2001年全日本GT選手権第2戦が静岡県富士スピードウェイで開催された。ゴールデンウィークまっただ中とあって、早朝から熱心なファンが詰めかけ、場内は大盛況となった。富士スピードウェイは高地にあり、気圧が低い分、自然吸気エンジンを搭載するNSXは他のターボ過給エンジン搭載車に比較すると決定的なパワーダウンを強いられて不利になる。開幕戦では圧倒的な速さを見せつけて表彰台を独占したNSXも、ここでは苦戦が予想された。
公式予選では、予想は現実のものとなった。ターボ過給の利点を活かしたライバル車はタイムアタックで突進、NSXは18号車の加藤寛規/セバスチャン・フィリップ組が7位、100号車の飯田章/伊藤大輔組(ウェイトハンディ10kg)が9位、土屋圭市/金石勝智組(ウェイトハンディ30kg)が12位、前回優勝した1号車の道上龍/光貞秀俊組(ウェイトハンディ70kg)が13位、64号車のドミニク・シュワガー/松田次生組(ウェイトハンディ30kg)が16位と、これまでにない苦境に陥った。
決勝レースでは、18号車、100号車、8号車、1号車が先行するスープラ、GT−R勢に食らいついた。NSXの利点であるコーナリング速度の高さを活かし、コーナーで間隔を詰めるものの高速コーナーから続く長いストレートでは引き離され、一進一退の闘いを続ける。今回は走行距離500kmとシリーズの中でも長距離レース。給油とタイヤ交換がいつもより1回多くなって2回必要となる。その分、レース戦略も勝敗を分ける大事な要因となる。
1回目のピットインが終わる頃、18号車は3位、1号車は4位、100号車が5位と並んだ。だが、NSXがつけこもうと考えていたターボ勢のタイヤ消耗が予想よりも少なく、逆にNSX勢は開幕戦の活躍の結果抱え込んだウェイトハンディも重荷となってわずかずつ順位を下げることとなった。2回目のピットインが終わった段階で、NSX勢は18号車が5位、以下100号車、8号車、1号車が並んでフィニッシュを目指した。
ところがフィニッシュ直前、100号車と激しく5位を争っていた18号車が最終コーナーでコースオフしレースから脱落。結局100号車が5位、8号車が6位、1号車が8位、64号車が12位で完走を果たしてレースを終えた。
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