源流のイワナ釣りで愛好者が多いのはエサ釣りとテンカラ釣り。エサ釣りは多くの状況で釣果が安定するメリットがある。テンカラはエサが要らず、虫の多い真夏の川ではよく釣れて道具も少なく済む。ただし、最近はコンパクトに収納できるルアーロッドやフライロッドも多数あるので、自分がやりたい釣りでもちろんよい。
どの釣り方を選ぶにしても、大切なのは源流という希少な環境に暮らすイワナを必要以上にキープしないこと。現地で美味しく食べる分以外は元気なうちに流れに帰したい。
エサ釣りの場合、基本的にはエサは現地で川虫を採取するが、時期によってはその数が少ないこともある。そこで釣具店で購入できるキヂやブドウムシも最低限は用意する。特に急な雨などで川が増水すると、毛バリではなかなか魚が釣れず、さらに川虫も採取できないケースがよく起きる。そんな時は用意しておいたキヂやブドウムシを使ったエサ釣りが無難だ。
一方、毛バリを使うテンカラ釣りも、夏の源流では周囲の森から川に落ちて表層近くを流れる甲虫がイワナの好物となっているため、状況がマッチすると大きな釣果に恵まれる。特に増水と反対の渇水の時は、エサ釣りよりも表層を流しやすい分、テンカラの釣果がエサ釣りを凌ぐこともよくある。エサを採ったりハリに付けたりする手間もいらないので釣りも軽快だ。エサ釣りの仕掛けの先に毛バリを結ぶこともできるので、毛バリもやはり準備しておくとよい。