基礎知識&準備編

船外機のメンテナンスと
保管について

使用後は、海水の塩分を
しっかり落とす

2馬力ボートの心臓部である船外機は、使用後のメンテナンスが欠かせない。長持ちさせる最大のコツは、海水に含まれる塩分をしっかり落としてやることだ。そして空冷式のBF2では、その作業負担がとても軽い。BF2の特性と合わせて、基本的なメンテナンス方法、さらに保管時の注意点を紹介しよう。

基本は外周りの水洗い

釣りを終えたボートや船外機は、なるべく早く水洗いをして乾燥させる。基本的には外周りを真水で流し、汚れや潮気を洗い流すだけでも、簡易的な清掃作業としては充分だ。
この作業をする際は、エンジンを立てかけられる船外機スタンドがあるとよい。船外機スタンドは市販品を購入できるほか、自作する人も多く、自宅での保管や車での運搬の際も役立つ。

カバー内の清掃

外周りを水洗いするだけでも日常的な手入れは大丈夫だが、風や波が強い日などは、飛沫や潮風によって取り込まれた潮気がカバー内に残ってしまう。そこで万全を期すなら、カバー内をサッと水洗いするのがよい。ただし、写真の丸く囲んだ部分は水濡れ厳禁。水が侵入しないよう手を当てるなどし、その周りを慎重に洗い流す。

本体下部の清掃

さらに、水中に浸かっていた部分は家庭用のポリバケツなどに水を張り、その中に入れて水洗いすれば万全。こうすると流水が届きにくい場所に残った細かい汚れや潮気も除去できる。

本体に残った燃料の除去

また、使用後の船外機に残ったガソリンは抜いておく。基本は燃料タンク内に残ったガソリンを専用のポンプを使って携行缶などへ戻せばOK。

ポンプで吸い出しきれない燃料はエンジンを回して消費する。エンジンが自然に止まったところで燃料抜きは完了。この作業が地上でできるのも空冷式のBF2の特徴だが、作業中はプロペラで怪我をしないようにくれぐれも気を付ける。

なお、船外機を長期間使用しない場合は、キャブレター内に残ったガソリンも抜くほうがよい。その際は、燃料コックレバーを「運転」側(斜線が入っていないほう)に合わせ、ドレンスクリューを緩める。するとスクリューで塞がれていた穴からポタポタとガソリンが落ちるので、容器やウエスなどで受けて適切に処分するが、近くでの火器使用や静電気には注意して作業する。

プロペラ周りは必ずチェック

そのほか、使用ごとに必ずチェックしたいのがプロペラ周り。プロペラの破損や離脱は重大事故につながるため、使用後は必ずチェックしよう。本体の羽に損傷がないかだけでなく、それを固定する「シャーピン」「割りピン」という2つの金属パーツも必ず点検する。

さらに出航時も予備を持参し、万一破損したり脱落しているときは、見逃して出航することがないよう万全を期したい。

BF2を横置きする際の注意点

BF2は使用時と同じように立てて保管するのがベストだが、すでに紹介しているとおり、横倒しにしても問題はない。ただし、その際は、船外機側面のケースプロテクター(丸く囲んだ部分)を必ず下にする。また、プロペラ側のほうが高くなるような置き方は厳禁で、エンジン本体側が高くなるようにして保管するように心がける。

次回からは、2馬力ボートを使った実際の釣りの模様をレポート。「手前船頭」で自由に遊ぶ楽しさを引き続きお伝えするので、ぜひお楽しみに。

今回使用した船外機

BF2

2馬力クラスで、
唯一の空冷エンジン搭載。
Honda船外機の
ベストセラー

4ストローク2馬力船外機において、クラストップレベルの軽量・コンパクトさや空冷エンジンによる扱いやすさ、メンテナンスのしやすさといった特長を持つBF2。丸みを帯びた親しみやすいデザインで、燃料タンクの容量もクラス最大の1.1Lあり、余裕のある快適なクルージングを可能にしている。

※このコンテンツは、2023年9月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。