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2013年7月12日(金)・予選 会場:トロント市街地特設コース 天候:快晴 気温:22〜23℃
シーズン中盤のオーバル4連戦を終えたインディカー・シリーズは、国境を北に越えてカナダのトロントへとやってきました。今年のHondaインディ・トロントはダブルヘッダーでの開催です。1つの週末に2レースが楽しめるということで、元々インディカーの人気が高いカナダでは注目度がさらに高まっています。
晴れわたった空の下、オンタリオ湖畔の催し物会場と公道を使ったコースでレース1用の予選が行われました。グリップが低く、ドライビングの難しさで知られるコースでポールポジション(PP)を獲得したのは、HondaインディV6ターボで走るダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)でした。Hondaにとって、ロングビーチ、デトロイトでのレース1、レース2に続く今シーズン4回目のPP獲得となりました。
レース1用の予選は、ロードコースとストリートコースで採用されている3段階方式で争われました。各エントラントはグリップ力の高いソフトタイヤを装着して全長1.755マイルのコースにアタックし、100分の1秒の差がものをいうし烈な予選を戦いました。
フランキッティは第2グループで戦った第1ステージ、続く第2ステージと連続でトップタイムを記録しました。そして迎えたファイナルステージ、彼は10分しかないセッションをハードタイヤ装着で走り始め、グリップの向上した路面、それに合わせて調整を施したマシンセットアップのフィーリングを確認しました。そして、ソフトタイヤへスイッチするや、第2ステージでの自己ベストを上回る59秒6756をマークして今シーズン3回目のPPを獲得しました。
これでフランキッティはトロントでは2年連続、通算5回目のPP獲得を達成しました。彼は97、98、09、12年にトロントでPPを獲得しています。また、フランキッティの今日のPPは、彼のキャリアにおける32回目で、インディカー・シリーズの歴代6位タイでマイケル・アンドレッティに並びました。
デトロイトでのレース2で予選2番手からキャリアベストの2位フィニッシュを記録したジェームズ・ジェイクス(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、今日の予選でもアグレッシブな走りで5番手につけました。そして、先週ポコノで今シーズン初優勝を飾ったばかりのスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)もトロントでの予選でファイナル・ステージへと駒を進め、6番手となりました。
佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、午前中に行われたプラクティスでは20番手のタイムを出すにとどまっていましたが、予選に向けてマシンセッティングを向上させることに成功し、第1ステージを3番手タイムで通過しました。しかし、続く予選第2ステージ、佐藤はアタック中のターン1でバンプに足をすくわれ、タイヤバリアに突っ込んでストップ。赤旗を出したためにベスト2ラップを没収され、佐藤の予選順位は12番手となりました。
ダリオ・フランキッティ(ポールポジション)「幸いなことに、今日の私たちのマシンはソフトタイヤでもハードタイヤでもフィーリングが良好でした。どちらのタイヤでもマシンバランスが大きく変わらなかったのです。ファイナルステージで、両方のタイヤで速いラップタイムを出せました。これは明日のレースに向け、とてもうれしいですね。朝のプラクティスでは小さなアクシデントを起こしてしまいましたが、チームのクルーたちがマシンを完ぺきに直してくれていました。シーズン開幕から苦戦を強いられているだけに、今日のこのポールポジション獲得はとても気分がいいです。明日のレースはスタンディングスタートで始まりますが、ほとんどのドライバーたちが長いことスタンディングスタートをやっていないため、何が起こるかわからない状況です。それを考えても、グリッド中団より先頭の方が間違いなく条件はいいでしょう」
佐藤琢磨(12番手)「午前中のプラクティスセッションでいくつかの問題が発生していました。私たちのマシンは、トロントのコースにマッチしたセッティングになっていませんでした。プラクティスの間に多くの変更をマシンに施しましたが、すべてを改善するためには時間が不足していました。そこで、予選に向けては大幅なセッティング変更を行いました。予選ではソフトタイヤを使うため、それによるグリップ向上もい大きく期待してのことです。予選の第1ステージ、私たちのマシンは大きく向上し、走らせやすくなっていたので、プラクティスよりもずっとプッシュしてアタックを行うことができました。しかし、第2ステージでは限界のドライビングが必要なターン1でコーナー外側のタイヤバリアにまっすぐ突っ込んでしましました。第1ステージまでは軽く触れる程度だったバンプで、第2ステージでのマシンは底を強く打ってしまったためでした。残念な結果となりましたが、明日のレースの前に予選がもう1つ行われます。そこでさらにマシンを進化させたいと思います」
ロジャー・グリフィス|HPDテクニカル・ディレクター「Hondaにとってトロントはとても大きなレースです。そのレースでポールポジションを獲得できました。ポコノでの優勝を裏付けるかのようなポールポジション獲得をとてもうれしく思います。ダリオ・フランキッティはトロントのコースが本当に気に入っていて、昨年に続くポールポジション獲得を達成しました。今日の予選では彼の速さが際立っていましたね。明日のレースでの彼の戦いぶりに期待をしたいと思います。今日の予選ではジェームズ・ジェイクスとスコット・ディクソンのパフォーマンスもすばらしかったと思います。彼らも予選のファイナルステージを戦い、ジェイクスは5位、ディクソンは6位でした。ジェイクスは今年がインディカーで走り始めて3年目です。彼はヨーロッパで競争力の高さを見せていたドライバーで、昨年までの2シーズンでインディカーでの経験を十分に積み、今シーズンに向けてはチームを移籍しました。そして、新たにコンビを組み始めたエンジニアとのコンビネーションが非常によく、ドライバーとしての能力を伸ばしています。明日はレース1の前にレース2用の予選が行われます。Hondaとしてはデトロイトに続き、トロントでも両レースでのポールポジション獲得を達成したいと考えています。そしてもちろん、両レースでの優勝を目指して戦います」
順位 | No. | ドライバー | チーム | エンジン | タイム |
---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | ダリオ・フランキッティ | Chip Ganassi Racing | Honda | 59.6756 |
2 | 7 | S.ブルデー | Dragon Racing | シボレー | 59.7701 |
3 | 12 | W.パワー | Team Penske | シボレー | 01:00.0612 |
4 | 11 | T.カナーン | KV Racing Technology | シボレー | 01:00.1179 |
5 | 16 | ジェームズ・ジェイクス | Rahal Letterman Lanigan Racing | Honda | 01:00.1430 |
6 | 9 | スコット・ディクソン | Chip Ganassi Racing | Honda | 01:00.3228 |
7 | 1 | R.ハンターレイ | Andretti Autosport | シボレー | 01:00.1954 |
8 | 3 | H.カストロネベス | Team Penske | シボレー | 01:00.2866 |
9 | 19 | ジャスティン・ウィルソン | Dale Coyne Racing | Honda | 01:00.2954 |
10 | 4 | R.ブリスコー | Panther Racing | シボレー | 01:00.3843 |
12 | 14 | 佐藤琢磨 | A.J. Foyt Racing | Honda | 01:02.3831 |
13 | 77 | シモン・パジェノー | Schmidt Hamilton Motorsports | Honda | 01:00.4303 |
16 | 83 | チャーリー・キンボール | Chip Ganassi Racing | Honda | 01:00.6569 |
17 | 98 | アレックス・タグリアーニ | Barracuda Racing/Bryan Herta | Honda | 01:00.4586 |
18 | 15 | グレアム・レイホール | Rahal Letterman Lanigan Racing | Honda | 01:00.6868 |
19 | 67 | ジョセフ・ニューガーデン | Sarah Fisher Hartman Racing | Honda | 01:00.5822 |
20 | 18 | マイク・コンウェイ | Dale Coyne Racing | Honda | 01:00.9526 |
21 | 55 | トリスタン・ボーティエ | Schmidt Peterson Motorsports | Honda | 01:00.9053 |