MONTHLY THE SAFETY JAPAN●2002年5月号


効果的で持続性のある交通安全教育の普及をめざす



 (財)国際交通安全学会の研究調査「高齢ドライバーのリスクテイキング行動の研究」にプロジェクトリーダーとして取り組んで2年。研究結果がまとまり、4月に開催された同学会の報告会で発表しました
 調査の結果、確認行動や速度行動、自己評価、ハザード(危険)知覚能力などに各年齢層の差が明瞭に現れ、高齢ドライバーの研究では初めてともいえるリスクテイキング行動における加齢の影響を実証するという大きな成果をあげました。
 「今回の調査対象者は自発的に参加した方で、運転に対する意識が高く、経験豊かな方が多かったのですが、予想していた以上に、各年齢層の差がありました。また、高齢者の自己評価と指導員の評価にも明瞭な差が出ました。さらに、今回の調査でわかったことは、高齢の方がみなさんお元気にもかかわらず、痴呆症状検査で初期症状を表す方がいたことです。痴呆検査の一つである単語リストの記憶・再生による遅延記憶の結果と、確認や合図に対する指導員評価に有意な相関がありました。今後は公道で起きたらまず事故となる逆走、大廻り、ショートカットなどのインシデント(特異な運転)と痴呆症状との関連も調べる予定です」と 蓮花さん。

 この調査は今年も継続するそうです。高齢者の特性を踏まえつつ、段階に応じた効果的な教育手法や、3年目に突入する今後の展開などについて紹介します。


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