停電の備えにHonda発電機

事業別・防災用発電機の選び方

「備え・防災アドバイザー」の高荷智也さんが、専門家の視点から
シーン別に想定される事態や災害時に役立つ発電機の選び方についてガイドします。

※このコンテンツは、2020年7月の情報をもとに作成しております。

店舗の防災用発電機の選び方

「非常時には店を閉めればよい」という考えもありますが、台風や地震などの自然災害による大規模停電は、復旧に時間がかかる場合があります。長期間営業できないことに加え、停電が長引くことで生じる商品ロスのリスクにも備えておく必要があります。

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店舗が停電するとどうなる?

店舗が停電すると具体的にどのようなことに困るのでしょうか。
発電機はどう役立つのでしょうか。

CASE.1

商店の場合(食料品店・日用品店など)

非常時において商店はライフラインそのものになるため、お客様が殺到することになり、手計算で対応するにも限界があります。発電機があればレジ照明機材(夜間に入口や店内を照らす)を使って臨時営業することができ、パソコンFAXなどを使った発注業務も可能です。

CASE.2

飲食店の場合

冷蔵庫・冷凍庫での保存が必要な食材を扱うお店では、短い停電でも食中毒のリスクが高まります。発電機があれば停電中の食材の腐敗やロスを防ぐことができ、復旧時にスムーズにお店の営業を再開することができます。

CASE.3

ペットショップ・アクアリウムショップの場合

ペットショップでは、暑さ・寒さに弱い生き物のための冷暖房器具や、冷凍エサを保存する冷凍庫が使用できないなど、生き物の健康に関わる問題が発生します。アクアリウムショップでは、熱帯魚などの飼育に欠かせない水槽用のろ過装置ヒーター・クーラーの稼働が止まってしまいます。こうしたお店では、非常時の電源確保は生き物を守るための重要な課題です。

「発電機でレジを動かしてくれたお店があった」「明かりが灯っていることがありがたかった」。災害時に営業を続けたお店に対し、そのような感謝の声が寄せられることもあります。「大変なときこそ地域の役に立ちたい」という思いの実現にも発電機は役立ちます。

店舗におすすめの防災用発電機と使用例

  • ※単位の見方:1W=1VA、1,000VA=1kVA
  • ※このページに掲載の電気機器の電力は目安になります。使用したい機器の消費電力や起動電力を必ず事前にご確認ください。

〜900W

商店の臨時営業に

レジ・照明・FAXなど、お店の営業に最低限必要な機器を動かしたい場合におすすめです。

〜1,500W /〜1,800W

使用機器を選ばず稼働させる

小型の発電機では出力が不足し、電気機器が使用できないことがあります。1,500Wの出力に対応できる発電機があれば、交流100Vで動く電気機器の大半が利用できるので安心です。飲食店において、食材を維持するために冷蔵庫・冷凍庫を動かしたいときに。中規模商店において停電時に臨時営業したいときや、大型事務機器を使用したいときなどに活用できます。

〜2,400W /〜2,600W /〜5,500W

大型店舗や大きな電力を必要とするお店に

大型店舗や、暑さ・寒さ対策が必要なペットショップ・アクアリウムショップなど、大量の電力を必要とするお店には、より高出力な発電機があると安心です。

防災用発電機を選ぶ際の
ポイント

POINT.1

防災用にはインバーター

発電機には工事現場や屋台などで使われる電源の品質にあまりこだわらない「スタンダード発電機」と呼ばれるものもありますが、スマートフォン充電やPC、マイコンを搭載した炊飯器に対して故障の心配なく使えるのは、より高品質な電気をつくる「インバーター発電機」です。防災用には「インバーター発電機」を選びましょう。

POINT.2

燃料の種類を選ぶ

防災用発電機を選ぶ際は、燃料の入手性・備蓄のしやすさについても考える必要があります。

カセットガス

  • 出力は小さいですが、手軽に使えて燃料の入手・保管もしやすいため、最低限の備えとしておすすめです。燃料をカセットコンロ・カセットガスストーブなどのガス器具と併用できるのは、小規模な避難所などでは大変役に立ちます。また、カセットボンベは最長で7年間保管ができるため、燃料の備蓄や補充の手間も最小限で済みます。

    メリット

    • 燃料が入手しやすい
    • 燃料が長期間保管できる
    • 燃料をコンロなど他の機器に使い回しできる

    デメリット

    • 連続運転時間が短い
    • 出力が小さい

    *別売りの並列運転コードで2台の発電機をつなげば倍の発電が可能。

カセットガスを燃料とする発電機

EU9iGB(エネポ)

LPガス

  • 日頃からLPガスを使用している施設なら、数日間にわたる長時間の連続運転が可能なLPガスタイプがおすすめです。普段から利用しているガスボンベの燃料を災害時に転用する形となるため、防災専用に燃料を備蓄する手間が一切かからないことが大きな強みとなります。

    メリット

    • 連続運転時間が長い
    • 燃料の備蓄が不要

    デメリット

    • 持ち運びできない(ガスボンベの設置場所に依存)

LPガスを燃料とする発電機

EU9iGP EU15iGP

ガソリン

  • ハンディタイプから大型ながら高出力のモデルまで、豊富なラインアップが魅力です。ただし燃料の長期備蓄が難しく、長期間放置すると発電機内部で燃料が劣化してエンジンがかかりにくくなるため、キャブレター部に残る燃料を抜いて保管する必要があるという点も考慮しましょう。

    メリット

    • 高出力モデルも選べる

    デメリット

    • 燃料の長期備蓄が難しい
    • キャブレターの燃料抜きが必要

POINT.3

使いたい機器の起動電力をカバーする発電機を選ぶ

使用したい電気機器の消費電力(W数)の合計を計算しましょう。モーターを搭載した機器を利用する場合、起動電力にも注意が必要です。たとえば一般的な扇風機・送風機は消費電力の約2倍、冷蔵庫は約4倍の起動電力が必要で、その起動電力をカバーできる出力の発電機を選ばないといけません。
発電機が発電できる最大量は「定格出力」で表されます。定格出力は「VA」という単位で表され、「1W=1VA」、「1,000VA=1kVA」という見方をします。
消費電力と実際に必要な電力例
例.1

LED投光器

×5
  • 消費電力

    500W(100W×5台)

  • 起動電力

    500W(100W×5台)

定格出力900VAの
小型発電機で利用可能
例.2

家庭用冷蔵庫

×1
  • 消費電力

    250W(250W×1台)

  • 起動電力

    1,000W(1,000W×1台)

定格出力1,000VA以上の
発電機が必要

POINT.4

運転時間で選ぶ

発電機選びの際には、必要な電力量と同時に運転時間を想定することが大切です。避難所では、夜間も燃料の補給を行わずに照明を灯し続けられるように6〜8時間の連続運転を想定すると良いでしょう。
特に市民体育館や大型運動施設などに設けられる大規模な避難所の場合、長時間の停電を想定し、運転時間の長い発電機の備えが必要となります。また、LPガスを利用している施設であれば、数日間にわたって運転可能なLPガスを燃料として利用できる発電機を選んでおくと安心です。
運転時間が長い主な発電機

POINT.5

移動のさせやすさで選ぶ

機動力が必要とされる災害時の現場では、移動させやすい発電機が役立ちます。また、車輪がついた発電機なら保管施設から利用場所までの移動も苦になりません。軽量な発電機は出力も小さくなりますが、「並列運転」に対応した発電機であれば、専用コードで2台つなげて倍の出力を取り出せるため、多くの電気機器の使用に対応することが可能になります。
移動させやすい主な発電機

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事業別・防災用発電機の選び方

【解説】

高荷智也(備え・防災アドバイザー/BCP策定アドバイザー)

大規模停電のリスクと発電機活用事例

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