MONTHLY THE SAFETY JAPAN●2002年1月号


安全確保に向けた積極的な交通安全教育へ



高山俊吉(弁護士)  昨年4月にスタートした第7次交通安全基本計画は、計画最終年度の平成17年度に死者数を8466人以下とする目標を掲げました。昨年の交通事故死者数を見ると8747人と、初年度から目標達成に大きく近づいたことになります。しかし、「そのことを手放しで喜べない」と石川審議官は語ります。
「たしかに、死者数は減少しましたが、負傷者数と交通事故件数の増加傾向は変わっておらず、死傷者数は120万人に近づいています。これは全人口の約1%に相当し、国民の約100人に1人が交通事故で死傷していることになります。1世帯3人として33世帯のうち1世帯が被害に遭っているわけです。交通事故は他人事ではありません。自分の問題として考えることからスタートする必要があります」
 第7次交通安全基本計画の重点施策の第一に上げられているのが、高齢者の交通安全対策の推進です。高齢者が事故に占める割合は年々増加しており、高齢者人口が全人口の約18%であるのに対し、全交通事故死者に占める高齢者の比率は倍近くになっています。
 内閣府が高齢者の交通安全対策として、力を入れている施策の1つが高齢者交通安全指導員(シルバーリーダー)の養成です。これは地域の教習所や自治体の協力を得て、地域活動に影響力のある中高年の方を参加・体験・実践型教育によってリーダーとして養成し、地域で高齢者を指導していくような形で安全教育の裾野を広げていくことをめざしています。昨年は10、11月に全国6ブロック(1ブロック1か所)で講習会を開催しました。
  
 今号ではこの他、「2002年が第7次交通安全基本計画の方向性を決める試金石の年」という石川審議官が考える交通安全教育における家庭の役割や、内閣府が積極的に展開する2002年の交通安全対策について紹介します。


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