開幕戦日本GPが、8日、三重県・鈴鹿サーキットで開催された。鈴鹿サーキットで開幕戦が行われるのは、98年以来3年ぶりで、予選、決勝ともに天候に恵まれる絶好のコンディションの中で、21世紀最初のグランプリが開催された。
この大会は、昨年に続いて日本人勢の全クラス制覇の期待と、Honda勢にとっては、グランプリ通算500勝達成が掛かった重要な大会。3年ぶりに開幕戦が日本で行われるということで、予選初日から熱い戦いが繰り広げられた。
注目の予選初日。500ccクラスのフリー走行でトップタイムを叩き出したのは、クラス2年目を迎えるロッシ。2番手に宇川徹、3番手に芳賀紀行(Y)、以下、クリビーレ、カピロッシとHonda勢が上位に顔を並べた。予選では、M.ビアッジ(Y)、阿部典史(Y)が上位につけたが、ロッシの3番手を筆頭に、Honda勢がトップ10に5台という順調な滑り出しを見せた。
2日目を迎えても、Honda勢は好調で、フリー走行ではロッシが再びトップタイム。宇川3番手と、決勝に向けて手応えのある走りを披露。そして予選では、カピロッシが2分4秒777という驚異的なタイムでPPを獲得。本番のセッティングに重点を置いた宇川が5番手、ロッシ7番手、バロス8番手。カピロッシのスーパーラップに注目が集まったが、2位から10位までが約1秒差以内という大接戦の中で、Honda勢は好位置から決勝に挑むことになった。
そして激戦が予想された決勝レース。ホールショットを奪ったのはPPスタートのカピロッシで、序盤は長い一本の隊列となる大混戦。中盤になっても8台がトップグループに生き残る壮絶な優勝争いとなった。
そんな激しい戦いの中で、一周目8番手につけたロッシが、周回を重ねる毎に着実にポジションアップ。2周目に7位、3周目に5位、4周目に4位に上がり、7周目にはトップに浮上。それからは後続をジリジリと引き離す力強い走りで、21周のレースを見事、逃げ切ることに成功。125、250に続いて500ccクラスも制覇、Honda500勝を達成することになった。
その後方では、宇川、ビアッジ、マッコイ(Y)、阿部、中野(Y)による激しい2位争い。中盤から終盤戦にかけて快調にペースを上げた宇川が、ロッシに続いて2位争いから抜け出そうとしていたが、17周目の最終コーナーで痛恨の転倒、惜しくもリタイヤとなった。予選11番手からスタートしたクリビーレは、序盤はトップ集団の後方につけたが、スタート直後の混戦の中で多くのポジションを落とし、9位でフィニッシュすることになった。
250ccクラスは、2日間の予選でパーフェクトな走りを演じた加藤大治郎が、スタートにやや失敗して1コーナーを3番手で通過するも、オープニングラップで楽々とトップに浮上。以後、一周で後続に約1秒のリードを築く快走で独走優勝。2位の原田哲也(A)、3位のR.ロカテリ(A)に約18秒もの大差をつける圧倒的な強さを見せつけた。これで加藤大治郎は、鈴鹿で行われた日本GPでは4回連続優勝という記録を打ち立て、フル参戦を果たした昨年から、鈴鹿とツインリンクもてぎで行われたグランプリで3連勝と、驚異的な速さを見せつけることになった。
125ccクラスは、Honda勢とアプリリア、デルビ、ジレラ勢8台が入り乱れる壮絶な優勝争い。その中から、予選7番手の上田昇が再三に渡ってトップに浮上。鈴鹿をもっとも得意とする上田だけに、開幕戦優勝の期待が集まったが、ラスト4周で痛恨の転倒。以後、ポジャーリ(G)、チェッキネロ(A)、東雅雄、宇井陽一(D)、サンナ(A)、ボルソイ(A)の6人に優勝争いは絞られることになった。そしてラスト1周を残し、3番手につけていた東が、ラストラップに豪快な走り。先行するチェッキネロと宇井を次々にパスして、開幕戦最初のレースを見事に制する大活躍。この優勝が、次の250cc、500ccクラス完全制覇の原動力となった。
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