round 16

August 31 2013, QUALIFYING Grand Prix of Baltimore ボルチモア

SCHEDULE

スコット・ディクソンが今シーズン2度目のポールポジション獲得
Hondaドライバーがトップ6による予選ファイナルに5人進出
佐藤琢磨は10番手から決勝に挑む

2013年8月31日(土)・予選  会場:ボルチモア市街地特設コース  天候:快晴  気温:30〜31℃

アメリカ東部メリーランド州ボルチモアは、大西洋から深く入り込んだチェサピーク湾の一番奥に位置する都市です。首都ワシントンD.C.にも近い歴史ある町で行われるグランプリ・オブ・ボルチモアは、夏の終わりを告げるレイバー・デイ・ウィークエンドの土曜日に予選を開催し、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が1分18秒0838という最速ラップでポールポジション(PP)を獲得しました。

インナー・ハーバーと呼ばれるボルチモアのウォーターフロントエリアには、この町のランドマークである元操車場ビルのカムデンヤードがあり、そのすぐ隣りにメジャーリーグのオリオールズが本拠地とする球場、そして巨大なコンベンション・センターが建設されました。全長2.04マイルのストリートコースは、これらのボルチモアを象徴する建造物を取り囲むように設定されています。プラクティスは金曜日に開始され、合計3回のプラクティスを行ったあと、土曜日の正午から予選の熱い戦いの火ぶたが切って落とされました。マシンのセッティングを充分に進めた出場24台が、蒸し暑いコンディションの中で3段階のロードコース用予選に臨んだのです。

PPを争う予選のファイナルステージに進めるのは6人ですが、ボルチモアの予選にはジョセフ・ニューガーデン(Sarah Fisher Hartman Racing)、トリスタン・ボーティエ(Schmidt Peterson Motorsports)、シモン・パジェノー(Schmidt Hamilton Motorsports)、ジャスティン・ウィルソン(Dale Coyne Racing)、そしてディクソンとHondaドライバーの5人が進出しました。そして、この中からディクソンがファイナルステージでのアタック4周目、それまでトップにいたドライバーを上回る1分18秒0838をマークし、今シーズン2度目、キャリア20度目となるPP獲得を成し遂げました。

パジェノーが3番手、ウィルソンが4番手、ニューガーデンが5番手を獲得。彼らは今シーズンの予選における自己ベスト更新を達成しました。Hondaドライバーはファイナルに駒を進めた6人のうちの5人を占めただけでなく、7人がトップ10に入る好パフォーマンスを見せました。

佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は金曜日のプラクティスで8番手につける滑り出しのよさを見せていましたが、予選を前にした土曜日のプラクティスでブレーキにトラブルが発生し、マシンセッティングが思うように進められませんでした。しかし、予選ではそのトラブルが解消されており、第1ステージの第1グループで1分18秒3436を出し、3番手で悠々と第2ステージへの進出を果たしました。しかし、第2ステージではアタックラップに入ったところで他車のアクシデントによる赤旗となり、持てる力をフルに発揮できませんでした。それでも佐藤は10番手を獲得し、今シーズン5度目の予選トップ10入りを記録しました。

コメント

スコット・ディクソン(ポールポジション)「チームが本当にすばらしい仕事をしてくれました。今日のポールポジションは、彼らの力によって手に入れることができたと感謝しています。予選の第1ステージはとてもスムーズに進んだのですが、1セット目のソフトタイヤを使い続ける作戦に打って出た予選の第2ステージでは、センサーにトラブルが発生し、ストレートでのスピードが伸びませんでした。私たちは危うくファイナル進出を逃すところでしたが、アクシデントを起こして赤旗の原因を作ったドライバーが出たことでファイナルに進むことができました。センサーのトラブルはHondaのスタッフが完全に修復をしてくれ、ファイナルステージでは、私はいくつかミスがありながらも、ポールポジションをつかむことができました。最前列からのスタートは、ボルチモアに限らず有利です。今日までと同様に明日も快晴となり、ドライコンディション、クリーンなレースで戦われることを期待します。バトルがし烈になることは間違いありません」

佐藤琢磨(10番手)「朝のプラクティスではマシンにトラブルが出ていたために、苦しい状況に追い込まれていました。しかし、私たちのチームは予選に向けて、見事なリカバリーをみせてくれましたね。予選の第1ステージを走り出してみると、マシンがとてもいいセッティングに仕上がっていることが感じられました。悔しいのは、予選の第2ステージでは赤旗にチャンスを摘まれてしまったことです。アタックラップを走っている間に赤旗が出されてしまいました。それでも、予選10番手は悪くない結果です。明日のファイナルプラクティスでさらにマシンを進歩させ、いいレースを戦いたいと考えています」

ロジャー・グリフィス|HPDテクニカル・ディレクター「スコット・ディクソンがすばらしいアタックを最後に完成させ、ポールポジションを獲得しました。しかも、彼のエンジンは予選を終了したところで規定の走行距離である2000マイルに到達しました。これにより、HondaインディV6ターボがエンジンライフの最後まで高い性能を安定して発揮し続けていると証明できました。ボルチモアでの予選は、トップ6で争われるファイナルステージにHondaドライバーが5人進出しました。若いHondaドライバーたちが生き生きとしたパフォーマンスを発揮してくれたのです。新鮮な顔触れによるポールポジション争いは、インディカー・シリーズにとってもプラスになるものです。明日のレースでは優勝し、マニュファクチャラーズタイトルを争うライバルとの勝ち星数を、再び互角に戻したいところです」

予選

順位 No. ドライバー チーム エンジン タイム
1 9 スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing Honda 1:18.0838
2 12 W.パワー Team Penske シボレー 1:18.1171
3 77 シモン・パジェノー Schmidt Hamilton Motorsports Honda 1:18.4307
4 19 ジャスティン・ウィルソン Dale Coyne Racing Honda 1:18.8698
5 67 ジョセフ・ニューガーデン Sarah Fisher Hartman Racing Honda 1:18.9022
6 55 トリスタン・ボーティエ Schmidt Peterson Motorsports Honda 1:19.0380
7 3 H.カストロネベス Team Penske シボレー 1:19.0288
8 1 R.ハンターレイ Andretti Autosport シボレー 1:19.0367
9 83 チャーリー・キンボール Chip Ganassi Racing Honda 1:19.0523
10 14 佐藤琢磨 A.J. Foyt Racing Honda 1:19.2216
 
12 15 グレアム・レイホール Rahal Letterman Lanigan Racing Honda 1:22.2045
13 16 ジェームズ・ジェイクス Rahal Letterman Lanigan Racing Honda 1:18.6398
14 98 ルカ・フィリッピ Barracuda Racing/Bryan Herta Honda 1:19.1242
15 10 ダリオ・フランキッティ Chip Ganassi Racing Honda 1:18.6694
23 18 ステファン・ウィルソン Dale Coyne Racing Honda 1:20.1871