました。午後2回目のセッションでも、タイムが接近する中でストーナーが2番手、ペドロサ3番手、シモンチェリ4番手、ドヴィツィオーゾ6番手と上位に名前を連ねました。
3連勝中のストーナーは、午前中の走行でトップタイムをマークして好調ぶりをアピールしました。午後の走行では、早くも決勝を想定したロングランを行いました。この走行でいくつかの問題点が浮上しました。2日目はその問題を解決することに取り組みます。前戦のインディアナポリスGPではライバルを圧倒する快走を見せたストーナー。今大会は自身初の4連勝を目指して気合満点。今季8勝目の期待も膨らむスタートとなりました。
サンマリノGP2連覇を狙うペドロサも、フロントの安定性とリアのトラクション不足という課題を残しましたが、優勝を狙える状態で初日を終えました。2日目のセットアップが決勝レースの結果に影響しますので、ストーナーとともにセットアップに全力を注ぐことになります。ペドロサは昨年、ポール・トゥ・ウインを達成しています。昨年のPPタイムにまだ届いてはいませんが、2日目の予選では今季2回目のPPが期待されます。
前戦インディアナポリスGPではタイヤの消耗に苦戦し、12位と低迷したシモンチェリですが、今大会は好調なスタートを切りました。サンマリノGPが行われるミサノは、これまで得意とするサーキットではありませんでしたが、今大会の初日の快走で苦手意識を克服し、2日目は5戦ぶり7回目のフロントローを狙うことになります。
シモンチェリとともにホームGPに闘志を燃やすドヴィツィオーゾも、まずまずのスタートを切りました。午前中の走行では4番手。セットアップに取り組んだ2回目のセッションでは6番手とやや順位を落としましたが、2日目の予選では、今季2回目のフロントロー獲得に挑みます。
第7戦オランダGPで痛めた背中の負傷がほぼ完治し、攻めの走りができるようになった青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)は、午前、午後と順調にタイムを短縮して9番手につけました。この日は、タイヤのテストを行いながら、前戦のインディアナポリスGPから取り組んでいる旋回性の向上と、リアのグリップ向上に取り組みました。今年の課題は予選グリッドが悪いことですが、今大会の予選では今季初のシングルグリッドを狙います。
トニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)は、初日17番手。2日目は、ポジションアップに全力を尽くします。
Moto2クラスは、ステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)がトップタイムをマークしました。2番手にはマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)、3番手にアレックス・エスパルガロ(Pons HP40)と続き、チームのホームGPに闘志を燃やす高橋裕紀(Gresini Racing Moto2)は10番手。ケガで欠場のケナン・ソフォーグルの代役として出場した小山知良(Technomag-CIP)は、今季初のグランプリ出場ながら25番手とまずまずのスタートを切りました。
ケーシー・ストーナー(MotoGP 2番手)「午前中の走行では、いいスタートが切れました。マシンの状態はよく、フィーリングもよかったです。午後はタイヤのテストを行い、ソフトタイヤでレースディスタンスを走りました。この走行では、いいデータが得られました。タイムも内容も悪くありませんでしたが、まだ十分ではありません。コーナーの立ち上がりで、マシンのフィーリングをもう少しよくする必要があります。今より旋回性をよくしてグリップを上げられれば、まだまだラップタイムを上げる自信があります。明日もセットアップに集中したいです」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 3番手)「今朝はいいスタートが切れました。セッション開始からフィーリングはよかったです。ただ、午後の走行では思っていたほど前進することができませんでした。バウティスタ(スズキ)のエンジンが自分の前でブローしたので、路面のチェックのためにゆっくり数周周回しました。それが原因なのか、リズムが狂ってしまいタイムを上げられませんでした。ハードブレーキング時の安定性をよくするために、サスペンションを引き続き調整しなければいけません。明日もセットアップに集中したいと思っています。タイヤはソフトとハードを試しました。午後はハードだけを使いました。レースではどれがいいのかまだわかりません」
マルコ・シモンチェリ(MotoGP 4番手)「1回目のフリー走行よりかなり前進することができました。そして、いいリズムを刻むことができました。すでに昨年の自分の予選のベストタイムを超えています。でもロレンソ(ヤマハ)やストーナーは、僕より0.3秒から0.4秒くらい速いので、もっとがんばらなければなりません。でも、今日の結果には満足しています。今までは、あまりミサノは好きではありませんでしたが、だんだん好きになり始めています。日曜日の午後には、ミサノが大好きになっていたいです。今、一番心配しているのは燃費です。明日は、この部分を解消できるようにしたいです」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 6番手)「今日はセットアップに集中しました。午後の走行では、リアのセッティングを変えたのですが、思うような結果を出せませんでした。フロントとリアのピッチングを減らすようにしたいです。ここは低速サーキットですが、ハードブレーキングが必要ですし、立ち上がりのアクセレーションも重要になります。タイムをロスしているところを見つけたいと思います。今日はとても暑かったですが、路面コンディションはよかったと思います。タイヤは、ソフトとハードの両方で走りました。マシンの感触はよかったので、まず最初にやることはデータを見て、決勝に向けて一番いい方向性を判断することです。前のライダーたちとの差を縮める自信はあります」
青山博一(MotoGP 9番手)「初日としては、まずまずの走り出しでした。午前中はグリップ不足で思うようにタイムを伸ばせませんでしたが、午後はその問題が改善されてタイムを更新することができました。基本的に前戦インディアナポリスGPと抱えている問題は同じで、もう少し旋回性を上げて、立ち上がりのグリップを上げたいです。今日はソフトとハードを試しましたが、ハードは温まるまでにちょっと時間がかかる感じでした。しかし、今日の午後はちょっと涼しい感じがしたので、明日、明後日と気温、路面温度にタイヤを合わせていきたいです。今回はチームのホームGPなので、いいレースをしたいです」
トニ・エリアス(MotoGP 17番手)「昨年の大会はMoto2クラスでスリリングなレースで優勝していますし、このサーキットは大好きです。今日は、リアのグリップに問題があり、午前から午後にかけてリアのグリップをよくするためにいくつか調整をしました。午後の走行では、フロントのジオメトリーを変更しましたが、それもうまくいきませんでした。明日は最初のセットアップに戻して、予選に向けて調整をしたいです。そしてレースへ向けてタイヤのテストをしたいです」
中本修平|HRCチーム代表「今日は全体的に問題点が多かったです。明日に向けて、やらなくてはいけないことはたくさんあります。ケーシーは、旋回性が悪かったようで、コース前半でかなりタイムをロスしていました。改善策はあるし、明日のフリー走行で解決したいです。ダニは、フロントが安定せず、加えてリアのグリップにも問題を抱えています。アンドレアは、車体のピッチングが収まらず、フィーリングを改善させなければいけません。マルコもまずまずのスタートを切りましたが、いくつか問題を抱えています。それぞれ問題点は異なりますが、明日の予選、日曜日の決勝に向けてセットアップを進めたいです。昨年はダニが優勝しています。今年もHonda勢が優勝できるように全力を尽くしたいです」
高橋裕紀(Moto2 10番手)「前回のインディアナポリスは、今季最悪のレースになってしまったので、今回は僕だけではなくて、チームも気合が入っています。今回はフロントフォークを変えて挑んでいます。ウインターテストの状態にほぼ戻したのですが、限界がわかりやすくてセッティングが進みました。インディアナポリスのフィーリングが残っていて、最初はペースを上げられませんでした。午後はだんだん自分のリズムで走れるようになりました。明日は、さらにタイムを上げていきたいです」
小山知良(Moto2 25番手)「スペイン選手権を走っているのは2010年型のシューターで、GPでは2011年型を使っています。同じシューター製なのですが、慣れるのにちょっと時間がかかってしまいました。タイヤもスペイン選手権はミシュラン、GPはダンロップなので、それにも慣れなくてはいけません。午前中は、セッティングも決まっていませんでしたし、何度も転びそうになりました。しかし、午後の走行はかなりフィーリングが改善されました。マシンは違いますが、スペイン選手権と同じスタッフなので仕事はやりやすいです。サスペンションもいろいろ変更できるのでセットアップも早かったです。明日はもう少し順位を上げたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | J.ロレンソ | ヤマハ | 1:33.929 |
2 | 27 | ケーシー・ストーナー | Honda | +0.076 |
3 | 26 | ダニ・ペドロサ | Honda | +0.276 |
4 | 58 | マルコ・シモンチェリ | Honda | +0.515 |
5 | 11 | B.スピーズ | ヤマハ | +0.537 |
6 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +1.060 |
7 | 19 | A.バウティスタ | スズキ | +1.094 |
8 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | +1.182 |
9 | 7 | 青山博一 | Honda | +1.353 |
10 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +1.372 |
11 | 46 | V.ロッシ | ドゥカティ | +1.402 |
12 | 14 | R.デ・ピュニエ | ドゥカティ | +1.489 |
13 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +1.490 |
14 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | +1.494 |
15 | 35 | C.クラッチロー | ヤマハ | +1.693 |
16 | 65 | L.カピロッシ | ドゥカティ | +1.897 |
17 | 24 | トニ・エリアス | Honda | +2.267 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 65 | ステファン・ブラドル | KALEX | 1:38.461 |
2 | 93 | マルク・マルケス | SUTER | +0.441 |
3 | 40 | アレックス・エスパルガロ | PONS KALEX | +0.550 |
4 | 12 | トーマス・ルティ | SUTER | +0.584 |
5 | 75 | マティア・パシーニ | FTR | +0.679 |
6 | 16 | ジュール・クルーゼル | SUTER | +0.762 |
7 | 3 | シモーネ・コルシ | FTR | +0.806 |
8 | 44 | ポル・エスパルガロ | FTR | +0.837 |
9 | 51 | ミケーレ・ピロ | MORIWAKI | +0.838 |
10 | 72 | 高橋裕紀 | MORIWAKI | +0.847 |
11 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | MOTOBI | +0.897 |
12 | 45 | スコット・レディング | SUTER | +0.951 |
13 | 29 | アンドレア・イアンノーネ | SUTER | +1.048 |
14 | 38 | ブラッドリー・スミス | TECH 3 | +1.253 |
15 | 77 | ドミニク・エージャーター | SUTER | +1.255 |
16 | 34 | エステベ・ラバト | FTR | +1.353 |
17 | 13 | アンソニー・ウエスト | MZ-RE HONDA | +1.384 |
18 | 76 | マックス・ノイキルヒナー | MZ-RE HONDA | +1.557 |
19 | 4 | ランディ・クルメンナッハ | KALEX | +1.596 |
20 | 36 | ミカ・カリオ | SUTER | +1.623 |
21 | 60 | フリアン・シモン | SUTER | +1.659 |
22 | 18 | ジョルディ・トレース | SUTER | +1.660 |
23 | 71 | クラウディオ・コルティ | SUTER | +1.682 |
24 | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | SUTER | +1.754 |
25 | 7 | 小山知良 | SUTER | +1.844 |
26 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | FTR | +1.881 |
27 | 19 | ザビエル・シメオン | TECH 3 | +1.893 |
28 | 88 | リカル・カルダス | MORIWAKI | +1.897 |
29 | 9 | ケニー・ノイズ | FTR | +2.018 |
30 | 25 | アレックス・バルドリーニ | PONS KALEX | +2.117 |
31 | 6 | ホアン・オリベ | FTR | +2.237 |
32 | 63 | マイク・ディ・ミリオ | TECH 3 | +2.274 |
33 | 39 | ロベルティーノ・ピエトリ | SUTER | +2.357 |
34 | 53 | バレンタン・ドゥビーズ | FTR | +2.365 |
35 | 22 | アレッサンドロ・アンドレオッティ | FTR | +2.428 |
36 | 31 | カルメロ・モラレス | SUTER | +2.737 |
37 | 32 | ヤコブ・ガニエ | FTR | +3.223 |
38 | 95 | マシェル・アル・ナイミ | MORIWAKI | +3.914 |
39 | 64 | サンティアゴ・ヘルナンデス | FTR | +4.075 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 18 | N.テロール | アプリリア | 1:44.139 |
2 | 55 | H.ファウベル | アプリリア | +0.194 |
3 | 52 | D.ケント | アプリリア | +0.340 |
4 | 5 | J.ザルコ | デルビ | +0.374 |
5 | 7 | E.バスケス | デルビ | +0.434 |
6 | 33 | S.ガデア | アプリリア | +0.676 |
7 | 25 | M.ビニャーレス | アプリリア | +0.719 |
8 | 26 | A.マーティン | アプリリア | +0.952 |
9 | 11 | S.コルテセ | アプリリア | +0.977 |
10 | 39 | L.サロン | アプリリア | +1.032 |