昨年、ル・マンに戻って来たフランスGPは、今年は観客も増え、3日間で11万人以上の大観衆を集めて行われた。予選初日は時折り小雨がぱらつく生憎の天候だったが、2日目と決勝は絶好のコンディションとなり、熱い戦いが繰り広げられた。
予選初日、500ccクラスのフリー走行でトップに立ったのは阿部典史(Y)。一方、開幕から3戦まで、すべてのフリー走行でトップタイムを叩き出して来たロッシも、依然として好調な走りを見せて2番手。予選では、G.マッコイ(Y)、阿部(Y)とし烈なトップタイム争いを演じたが、わずか0.3秒差の3番手と、まずまずの出だしとなった。そして天候が完全に回復した2日目。フリー走行ではロッシがトップタイムをマーク。暫定PPのマッコイ(Y)が転倒負傷で決勝を欠場することになった。予選では、M.ビアッジ(Y)、K.ロバーツ(S)とし烈なトップタイム争いを演じて3番手。しかし、区間タイムのベスト合計では圧倒的な速さでトップタイム。今大会も優勝候補の筆頭に踊り出ることになった。
予選初日12番手、2日目の予選でも9番手のクリビーレは、一発のアタックがやや不発に終るも、内容は充実。ロッシとともに十分に優勝を狙えるセッティングを見つけ出すことに成功。予選12番手の宇川徹も、2回目の予選でセッティングを見つけだすことに成功。スタートポジションは3列目だが、決勝に期待を繋ぐことになった。
そして迎えた決勝レース。ホールショットを奪ったのは、予選2番手のロバーツ(S)で、ビアッジ(Y)、チェカ(Y)と続き、クリビーレ4番手。宇川徹が6番手、以下、カピロッシ、ロッシと続いた。ル・マンは、ストレートとハイスピードコーナー、そしてシケインを組み合わせた独特のコース。トップスピードとコーナーの速度差が大きく、レイアウトは簡単だが、タイムを上げていくのは難しいという難コース。また、抜きどころがないために、スタートが非常に重要なウェイトを占めるが、予選3番手のロッシのスタートの出遅れは、それからの戦いを厳しいものにした。
その後、レースは、ビアッジ(Y)とチェカ(Y)がじりじりと後方を突き放す展開。しかし、一周目8番手と大きなハンディキャップを抱えたロッシが、猛烈に追撃。周回を重ねる毎にポジションアップ。中盤には3番手のロバーツを交わし、トップの3台を追った。
しかし、序盤の出遅れが最後まで響いて、最後は3番手でゴール。連勝記録は3で止まったが、開幕から4戦連続表彰台に立つことに成功。チャンピオンシップでも、2位の阿部(Y)を突き放すことに成功した。
序盤4番手につけたクリビーレは、トップグループを追走するもじりじりと後退。昨年からの2連覇は達成出来なかったが、5位でフィニッシュ。予選12番手から好ダッシュを見せた宇川は、惜しくも、中盤に転倒リタイヤとなった。
250ccクラスは、開幕から4戦連続PPを獲得した加藤大治郎が好スタート。ホールショットこそ原田哲也(A)に譲ったが、オープニングラップには早くもトップに浮上。中盤までは、原田(A)、M.メランドリ(A)とトップグループを形成。中盤からは原田(A)との一騎打ちとなり、2度の首位交代劇。緊張した戦いとなったが、最終ラップに原田を交わした加藤が、開幕から4連勝、2位以下とのポイント差を広げることに成功した。チームメートのアルサモラは、今季最高位の4位でフィニッシュした。
125ccクラスは、予選2番手のM.ポジャーリ(G)がグランプリ初優勝。2位にジャンサンティ、エリアスのHonda勢がつけた。ランキングトップの東雅雄は、予選では18位と低迷したが、決勝では8位までポジションを挽回。ランキングトップの座を守った。
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