渓流ルアーフィッシングの基本は「釣り上がり」だ。ヤマメやイワナは上流に頭を向けて泳いでいるため、上流側から釣り人が近づくと、その気配に怯えて石の下などに潜ってしまう場合が多い。そうなると何をやっても釣れなくなってしまうので、上流に少しずつ進みながら釣りをする。同時に、他の釣り人が先に川に入っている場合、その人がこれから釣っていくと予想される範囲の上流側に入るのはマナー違反。そうした行為は避けるようにする。
釣り方は、まず「アップクロス(アップ&アクロス)」と呼ばれる、自分の斜め上流に向かってキャストしていく方法が基本になる。そのうえで、場所によっては「サイド」のポジショニングもよく使う。アップクロスでねらうのは、不用意に川の中に入ると釣り人の存在に気付かれやすいので、岸に立って少し上流のポイントにルアーをキャストしていくから。そのうえで、自分と魚の間に波立ちがあって、釣り人の気配を小さくする遮蔽物になってくれるような場合には、ねらう場所の横まで近づいて釣るのも効果がある。川には流れがあるため、斜め下流からねらうだけでなく、横からもねらってみることで、ルアーをよりじっくり魚に見せられる場合があるからだ。
つまり、「アップクロス」と「サイド」を組み合わせて釣っていくことで、よりヤマメやイワナにルアーをアピールできるタイミングを増やすことができる。