Report rd.04
J.バッサー、ショートオーバル初制覇!!
(J.バッサーと、チームオーナーのチップ・ガナッシ)
CARTでは、1.5マイル以上のオーバルコースをスーパースピードウェイと呼び、それ以下は一般的にショートオーバルと言われている。
第4戦のナザレスの場合、その距離は約1マイル(正確には0.946マイル)であり、予選でのタイムは18秒台(もちろん1周のタイムである)。今回は10人がコースレコードを上回り、予選を通過した26台中、25台が1秒以内に食い込むという白熱した予選が繰り広げられた。
もてぎのように圧倒的なスピードでバトルを繰り広げるのがスーパースピードウェイの魅力だとすれば、この予選の結果からもわかるように、ショートオーバルはなんといってもその接近戦が最大の魅力であり、常に緊迫した独特のレースが展開される。
ホンダは参戦2年目である'95年に、A.リベイロのドライブでニューハンプシャーのショートオーバルレースを制覇、記念すべき初優勝を獲得した。しかし、それ以降19勝を挙げたにも関わらず、ショートオーバルの優勝はなく、いつの間にか苦手なサーキットと呼ばれるまでになっていた。
なぜホンダが勝てないのか、その理由のひとつとして、チームとドライバーの経験不足によることがあげられる。ロードコースにおいては、たとえマシンのセットアップが不完全でも、ドライバーの技術があれば挽回は可能だが、ショートオーバルはマシンがきちんと正確にセットアップされていない場合、危険以外のなにものでもない。また、刻々と変わるマシン(フルタンクから燃料が少なくなって軽くなるまでなど)や路面の状況を把握しつつ、続々と目の前に現れる周回遅れをパスする独特の能力がドライバーになければ、決して勝つことができないのだ。
今回、ホンダの記念すべき20勝目をショートオーバルで挙げることになったが、これは、ホンダ・エンジンを使用するチームやドライバーも着々とその経験を積んでいるからに他ならない。
1-2を獲得したチップ・ガナッシ・レーシングの最大の勝因は、マシンの的確なセットアップと、チームの指示に従い燃料をセーブしながら常にトップグループにいたJ.バッサーのドライビングによる。
ホンダは、今戦、トップ5に4人ものホンダ・ドライバーが入った。今後のショートオーバルにおいてもその活躍が期待されるのは言うまでもない。
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