ヨーロッパラウンドの初戦となったスペインGPは、グランプリが開催されるサーキットでは、もっとも観客を集める大会。今年は天候にも恵まれ、3日間トータルで199,000人(決勝日126,000人)の大観衆を集めることになった。
ヘレスでスペインGPが行われるのは、今年で14回目。500ccクラスでは、過去13戦して11勝と、Honda勢にとっては相性のいいサーキット。今年もHonda勢の活躍に注目が集まり、開幕から2連勝を飾っている500ccクラスのロッシと、250ccクラスの加藤大治郎の走りに注目が集まった。
500ccクラスの予選初日。トップタイムを叩き出したのは、開幕2連勝と乗りに乗れているロッシ。2番手には、前戦南アフリカGPで2位につけたカピロッシと、ここまで2戦を終えて、ポールポジションを分けて来た二人が、好スタートを切った。
そして、1回目の予選でもロッシの勢いは止まらず、あっさりと暫定PPを獲得。以下、阿部典史(Y)、中野真矢(Y)と続き、カピロッシ4番手、バロス6番手、宇川9番手、クリビーレ10番手だったが、トップのロッシから1秒差以内という大接戦の中で初日を終えた。
2日目もロッシが好調。フリー走行、予選と完璧な走りで2戦連続ポールポジションを獲得。2番手には初日4番手のカピロッシが浮上と、3戦連続でこの二人がPP争いを繰り広げることになった。以下、阿部(Y)、中野(Y)と続き、2日目のフリー走行で2番手につけた宇川が、予選では痛恨の転倒で6番手に終る。クリビーレは12番手に沈んだが、トップとの差は約1秒。ロッシ、カピロッシの二人を筆頭に、優勝を狙えるポジションから決勝に挑むことになった。
そして迎えた決勝レース。ホールショットを奪ったのは阿部(Y)。しかし、すかさずロッシが逆転してオープニングラップを制する。以下、阿部(Y)、中野(Y)と続き、カピロッシ6番手、バロス7番手、宇川11番手、クリビーレ12番手と、肉薄した予選タイムを彷彿させるように、大混戦の中でレースは始まった。
激しくポジションを入れ替えるセカンドグループ。対照的にロッシを先頭にしたトップグループは、阿部(Y)を従えたロッシが悠々とトップを快走。レース折り返し点の13周目に阿部(Y)にトップを譲るが、ラスト7周で阿部(Y)を交わしたロッシがラストスパート。あっさりと阿部(Y)を突き放して開幕から3連勝を飾った。
その後方では、1周目12番手にポジションを落としていたクリビーレが、周回を重ねる毎にぐいぐいとポジションアップ。終盤には阿部(Y)の背後に迫る快走。地元スペインの大観衆の中で、スペインGP3連勝を飾った99年以来、2年ぶりに地元スペインGPで表彰台に立って復活をアピール。
クリビーレ同様、スタートで混戦にもまれた宇川も5位でフィニッシュ。序盤トップグループにつけたバロスが6位、カピロッシ8位と、トップ10にHonda勢が5台と、圧倒的な速さを見せつけることになった。
これでロッシは開幕から3連勝。125、250ccクラスに続いて、ヘレスで3クラス制覇を成し遂げた。
250ccクラスは、3戦連続PPを獲得した加藤大治郎のホールショットで始まった。その加藤をマークすることが出来たのは、予選5番手の原田哲也(A)だけ。序盤からこのふたりが後続を突き放し、一騎打ちの様相。4周目に原田(A)が加藤を交わし、2周に渡ってトップを走るが、6周目に逆転した加藤が中盤になって原田(A)を突き放し、ロッシ同様、開幕3連勝を飾った。
今大会、予選10位と徐々に調子を上げて来たアルサモラが6位と健闘。今季初ポイントを獲得した。
125ccクラスは、PPスタートの宇井陽一(D)、ポジャーリ(G)、ペルジーニ(I)、そして開幕戦日本GPで優勝を飾っている東雅雄の4人の優勝争い。序盤から激しくポジションを入れ替えることになったが、宇井、ポジャーリと次々に転倒し戦線から脱落。ペルジーニも大きく後退して、最後は東の独走。今季2勝目を飾りポイントでもトップに浮上した。これでHonda勢は、開幕戦日本GPに続いて今季2度目の表彰台独占を果たした。
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