Report rd.14
ホンダの名シェフ、デイブ・ホーナー登場!
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「今日はウイスコンシン名物のビーフ・ステーキだ!」とホーナー。
彼が作った料理しか食べないCARTのオフィシャルもいるほど、彼の料理のファンは多い。
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アメリカで最も美しいサーキットといわれる“ロード・アメリカ”。ウイスコンシン州の中心に位置し、緑に囲まれた全長約6.5キロのロードコースはシリーズ中最長。今シーズン4戦あるロードコースのどれもがアメリカの北部に集まっているが、五大湖のひとつであるミシガン湖に面しているウイスコンシン州も、緯度で言えば北海道のさらに北であり、真冬にはマイナス30度にもなるという。
この地域には、ヨーロッパの、特にドイツ系の移民が数多く住んでいるのだが、彼らの先祖が持ち込んだ名産品として、この地方で愛されている食材のひとつに“ブラット・ワースト”というソーセージがある。様々なスパイスを加えた独自のテイストは、このソーセージでなければ味わえないものであり、われわれにとってロード・アメリカを訪れるときの楽しみのひとつでもある。
さて、シリーズ全戦を追うスタッフのその食事だが、ほとんどの場合、各チームやメーカーが用意するホスピタリティで摂る。ホンダも参戦当時からホスピタリティ用のモーターコーチを用意し、スタッフやメディア、オフィシャル達への食事のサービスを行っているのだが、多くのホスピタリティの中でも、ホンダの食事は特に評判が良く、毎回大勢の関係者で賑わっている。
参戦当時からシェフとしてその腕を振るうデイブ・ホーナーは、子供の頃から父親が経営するレストランを手伝い、その後本格的に料理を勉強。フレンチやイタリアンなどをベースに巧みにアレンジし、独自の料理の世界を築いた。ほとんどのホスピタリティが冷凍食品をベースに、毎回決まったメニューしか出さない中で、彼は現地の市場などに顔をだし、旬に合わせた新鮮な素材を選びだす。
火曜日には現地入りし、水曜日と木曜日の2日間を準備にあて、金、土、日の3日間は毎朝6時に必ずサーキットに入る。レース後のバーベキュー・パーティがある際は、ホテルに帰るのが12時になることもあるというほどハードな仕事だが、食事をする時の人々の笑顔と、ホンダの勝利が何よりの喜びであり、励みになるとホーナーはいう。裏方ではあるが、彼のような存在があってこそ、われわれは19戦もの長いシーズンをハードに闘えるのである。
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