MONTHLY THE SAFETY JAPAN●2002年4月号

高齢者の豊かなカーライフを応援する社会的なケアを

 4月、レインボーディーラー制度がスタートしました。この新制度は、お客様の安全と地域の交通事故減少のために、お客様のニーズをつかんだ地域密着型の安全活動の推進をめざすものです。お客様や地域に伝えるべき安全について、販売会社のトップの方々の思いやその活動を紹介します。
 
 レインボーディーラー制度とは
 セーフティコーディネーター資格の取得、チーフセーフティコーディネーター資格の取得、安全運転普及活動の実践という3つの必要要件を満たした販売会社が拠点ごとに認定されるもの。
 第1ステップのグッドレインボー店と第2ステップのベストレインボー店があり、グッドレインボー店は2003年3月までにHonda四輪販売会社の全拠点で取得、ベストレインボーディーラー店は2004年4月までに全拠点で取得をめざす。
 具体的な活動としては、
(※1)安全ミニ講習会、(※2)ドライビングスクールの開催。これを継続的に開催することで安全運転への意識を高め、お客様に、より安全快適なカーライフを提供するとともに、交通事故の少ない社会の実現に貢献することをめざす。
※1 安全ミニ講習会
 比較的やさしいトレーニングで、より日常運転に役立つ安全指導項目を中心に行う講習会。
※2 ドライビングスクール
 安全ミニ講習会で行なう安全指導項目に加えて、比較的難しいトレーニングで、日常の運転で体験することは少ないが、万が一に備えて「安全な状態」でぜひ体験しておきたい安全指導項目もあわせて行なう講習会。


 ホンダクリオ京葉
私たちの持つ知識、技術をお客様に伝えていきたい
ホンダクリオ京葉 代表取締役社長
中村孝義さん

 ホンダクリオ京葉では、女性ドライバースクールを安全活動の柱に据えています。1997年より開始し、97年4回、98年3回、それ以降は年2回のペースで開催、延べ232名が参加しました。「パンクしたらどうしよう」「車庫入れが苦手」といった切実な声に応えるのがねらいです。会場は、地元の流山警察署のご紹介で、流山自動車学校にご協力いただいています。
 指導は、各拠点の工場長、参加者の担当営業スタッフなどが行なっており、マンツーマンに近い指導がお客様から好評です。
 営業スタッフの養成にも役立っています。セーフティコーディネーター研修で得た知識を試す場でもあります。ボンネットの開け方を知らないお客様がいると知って、納車説明の重要性を再認識したという声がスタッフから上がっています。また、「次はいつやるの?」とお客様から尋ねられることも多いようです。
 年1回限りのイベントではなく、安全運転普及活動を地道に継続していきたい。企画も指導も自分たちで行ない、お客様の声を積極的に吸い上げながら工夫していくことが長続きさせるポイントだと考えています。


 ホンダプリモ泉州
より多くのお客様に喜びを感じていただく
ホンダプリモ泉州 営業部長
香川 充茂さん

 女性ドライバー講習会を8年間継続しています。実際にクルマを利用されているのは、お子様の送り迎えや普段の買い物など奥様が多い。そうした女性のお客様の多くは運転に不安を持っている。そこで、何かお手伝いができないか、もっと女性の方が来店しやすい雰囲気づくりをしよう、そこから自店開催の女性ドライバー講習会ははじまりました。
 めざしたのは「手づくり」の講習会です。まず、店長、次に工場長、続いてスタッフ一人ひとりへと指導者を広げ、スタッフ全員が講習会に参加できるようになりました。この「現場主体でまずやってみよう」という取り組みは様々な相乗効果を生み出しました。お店の一体感が感動を生み、お客様の笑顔が返ってくる。講習会後のアンケートを読むたびに、お客様のために継続していこうと思います。
 これからも自店開催の講習会は続けていきます。あわせて、交通教育センターで開かれているHDS(Hondaドライビング・スクール)にもお客様をお誘いしていきます。先日もお客様を鈴鹿サーキット交通教育センターで開催していたスクールにご案内し、大変喜ばれました。
 また、安全運転教育用四輪ドライビングシミュレーターを店頭に設置して、お客様に危険予測をする意識を養ってもらうことも検討しています。
 私どもが勉強になったこと、役に立ったことを、お客様に伝えていく、それが私たちの活動の原点だと思います。


 ホンダベルノ神戸
全拠点でベストレインボーディーラーをめざす
ホンダベルノ神戸甲子園店 店長
高見正行さん

 1998年から開催しているセーフティドライバーズスクールに加え、この4月から阪神自動車学院を会場に、レディース・ベーシック・レッスンを始めました。レベルアップをめざす方のためのセーフティドライバーズスクールもご用意しています。
 ご高齢のお客様も増えているので、将来的には、シニアドライバーズスクールを開催したいと考えています。高齢者の方には、Hondaドライビングシミュレーターを使って、ご自分の運転機能のチェックをしていただくのも効果的ではないかと思っています。
 10月頃には、神戸店に安全運転教育用四輪ドライビングシミュレーターを導入します。Hondaの安全のノウハウを店頭でもお客様に実感していただければと思います。
 さらに、幼児向け交通安全教育教材「あやとりぃ ひよこ編」を幼稚園などで読み聞かせに活用していただくという地域活動も計画しています。交通ルールを子どもたちにわかりやすく伝えていくのも販売会社の大事な仕事です。


Hondaが永年培ってきた
安全活動のノウハウを
全国レベルで展開
甲山謙一・四輪営業統括部長
 いま、Hondaがめざしているのは、安全、環境、福祉などの社会的ニーズの高まりに、各販売会社が応えられるようになることです。その一環として安全活動を積極的に推進する「レインボーディーラー」が誕生しました。
 なぜ、Hondaがそうした社会的ニーズに応えようとするのか。これは1970年代に他メーカーに先がけ、いち早く(※)マスキー法に取り組んで以来のHondaの基本的な考え方です。つまり、便利さや快適さを提供する一方で、排気ガスなどの環境への負荷、交通事故の発生といった副作用を生み出す可能性のあるクルマを生産−販売していることに対して、副作用を最小化する社会的責務があるということです。
 社会的な責務である以上、それはHondaのお客様だけでなく、地域社会全体を対象にして日常的に継続、深化させていくことが重要です。お客様の安全とともに地域における事故の減少、まさに地域でお客様と接している販売会社が継続的に取り組める体制づくりが、レインボーディーラー制度です。

※マスキー法…自動車排ガスの一酸化炭素、炭化水素、窒素化合物の排出量を五年間で90%以上削減することを目標として1970年に制定されたもの。CVCCエンジンによりHondaがはじめてクリアした。


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