日本の沿岸に生息するイカの中では大型の部類に入るツツイカ系のイカ。近年、地域によりシロイカ、アカイカ、クワイカの3亜種がいることが判明したが、まとめてアオリイカと呼ぶ。胴長は40cmくらいになり、大きいものでは胴長50cm・3kgを超える。比較的暖かい海域を好み、北海道などでは獲れない。春から夏にかけて沿岸部の浅場に親イカがやってきて藻場に産卵。その後、夏から秋にかけては小型の個体が岸寄りで集団を作る。春に岸寄りの藻場で生まれたアオリイカは、岸近くで小魚などを食べながら、夏を越す頃には300~600gまで育つ。これがいわゆる秋イカで、岸からねらうエギングの人気ターゲットだ。その後、秋から冬にかけて水温が下がっていくと、イカは水温がより安定する深場へ徐々に移動していく。ティップランエギングが好適期を迎えるのがこのタイミングだ。深い場所に落ちているイカは、活性自体はけっして高くないが、春に比べると集団でいることが多いため、その時に好むカラーの餌木を通してやるとヒットが連発する。つまり繊細なゲーム性を楽しみながら、数釣りも味わえる面白さがある。
大きな目で小魚や餌木の動きをとらえる。
釣りあげられ興奮したアオリイカは体の色が複雑に変化する。