アオリイカ
分類
ツツイカ目ヤリイカ亜目ヤリイカ科
学名
Sepioteuthis lessoniana
別名
モイカ、バショウイカ、ミズイカ

刺し身の盛り合わせ
(鳴門巻き/格子の湯霜造り/糸造り)

3種の切り方で華やかさと食感を演出!

上品な甘みとねっとりした食感で「高級イカ」とされるアオリイカ。刺し身は切り分け方にバリエーションを持たせることで、さまざまな口当たりを楽しむことができる。ここでは「鳴門巻き」「格子の湯霜造り」「糸造り」の3パターンを紹介。

材料(4~5人分)
  • ・アオリイカの身(1kgサイズの胴体)
  • ・焼き海苔(大1枚)
  • ・つま、けん(大葉、ニンジン、ミョウガ、スダチ、オゴノリなど適宜)
作り方
1
表身と裏身の薄皮を処理したアオリイカの胴体を、先端から末端に向かって縦2~3枚の節身に切り分ける。なお、イカの仲間は胴体に対して横向きに繊維が通っていて、縦方向に包丁を入れると繊維が切断され食べやすくなる性質がある。
2
【鳴門巻き】は、鳴門海峡の渦潮をイメージしたお造り。切れ目が多く入ることで食べやすく、見た目も美しくなる。最初に節身を8cmほどの幅に切り分ける。
3
切り分けた節身の表身を上にして、その両端に竹串を置く。
4
竹串をストッパーに利用しながら、身厚の3分の1、刻み幅5〜6mm程度に包丁が入るように切れ込みを入れていく。要領が掴めたら、竹串なしで作業しても問題ない。
5
このような状態になる。刻み幅は多少ランダムになっても問題ない。
6
切れ込みを入れた表身を下にし、身の大きさに合わせた焼き海苔を乗せる。
7
端からきっちりと巻き込む。
8
巻き込んだ状態。
9
ラップフィルムに包んで冷蔵庫で10分ほど寝かせる。これにより、最後に切り分ける時に型崩れしにくくなる。
10
冷蔵庫から取り出し、端から厚さ1~1.5cmの小口切りに切り分ける。この作業で胴体の繊維を切断することになり、歯触りも軟らかい鳴門巻きが出来上がる。
11
【格子の湯霜造り】は、まず節身に格子柄の飾り包丁を刻んでいく。最初に表身を上にした状態で、刃を若干傾けて当て、刻み幅5~6mmで身に対してやや斜めに切れ込みを入れていく。
12
続いて最初の切れ込みと交差するように同じ間隔で切れ込みを入れていく。慣れないうちは鳴門巻きと同じく、2本の竹串をあてがうと簡単。
13
裏身にも浅く切れ込みを追加してもよい。
14
鍋に湯を沸かし、菜箸でつまんだ身を素早くくぐらせ、表面が白っぽく変わる程度に湯ぶりをする。
15
湯ぶりをしたら、すぐに用意した氷水の中で冷やす。すると立体的な模様が浮かび上がり、これにより独特の食感も出せる。
16
ペーパータオルなどで余分な水気を吸い取る。
17
最後の切り方は短冊や薄切りなど好みでよい。ここでは正方形に近い色紙切りとし、まず幅2~3cmに切り分ける。
18
さらに四角く2つに切り分ける。なお、格子の湯霜造りは、湯ぶりの処理をする過程で熱が入り薄皮も食べやすくなるため、さばきの段階で表身の薄皮を落とさなくても気にならない。
19
もう一種類の【糸造り】は、最初に薄くスライスすることで、食べやすさや醤油との絡みがよくなる簡単な切り方。身が厚いアオリイカが向いており、まず薄く大きめのそぎ切りにしていく。
20
そぎ切りにした身を、少し重なるくらいにまな板の上に並べ、最後は端から細く切り分けていけば糸造りになる。
図解!アオリイカの繊維
イカは繊維を断ち切る方向に包丁が入ると食べやすくなる(あわせて薄皮の処理も必要)。イカの身は横方向に繊維が走っている。
【鳴門巻き】
最初は繊維と順目だが、最後に切り分ける段階で繊維を断ち切る方向に包丁が入る。
【格子切り】
身の表面に包丁を入れる。斜めに細かく切れ目を入れているので繊維が切られやすい。
【糸造り】
薄くそいでから細く切ることで繊維を細切れにしている。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。