Report rd.15
アレックス・ザナルディ、記録づくめのチャンピオン獲得
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第15戦バンクーバーで2度目のPPGカップを獲得し、大喜びのザナルディ。
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シリーズの残り4戦を待たずに、早々とタイトルを決定したアレックス・ザナルディ。昨年に続く2年連続のチャンピオンは、リック・メアーズ(1981-82)、ボビー・レイホール(1986-87)に続く、CART史上3人目の快挙だ。
今年が3年目となるザナルディは、彼のデビュー・イヤーである1996年にもルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得しているが、ルーキー・オブ・ザ・イヤーの翌年にチャンピオンとなったのは史上2人目であり、その後連続で獲得したのはザナルディが史上初めてだ。
わずか3年の間に様々な記録を塗り替えた彼は、今シーズンは4連続優勝(デトロイトからトロントまで)を達成し、アル・アンサー・JRの記録に並ぶ。また、昨年達成した6連続ポールポジションと、11連続のフロントロウ・スタートのレコードは、いまだ誰にも破られていないのである。
今回のザナルディのチャンピオン獲得で、チップ・ガナッシ・レーシングにとっては3年連続のドライバーズ・タイトル獲得となった。1996年にジミー・バッサーが初のチャンピオンとなってから彼らの快進撃は始まったのだが、かつてこのように3連続でチャンピオンを獲得したチームはペンスキーだけ。今回のタイトル決定は、まさにトップ・チームと呼ぶに相応しい快挙だと言っていいだろう。
1994年から参戦を開始したホンダが、チップ・ガナッシ・レーシングにエンジンを供給したのは1996年のことである。'95年に初優勝を遂げたホンダ・エンジンとファイアストン・タイヤといった新興のエクイップメントをチョイスしてから、チップ・ガナッシ・レーシングは勝てるチームへと変貌を遂げた。
チップ・ガナッシ・レーシングが獲得した初タイトルは、ホンダとファイアストンにとっても同様であり、ザナルディの活躍も含めて、ここ数年でCARTの勢力図を大幅に変えることになったといえる。
昨年は、惜しくもマニュファクチャラーズ・タイトルを逃したホンダだが、今年はタイトル奪回に向けて依然ランキング・トップ。早ければ1996年の時と同じように、次戦のラグナセカで決定するかもしれない。
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