ウェルコムでグランプリが開催されるのは今年で3回目。過去2年は、スリッピーな路面に選手たちは悩まされ続けたが、今年はサーキット周辺の整備も整い、路面のグリップも良好で、初日から好タイムが続出することになった。また、過去2年は、雨の多いレースウィークだったが、今年は連日、好天に恵まれ、絶好のコンディションの中で予選と決勝が行われた。
前戦日本GPでは、見事に3クラス制覇。史上初のグランプリ500勝を達成したHonda勢は、アフリカ大陸の南の外れに位置するウェルコムでも、好調なスタートを切った。
500ccクラスは、ロッシが初日のフリー走行でトップタイムをマーク。2番手に前戦日本GPでPPを獲得したカピロッシがつけた。以後、すべてのセッションで、この二人がライバルを圧倒。初日の予選ではカピロッシが暫定PPを獲得。2日目の予選でロッシが逆転PPと、この二人が今グランプリの本命に浮上した。
さらに、日本GPでトップグループを走行。ルーキーながら素晴らしい走りを見せている宇川徹が6番手。一昨年のチャンピオン、クリビーレも9位と復活を感じさせる走り。Honda勢は、今回も優勝を狙えるポジションにつけた。
そして迎えた決勝レース。朝方はやや雲の多い空模様だったが、決勝が始まる正午には快晴。気温も25度まで上がる絶好のコンディションとなった。絶好のスタートを切ったのは、予選5番手のK.ロバーツ(S)とカピロッシ。この二人が1コーナーでクロスラインとなり、その間にロッシがトップに立った。
しかし、2周目に再びロバーツが再びトップに立ち、ロッシがそれを追撃する形となった。その後方には、G.マッコイ(Y)、阿部典史(Y)、中野真矢(Y)、宇川徹とカピロッシと混戦模様。中盤には、この7台がトップグループを形成することになった。
激しく入れ替わるポジション。中盤には、ロバーツから阿部(Y)にトップが交代する。しかし、ペースを上げたロッシが17周目に阿部(Y)を交わしてトップに立ち、そのまま、28周のレースを見事、逃げ切った。
そのロッシを激しく追撃したのが、序盤、トップグループの後方につけていたカピロッシ。ジリジリとポジションを上げて、終盤には2番手に浮上。さらに、その後方では、阿部と中野と宇川の激しい3番手争いとなり、ラスト4周で3番手に浮上した宇川が、500cc2戦目にして表彰台を獲得。昨年のオランダGP以来の表彰台独占となった。
250ccクラスは、今大会も加藤大治郎が好調。暫定PPを獲得。2日目の予選も、コース上の渋滞に苦しみながらも、見事、2戦連続PPを獲得。決勝レースも、スタート直後は、M.メランドリ(A)と原田哲也(A)に先行を許したが、オープニングラップに原田を交わし、3周目にメランドリを交わすとぐいぐいとペースアップ。中盤には5秒もの大きなリードを築いた。終盤になって、メランドリ(A)が猛追するも、一度もトップの座を譲ることなく、開幕2連勝を飾った。
125ccクラスは、PPスタートの宇井陽一(D)が優勝。予選2番手の上田昇は、車体のセッションが完全ではなく、序盤にペースを上げられず、惜しくも3位に終った。開幕戦日本GPで優勝、Honda500勝に貢献した東雅雄は、トップグループにつけるも痛恨のコースアウト。悔しい10位に終った。
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