天野 三三雄 氏
月刊『Basser』編集長
天野 三三雄 氏
大学在学中に季刊『Basser』の編集アルバイトとして参加。その後、スポーツ紙釣り欄担当を経てつり人社入社。月刊『つり人』副編集長を経て、2009年より月刊『Basser』編集長を務める。『アオリイカ地獄』、『ロックフィッシュ地獄』、『シーバス地獄』などソルト系ムックの編集長も兼務。釣りはルアー全般のほかハゼ、カワハギ、カレイなど江戸前の釣りを好む。

寒い冬こそ南国沖縄でお手軽フィッシング!

透明度抜群の沖縄の海。足もとには真新しい墨跡。エギングロッド1本を持参して餌木を投げたりルアーを投げたりするだけのお手軽釣り旅もアリ!
透明度抜群の沖縄の海。足もとには真新しい墨跡。エギングロッド1本を持参して餌木を投げたりルアーを投げたりするだけのお手軽釣り旅もアリ!
防寒着を手放せない季節を迎えた。地域によってはすでに雪に閉ざされ、釣りは来年の暖かくなる季節までおあずけと思っている人も多いかもしれない。

でも、そんな寒い季節だからこそ強くおすすめしたいのが今回紹介する沖縄県のお手軽ソルトゲームだ。亜熱帯地方に属する沖縄県は12月に入っても最高気温は20℃以上。25℃以上の夏日も珍しくなく、天候に恵まれれば短パンとTシャツでもOKという別天地。暑すぎる夏よりも快適に過ごせ、避暑地ならぬ避寒地として最適の楽園といえる。しかも国内屈指のリゾート地である沖縄も冬期は観光オフシーズン。航空チケットや宿泊費も割安といいことづくめだったりする。
せっかくのリゾート地。釣りだけではなく観光も楽しみたい。釣り好きの方のなかには旅行に行くたびにタックルを忍ばせている人も多いと思うが、意外に観光と釣りの両立は難しく、せっかく持って行ったタックルの出番はほとんどなく、無理やり数時間だけロッドを振っても釣果に恵まれないことのほうが多いはず。そんななかで、ここ沖縄は自信をもって観光と釣りの両立ができる稀有なリゾート地だと断言できる。
那覇空港に着いてレンタカーを借りたら、真っ先に向かってほしいのが『シーランド』や『寄宮フィッシングセンター』といった大型釣具店。現地スタッフに「こんな釣りをしたい。こんなタックルを持ってきている」と伝えれば的確なアドバイスをもらえるはず。とにもかくにも現地の釣具店で情報を得て、よく釣れているというご当地ルアーを購入するのが得策だ。
那覇市内にある大型釣具店は品ぞろえも充実しており、県外からの旅行者にも親切にアドバイスをしてくれる。郷に入っては郷に従えでご当地ルアーを購入するのが釣果への近道だ
那覇市内にある大型釣具店は品ぞろえも充実しており、県外からの旅行者にも親切にアドバイスをしてくれる。郷に入っては郷に従えでご当地ルアーを購入するのが釣果への近道だ
陸っぱり用に持参するならエギングロッド1本、尺メバルソイでもOKのやや強めのロックフィッシュロッド1本、さらにバスロッドが1本あれば、たいていの釣りはカバーできるはず。
本土よりひと足早く2kgオーバーがお目見えするアオリイカのエギングは冬から本格シーズンを迎える。ボトムにはサンゴがあるためリーダーは3号以上の太目が無難という程度で、あとは通常の釣り方と一緒。ただし、南国ならではの大型コウイカであるコブシメがヒットする可能性もあるので、ギャフ玉網は必携。釣り場は那覇市内の港湾部をはじめ本島沿岸部ならどこでもねらうことができる。よさそうな釣り場を探して海沿いの道をドライブするだけでも気分爽快である。

また、エギングが楽しめる遠浅のリーフ内には多彩なロックフィッシュが潜んでいる。透明度抜群の海なので、サンゴの際にジグヘッドリグミノーを通せば、現地でミーバイと呼ばれる多彩なハタ類が果敢にルアーを追うはず。現地でイシミーバイと呼ばれるカンモンハタはもっとも手軽なターゲット。そのほか高級ハタのスジアラ、バラハタアカハタなど多彩なハタ類が待っているハタ天国がここ沖縄の海なのだ。
沖縄はロックフィッシュの宝庫であり、とりわけハタ類が豊富。これは鯛ラバにヒットしたハンゴーミーバイ(アカハタ)
沖縄はロックフィッシュの宝庫であり、とりわけハタ類が豊富。これは鯛ラバにヒットしたハンゴーミーバイ(アカハタ)
11月末の釣行では500g前後がアベレージサイズだったが、年明けには2㎏超のアオリイカもお目見えする
11月末の釣行では500g前後がアベレージサイズだったが、年明けには2㎏超のアオリイカもお目見えする
港湾部やリーフのみならず河口付近も多彩な魚たちが遊び相手になってくれる。小型のポッパーやシャッドを速引きすればミニトレバリーをはじめ、ダツ、ヤガラ、カマスがド派手なチェイスを見せてくれる。またボトム付近を探れば大型のマゴチやティラピアもねらえ、とくにティラピアは那覇市街地を流れる河川内でも釣れることから、場所によっては那覇市内のホテルから徒歩圏内で釣りが楽しめるかもしれない。
アオリイカ以上の重量感が味わえるコブシメ。3㎏超はザラだ。観光がてら市場を散策すると、今釣れている魚の種類とサイズがよくわかる
アオリイカ以上の重量感が味わえるコブシメ。3㎏超はザラだ。観光がてら市場を散策すると、今釣れている魚の種類とサイズがよくわかる
とにかく何が釣れるかわからない面白さがいっぱいの沖縄。フエダイ、フエフキダイの仲間も沖縄では人気が高く、なかでも最大90cmにもなるタマン(ハマフエフキ)は超人気ターゲットで、その怪力ゆえ専用ロッドも多数市販されているほどだ。

もっとディープに楽しむなら離島へ、オフショアへ

せっかく沖縄に来たのだから、もう少し本格的に釣りを楽しみたいという人は、沖縄本島から渡嘉敷島や座間味島といった離島に渡るのも手。本島と離島を結ぶ拠点、泊港のとまりんから渡嘉敷島まではフェリーで70分、マリンライナーならわずか35分。座間味島まで足を延ばしてもフェリーで2時間弱、マリンライナーなら1時間強。渡った先は本島よりも色濃い大自然が待っているから観光スポットとしても最適。亜熱帯の海をより強く味わうことができるはずだ。
渡嘉敷島の陸っぱりで釣れたアーラミーバイ(ヤイトハタ)
渡嘉敷島の陸っぱりで釣れたアーラミーバイ(ヤイトハタ)
昼も夜も釣り物がいっぱい。これはバイブレーションプラグにヒットしたタチウオ
昼も夜も釣り物がいっぱい。これはバイブレーションプラグにヒットしたタチウオ
また、仲間同士で行くなら断然チャーターボートがおすすめ。こちらはレンタルタックルもあるので手ぶらで楽しむこともできる。ルアーはメタルジグ、鯛ラバ、インチクがあればハタやフエフキダイの仲間を釣ることができるし、最近沖縄でも流行の兆しを見せているひとつテンヤ(本土に比べて重い15号前後が主流。現地の釣具店で購入可能)を使えば入れ食いもある。エサはエビよりも持ちのよい魚の切り身を使うのが沖縄流。サンゴの際をねらうため、ハリスも10号前後の太目を使う。エサを使うのに抵抗があるルアーマンは、ここにソフトベイトをセットすればOKだ。

釣った魚を食べたいという人はクール便で自宅まで配送するもよし、機内の荷物としてクーラーボックスを預けるもよしだが、1番のおすすめは市内の居酒屋さんや小料理屋さんに釣果を持ち込んで料理を作ってもらうこと。残りの釣果はお店にあげれば喜んで料理をしてくれる。釣果が酒の肴だけでなく、店員さんやお客さんとの楽しいコミュニケーションツールになるだろう。
アカジンミーバイ(スジアラ)と並ぶ高級根魚のナカジューミーバイ(オジロバラハタ)。こんな釣果を持参したら、小料理屋さんのご主人も大喜びで料理してくれる!?
アカジンミーバイ(スジアラ)と並ぶ高級根魚のナカジューミーバイ(オジロバラハタ)。こんな釣果を持参したら、小料理屋さんのご主人も大喜びで料理してくれる!?

エギング派もオフショア派も那覇へGO!

すべてがフリープランという気ままな釣り旅がいいと思う人もいれば、せっかくならツアーを利用したいと思う人もいるだろう。後者におすすめなのが2012年2月25日(土)に開催される「オキナワ・インターナショナル・フィッシング・トーナメント2012inとまりん」への参加だ。このトーナメントは現地の方も参加するが、広く県外からの参加者を募っており、専用のツアーも用意されている。大会自体も沖縄の釣りは初めてという人にも安心して楽しめる内容になっている。
コースは大きくわけて2つ。ひとつは陸っぱり限定のエギング部門。対象魚はアオリイカとコブシメ。参加費は、沖縄本島コースは2000円、渡嘉敷島コースは4000円、座間味島コースが5000円。いずれも選手登録費、前夜祭を含むパーティー参加費、保険代が含まれており、渡嘉敷島コースと座間味島コースには往復の船舶代まで含まれているのでかなりお得。もうひとつは慶良間諸島近海でのライトジギングコース。少人数でボートをチャーターするのは金額的に負担も大きくなるが、今回は参加者同士の乗合制なのでひとり1万2000円のみでOK。もちろん、船代だけではなく選手登録費、前夜祭を含むパーティー参加費、保険代も含まれている。本格的なジギング経験がない人でも参加できるように、鯛ラバやインチクのほかひとつテンヤ釣りもOK(ただし生エサの使用は禁止)とあって敷居は低い。対象魚も幅広く、サメ、イカ、タコ、カニ、エビ、ウツボ、フグ以外なら青物でも根魚でもトレバリーでもOK。いずれも上位入賞者には豪華賞品が用意されているという。
沖縄釣女会の皆さん。沖縄の女性はみんなパワフルで明るく釣りも上手!
沖縄釣女会の皆さん。沖縄の女性はみんなパワフルで明るく釣りも上手!
2月24日は大会本部のとまりんにてウエルカムパーティーを開催。25日はトーナメントおよび表彰式、交流会。26日はオプショナルツアーに参加するもよし、フリープランで釣りを楽しむも観光を楽しむもよし(天候次第でトーナメントを26日に順延)。

「オキナワ・インターナショナル・フィッシング・トーナメント2012inとまりん」参加者のための釣りパックの出発地は東京、名古屋、大阪、福岡からの4か所から選べる。詳細はオキナワ・インターナショナル・フィッシング・トーナメント2012大会事務局のHPを参照のこと。寒い冬こそ暖かい沖縄でアツい釣りを楽しんでみては?
今回ご紹介したエリア
沖縄県/南国のエギング&ロックフィッシュゲームMAP
アクセス
東京方面からは羽田空港から那覇空港へ約2時間強のフライト。現地ではレンタカーを利用するのがおすすめ。
※このコンテンツは2011年12月の情報をもとに作成しております。