2001年全日本GT選手権第4戦が静岡県富士スピードウェイで開催された。公式予選が行われた土曜日は猛暑となったが、決勝日は一転、肌寒いほどの曇天で、早朝には小雨までが降ったものの、富士スピードウェイには5万人に及ぶファンが詰めかけた。
NSX勢は、高地にあって気圧が低く自然吸気エンジンにとって厳しい環境にある富士スピードウェイ向けに特別仕様のエンジンを準備した。しかし、ただでさえハンディのあるNSXは、シリーズ前半戦の活躍の結果、1号車の道上龍/光貞秀俊組が30kg、8号車の土屋圭市/金石勝智組が50kg、18号車の加藤寛規/セバスチャン・フィリップ組が10kg、100号車の飯田章/伊藤大輔組が20kgのウェイトハンディを背負っており、身軽でいるのは64号車のドミニク・シュワガー/松田次生組のみと苦境に陥っていた。
公式予選では予想通りNSX勢は苦戦、ウェイトを積まない64号車が4位につけたものの、18号車が11位、1号車が13位、100号車が15位、8号車が16位にとどまった。決勝レースでは、先行するライバル車にまず64号車が追いすがり、後方からハンディを抱えた4車が続くという展開となった。
中でも順調に順位を上げたのが1号車だった。レース距離の短い今回のレースでは、多くのチームが軽量化を図って燃料を少な目に搭載してスタートしていたが、1号車は敢えて満タンでスタート、ドライバー交代時の燃料補給時間を切りつめる作戦に出た。その結果、スタートを務めた光貞は耐えるレースを強いられたが少しずつ順位を上げて道上にマシンを引き継ぐ。道上も、ピットストップ時間を削減するため、リアタイヤのみを交換してコースに復帰した。この作戦が実って1号車は一気に順位を上げ、64号車に追いついた。道上は、アンダーステアに苦しみながらも64号車を抜いてNSX勢の首位に立ち、先行するライバル車を追いかけた。
結局1号車は5位でフィニッシュ。64号車が6位に続き、100号車が9位、8号車が12位となった。18号車は一時期8位にまで順位を上げていたが、スピンした後他車の追突を受けてマシンにダメージを負い、修復のために予定外のピットストップをして順位を落とし15位で完走することとなった。
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