MONTHLY THE SAFETY JAPAN●2002年4月号


効果的で持続性のある交通安全教育の普及をめざす



 2001年3月に論文『交通安全教育の評価』を発表した筑波大学心理学系教授の新井邦二郎さん。交通安全教育の体系化と効果評価を論じた内容です。「日本の交通安全教育は世界的に高いレベルにあるものの、毎年多くの交通事故による死傷者が発生している現状を考えると、まだ十分とは言えません。これまでの教育を評価し、効果や課題を検証する必要があります」。
 問題は評価手法がないことです。その基礎となる、交通安全教育の体系化もなされていません。ゆえに、「一人ひとりが過去にどういう教育を受けてきたのか、データとして出せない。『交通安全教育の個人史』を明示できれば、その人が受けてきた交通安全教育のどこが重複していて、どこが欠けているかを検出し、ケアできるはずです」。
 その分類法として、新井さんは、6カテゴリーによる体系化を提案しました。「世代や目的、教育内容などを整理することで、教育を精緻化し、有機的に行なえるかたち」だといいます。また、教育効果の評価手法については、「質的評価」と「量的評価」の2つの考え方を提案しています。
 
 今号では、新井さんが発表した交通安全教育の体系化と効果手法について紹介するほか、交通安全教育におけるカウンセリングに対する期待とその課題についてもお話しいただきました。


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