初めての車中泊もこれで安心|
車中泊に必要なアイテムやクルマの選び方について

近年、コロナ禍でのアウトドア人気の高まりとともに、車内で泊まりながら旅をする「車中泊」に注目が集まっています。宿泊費などを抑えながら自由に旅ができることが車中泊の魅力です。また、最近は車中泊に使いやすいクルマやグッズが充実してきたこともあり、より車内で楽しく快適に過ごせるようになってきています。今回は、車中泊初心者の方にもおすすめのアイテムと、車中泊に向いているクルマ選びのポイントをご紹介します。

※上の写真は2018年10月に撮影したものです。撮影に使用したN-VAN +STYLE FUN・Honda SENSING (FF/CVT)は2018年7月発売モデル。

更新日:2023.03.29

車中泊をする時に、まず気を付けたいポイント

車中泊は、屋内とは異なる環境での寝泊まりとなるため、安全性や衛生面などの観点から注意が必要です。車中泊を行うにあたって気を付けたい点をご紹介します。

クルマの中で寝られるスペースや収納を確保

まず、重要になるのがスペースの確保です。
生活用品の収納はもちろん、快適な睡眠のためにも横になれる程のスペースが必要となります。リクライニングした座席で寝る、横になっても足を伸ばせない、といった状態で寝泊まりを繰り返すと、血流の低下や疲労の蓄積など、体に大きなストレスがかかってしまいます。車内で快適な睡眠を取れるように、また荷物の置き場に困らないためにも車内を広く使える空間作りを意識しましょう。

防犯対策も考慮

車内とはいえ、車中泊は屋内よりも外に近い環境です。
車上荒らしや犯罪に巻き込まれることのないよう、防犯の観点から注意と工夫が必要です。
施錠の確認をしっかりと行い、クルマを離れる時や就寝時には車内を物色されることを防ぐための対策をしっかり行いましょう。最近は車中泊用の防犯グッズも充実してきています。窓にカーテンやシェードを取り付けるなど、車外からの視線をカットすることで防犯対策に役立ちます。

暑さや寒さ対策を万全に

クルマの中は、室内よりも外の気温の変化に影響を受けやすい環境となります。
暑い時期や寒い時期の就寝時には、エアコンを使うためにエンジンをかけっぱなしにしたくなりますが、これはあまりおすすめできません。気付かない間に、クルマの隙間から排気ガスが車内に充満し、一酸化炭素中毒になる危険性があるからです。
エンジンをつけたままにせず暑さ・寒さ対策をするために、電気毛布や扇風機、ポータブルのヒーター・クーラーなどのグッズを活用し、快適な車中泊を楽しみましょう。

電源を使ってより快適に

電気が使えると、より快適に車内で過ごすことができます。
充電式のポータブル電源や、キャンプサイト・RVパークの電源など、様々な方法で電気を使うことができます。電気を使うことで、スマホやPCなどのモバイル機器の充電や、冷蔵庫や電気ケトルなどの調理家電への給電などができるようになります。電気があると、車中泊の楽しみ方のバリエーションが広がります。

まずはこれ!車中泊にマストなアイテム

車中泊をするために、まずどのようなグッズから揃えれば良いか気になる方もいるのではないでしょうか。車内で快適に過ごすために、様々な装備があると安心です。初心者の方にもおすすめの車中泊に必要なアイテムをご紹介します。

寝具

マット
車内で横になって睡眠を取る際に、車種によってはシートの小さな段差や隙間が気になる場合があります。シート上にマットを敷くことで段差や隙間が埋められ、またクッションにより寝心地を良くすることができます。
マットを選ぶ際はまず、事前にクルマの内装やシートの幅を採寸し、マットが入るサイズを確認しましょう。また、他の荷物との収納のバランスを考え、折り畳んだ時のサイズ確認も大事なポイントとなります。
マットの素材や厚みによっても商品は大きく異なります。マットの設置にあたって、折り畳み式のものや、空気を自動・手動で入れるエアマットのタイプなどの違いがあります。マットのサイズと機能、収納時のバランスを考え購入を検討しましょう。

布団/寝袋
外気温の影響を受けやすい車内では、場所によっては夏でも冷え込むことも珍しくありません。マットとともに、寝袋や布団を常備しておくと、安心して車内で休息を取ることができます。寝袋と布団では、それぞれ違いがあるので、使い心地や季節性などを加味しながら検討すると良いでしょう。

布団のメリットとしては、寝心地の良さが挙げられます。
寒い時期には電気毛布を使うなどの工夫をすると、より暖かく過ごすことができます。
ただ、寝袋に比べると、密着性が下がることや、コンパクトに折り畳められないので収納時にかさばるといった問題もあります。収納性を重視したい方は寝袋を使うとよいでしょう。

寝袋は、布団と比べて収納のしやすさが大きな特徴です。また、布団よりも密着性が高いため、保温効果にも期待できます。一方で、布団と比べるとやや寝返りや出入りがしにくいという点があります。寝袋には以下のようにいくつか種類があるので、季節や用途に合ったものを使うと良いでしょう。

マミー型(人形型)
体のシルエットに沿った形をしており、密着性が高いことが特徴です。保温性が高く、体温を逃しにくいため、冬季の利用に向いています。密着性が高い分、寝ている間の身動きが取りにくいという点もあります。
封筒型(レクタングラー型)
長方形の形をしており、体に密着しすぎず布団に近い寝心地で眠ることができます。マミー型に比べて寝返りが打ちやすいことや、暑い時はファスナーを開き温度やフィット感を調整できるという点が特徴ですが、密着性はマミー型と比べてやや下がります。

防犯・プライバシー対策の目隠しグッズ

カーテン/シェード
クルマの窓にカーテンやシェードを付けることで、車外からの目隠しができ、防犯・プライバシー対策に役立ちます。また窓を覆うことで、暑さ・寒さ対策にも繋がります。

選び方としては、窓をしっかりと覆えるかどうかに加え、取り外しのしやすさも大事なポイントとなります。市販のグッズでは、吸盤やマグネットを使い、手軽に取り付け・取り外し可能な商品も多くあります。

また、シェードはDIYでも作ることが可能です。アルミシートと布生地、吸盤などの素材から手軽に作ることができます。シェードの作り方は以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

暑さと寒さ対策グッズ

外気温に影響されやすい車内では、暑さ・寒さを対策するアイテムがあると便利です。エンジンを使わずに季節対策できるアイテムとして、ポータブルエアコンを中心に以下のようなグッズがあると良いでしょう。

暑さ対策
ポータブルクーラー、扇風機、サンシェード/カーテン、保冷枕など
寒さ対策
ポータブルヒーター、湯たんぽ、電気毛布/カイロなど

また、冬の時期は車内外の気温差が激しくなり、車内の湿度が上昇し結露することがあります。湿気は車内のカビや臭いの原因になるので、結露した水はふき取り、定期的に換気を行うようにしましょう。窓に網戸を付け換気を行う、または扇風機やサーキュレーターを使い車内の空気を循環するなどして、除湿対策を行いましょう。

ポータブル電源

ポータブル電源とは、持ち運びができる蓄電池のことです。
内部に電気を貯めておくことで、電化製品に電気を供給することができます。モバイルバッテリーと機能は似ていますが、ポータブル電源は高出力のものも多く、電力を多く消費する家電にも使うことができるので、スマホの充電や家電を使用する際にも使えます。
ポータブル電源は、商品によってバッテリー容量・定格出力が異なり、容量の大きさによって値段が変わってくるため、どのような家電を使うかを想定し機器を選ぶと良いでしょう。

目的別のバッテリー容量の目安としては以下のようになります。

100〜500Wh
スマホの充電や電気毛布など、消費電力が低いものを利用
500〜1000Wh
スマホの充電等に加え、ポータブルのヒーターや冷蔵庫などの家電を利用
1000Wh〜
炊飯器や電子レンジ、ドライヤーなどの消費電力の大きい家電を利用

車中泊を行う場合、ポータブル電源は500Wh以上のバッテリー容量があると安心です。

調理家電があれば更に快適に

調理家電を揃えることで車中泊での料理の幅が広がります。
ポータブルの冷蔵庫や小型炊飯器、電気ケトルなどの調理家電があると、火を使わずとも車内で暖かいものを食べることが可能です。
ポータブルの電子レンジでレトルト食品や冷凍食品を温めることで、お皿や調理器具を汚さずにご飯を食べることもできる他、電子/カセットコンロを使って現地の食材を調理することも可能です。ぜひ車中泊ならではの料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。

調理家電も使えるHondaのポータブル電源
「LiB-AID E500」の詳細はこちら

車中泊に適したクルマ選びのポイント

車中で快適に過ごすためには、車中泊に適したクルマ選びが必要です。
収納のための広さや、寝るためのスペースの有無など、車中泊ならではのクルマ選びのポイントをご紹介します。

収納や寝る場所など、十分な広さ

車中泊には、生活用品の収納や寝泊まりするための広い空間が必要となります。仮眠や昼寝など、少しの睡眠を取るならリクライニングでも問題ありませんが、長時間の睡眠となるとリクライニングでは体に負担がかかってしまうこともあります。車内で余裕を持って横になれる程の空間や、道具を積むための広さ・高さのあるクルマを選びましょう。

ステップ ワゴン

ステップ ワゴンは、Honda史上最大※1の空間の広さを持ち、シートアレンジの多彩さも魅力です。多様なシートアレンジを生かし、車中泊でも快適にくつろげる空間を作ることができます。

例えば、2列目と3列目のシートの背もたれを倒すことで、就寝と収納のスペースが同時にできるほどの広さを確保できます。

※1 2022年5月現在 室内三寸法(室内長<フロントガラスの上端~3列目着席時視点位置>、室内幅、室内高)に基づく、Honda調べ。

このシートアレンジでは、車内の広さが縦約200cm×横約119cmとなります。
セミダブルのベッドのサイズ(縦195〜200cm×横120cm)と比較しても、ほぼ変わらないサイズ感で利用できるため、大人が2人で横になった状態でも眠ることができます。

眠るスペースの確保に加え、3列目シートの下には荷物を収納できるので、眠る時にスペースを広く使っても荷物の置き場に困ることはありません。

また、3列目のシートを床下に格納し、2列目シートスライドを前へ移動することで、車内の高さを生かした荷物の収納・出し入れのしやすい空間を作ることができます。

車中泊に限らず、キャンプや災害時などにも、大きな荷物を運ぶために車内を高く使えるので便利です。

その他、車中泊での「ステップ ワゴン」の使い心地や道具の積み方の詳細は、以下の記事にて紹介していますので、ぜひご確認ください。

段差を解消!フルフラットにできるか

フルフラットとは、シートの背もたれを倒すことで、シートが床に水平な状態となるアレンジのことです。フルフラットにすることで、荷物の効率的な収納や、段差のない快適に眠れる空間の確保が可能となります。車種によっては、微妙な隙間や段差が出来てしまうものもありますが、マットや純正アクセサリーなどのグッズを活用することで、より快適に過ごせるようになるでしょう。

N-VAN

「N-VAN」は、床が低く天井が高いため容量を多く使えることや、多彩なシートアレンジが魅力です。前席から荷室までフルフラットにレイアウトもできるので、荷物の収納と就寝スペースの確保が同時にストレスなく行えます。

助手席と後席を収納する「助手席&荷室フラットモード」が車中泊に最適です。凹凸がほとんどなく、1人分の就寝スペースは問題なく確保ができます。

更に広く空間を使うには、純正アクセサリーの「マルチボード」の利用が便利です。
助手席と運転席を倒し、マルチボードを設置することで、前席から荷室まで、フルフラットな状態を作ることができます。車内の広さは縦約205cm×横110cmと、大人2人が横になっても就寝できる程の広さを作ることができます。

また、マルチボードを置くと、隙間に収納可能なスペースが生まれるので、効率的に荷物を収納することができます。

N-VAN」のシートアレンジや使い心地、道具の積み方について、以下の記事にて詳細を紹介しています。ぜひご覧頂ければと思います。

シェードやラックなど、アクセサリーがあると更に充実

クルマによっては、車中泊に便利なグッズが純正アクセサリーとして販売されているので、クルマを選ぶ際はチェックすると良いでしょう。
カーテンやラック、コンセントなどの様々な種類のアクセサリーがあり、それぞれクルマにフィットした形のものが用意されているため、クルマの内装に合う装備を探す手間を省くことができます。

フリード+

1,2列目まで十分な室内空間があり、車中泊で就寝する際も十分な広さのある「フリード+」ですが、充実した純正アクセサリーは車中泊にぴったりです。

まずは車中泊するための空間について、運転席と助手席を前に移動し、2列目を倒すシートアレンジ「おやすみモード」では、大人2人が寝ても余裕のある程のスペースを作ることができます。

「おやすみモード」の状態でもシートにほぼ凹凸のない空間を確保ができますが、純正アクセサリー「ラゲッジクッションマット」を使うと、さらに寝心地の良い就寝スペースを作ることができます。

ラゲッジクッションマットの厚さは約3cmあるため、微妙な段差や隙間を埋めることができ寝心地が向上します。また、耐久性・難燃性のある素材を使用使用しており、収納時は4つ折りにしてコンパクトに持ち運びすることもできるなど、純正品ならではの機能性を楽しむことができます。
また、上記写真の窓に使用しているのが、「プライバシーシェード」です。
フロント・サイド・テールウィンドウ用のシェードがセットとなっており、それぞれ取り付けることで、車外からの視線をカットし、プライバシーや防犯対策に繋がります。

その他、フリード+には、ACコンセント・ルーフラック・ラゲッジボックスなどの車中泊をする際に嬉しいアクセサリーが豊富にあります。

車中泊をする際の「フリード」の使い心地や道具の積み方の詳細は、以下の記事にてご紹介しています。ぜひご確認ください。

まとめ

これまで車中泊のポイントとマストのアイテム、クルマ選びのポイントをご紹介しました。
自由に移動できることが車中泊の魅力です。ぜひ過ごしやすい車内環境を整えて、お気に入りのクルマを見つけて頂ければと思います。
クルマ選びに関しては、車種に応じた車中泊の使い心地や道具の積み方を紹介している記事もありますので、ぜひ参考にしてください。

※当コンテンツ内にて掲載されているクルマのタイプ・ボディーカラーが販売されていない場合がございます。詳しくはそれぞれの車種サイトでご確認いただくか、販売会社にお問い合わせください。