岡山県TIサーキットは、NSX向きのコースとの事前の予想通り、練習走行ではNSXが圧倒的な速さを見せた。しかし公式予選ではライバル車も意地を見せ、昨年度のチャンピオン道上龍/光貞秀俊組の1号車が驚異的コースレコードを記録してポールポジションを獲得、ドミニク・シュワガー/松田次生組の64号車は3位、加藤寛規/セバスチャン・フィリップ組の18号車は6位、土屋圭市/金石勝智組の8号車は10位、飯田章/伊藤大輔組の100号車は13位となった。
決勝スタートでは光貞が操る1号車がポールポジションからそのまま首位へ飛び出したがGT-R23号車が背後につける。1号車は必死に逃げたが、10周目に周回遅れを抜く際のスキに23号車が1号車をかわして首位へ立つ。3位につけるシュワガーの乗る64号車の後ろからはGT-R22号車が攻め寄り、上位4台は1秒以内に密集する、まったく気の抜けない展開となった。
15周目頃から光貞は逆襲にかかり、20周目、GT-R23号車に攻めかかって首位を奪回。そこからペースを上げて2位との差を開いていった。22周目には64号車もGT-Rを追い落として2位へ進出、さらに、ハイペースで追い上げを続けていた金石の8号車も24周目に3位へ上がり、とうとうNSXの1-2-3体制ができあがった。
26周目には8号車が64号車を抜いて2位へ上がり、その際のスキに64号車がGT-R22号車に追い抜かれてNSXの1-2-3体制は崩れる。シリーズ開幕戦は、スキを見せれば順位が入れ替わる激しいレース展開となった。予選13位から伊藤の100号車も順位を上げ64号車に続くが、一方で加藤の18号車は背後からスープラ6号車に追突されてスピンオフ、大きく順位を落としていった。
レースも折り返し点を迎えようとした38周目にアクシデントが発生、セーフティーカーが入った。このタイミングで主要チームは一気にピットインしてドライバー交代を済ます。各車の間隔はセーフティーカーランの間に縮まり、レースはしきり直しとなる。43周目、首位が道上の1号車、2位に土屋の8号車、GT-R22号車を挟んで4位に松田の64号車、5位に飯田の100号車と上位にNSXが4台並んだ状態でレースが再開された。1号車と8号車は4秒程度の間隔を保って突進、1-2体制を固めていく。また100号車は再スタート前の追い越しにより10秒のペナルティストップを課せられ順位を落としたが64号車はGT-R22号車をテールトゥノーズで攻め立て、レース終了直前についに3位へ進出した。
結局、1号車はそのまま逃げ切り優勝。2位に8号車、3位に64号車が入賞し、NSX勢は表彰台を独占してさい先良くシリーズ開幕を飾ったのだった。なお100号車は6位に入賞、18号車は2周遅れの14位で完走を遂げた。
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