基礎知識&準備編

2馬力ボートで使用する
アイテム

ボートや船外機のほかにも
安全に航行するための
アイテムがある

2馬力ボートで安全に遊ぶためには、ボート本体や船外機の他にもいくつかのアイテムが必要になる。具体的には、落水時の安全を確保するライフジャケットは必ず着用し、そのほかにも、オール、空気入れ(エアポンプ)、ポールと旗、携行缶に入れた予備燃料、アンカーといったアイテムを準備して海に出る。また、釣りをするため使用される装備類についても、基本的なものを紹介しよう。

ボート用の装備

ライフジャケット

万一の落水の際に浮力を確保するライフジャケットは必ず着用。大きく分けてチョッキ型の固形式と、落水を検知するとカバー内の気室が膨らんで浮き輪のようになる自動膨張式(写真)がある。どちらを着用してもよいが、大切なのは乗船前から着用し、陸に上がるまで外さないこと。また、性能がきちんと発揮されるように、バックルや股ヒモなどは正しく装着しておく。

オール

離着岸時にすばやくボートを動かしたり、沖での船外機の故障や燃料切れといった万一のトラブルの際に欠かせないのが、人力で推進力を確保できるオール。エンジン付きのボートでもオールは必ず搭載しておき、その際は気づかないうちに落として流失させないように、ボートに備え付けの金具類に固定したりロープで結んでおく。

空気入れ(エアポンプ)

インフレータブルボートは、船体に送り込んだ空気で浮力を獲得するので、設営のための空気入れは必需品。準備段階では車内のソケットやUSB端子などから電源を取って使える電動式の空気入れがあると便利だが、電動式が故障した場合に使える足踏み式も用意しておき、なおかつ海上での万一の空気漏れにも対応できるようボートに載せておく。

ポールと旗

ミニボートは波間に隠れやすく、他船から見つけにくい。そこで周囲からの視認性を高め、衝突や接近といった事故を防ぐために、ポールと目立ちやすい色の旗が必需品になる。船尾などに立てて存在をアピールする。

ロープ類

桟橋への係留や器具の流出防止、緊急時の備えとしてロープの予備を持っておくと何かと重宝する。その際は、必要なときにサッと使えるよう、絡まりのないようにまとめておく。

予備燃料と携行缶

海上でのガス欠は即漂流につながる。燃料は出航前に必ず満タンにし、さらに沖で必要になった場合に備えて、携行缶に入れた予備燃料も必ずボートに積んでいく。
なお、携行缶でガソリンを購入できるのは有人のガソリンスタンドのみで、運転免許証などによる本人確認が必要になり、詰め替えの作業は従業員が行うことが消防法で定められている。
また、ガソリンを補給する際は、「周囲の安全を確認」「フタを開ける前にエンジンを停止」「高温の場所で使用しない」など、携行缶に貼られている注意事項をしっかり守る。
そのほか、釣りを終えたあと、片付けの際には、燃料タンク内に残ったガソリンを抜き取る作業があり、そのときはガソリン用のポンプも必要になる。

(参考)消防庁「ガソリンを携行缶で購入する皆様へ」

ドーリー(トランサムドーリー)

2馬力ボートをスロープまで運ぶ際に必要な装備。形状はさまざまだが船尾のパネル(トランサム)に装着するタイプは多くのボーターが利用する。海上では車輪を引き上げる。

アンカー

ボートを特定のポイント周辺に固定したい場合に使うアンカー。ロープは一定の長さが必要で最低でも水深の5倍程度の長さを目安にする。

パラシュートアンカー

ロープの先に傘状の布が結ばれたタイプのアンカー。海中に降ろすことで潮流をつかみ、風とのバランスでボートをゆっくり流すことができる。またボートを安定させる効果もある。こちらは特に釣りで利用する。

救命具

沖に出る際はライフジャケットの着用がマストだが、ボート内にはそのほかに浮き輪などの救命具も装備しておく。

その他のアイテム

緊急時の連絡や気象情報の入手に欠かせない携帯電話は防水パックに入れて携行する(海での非常通報は「118」番であることも覚えておく)。
そのほかに機械トラブルに見舞われたときにも落ち着いて対処できるよう、付属の工具・説明書・予備のロープ(写真)も、防水バックなどにまとめて持っていくとよい。ただし、海上での作業時に落下させないように作業は焦らず行いたい。

釣り用の装備

魚群探知機

ボート釣りで効率よくポイントを絞り込むために欠かせないお助けアイテム。水深や海底地形、一定の大きさであれば個別の魚や魚群の存在なども画面上で確認できる。

ロッドホルダー

釣りの最中やポイント移動時にサオを掛けておけるロッドホルダーは利便性が高く、インフレータブルボート用のものが販売されている。

ランディングネット

大型の魚のほか、ゴミや小物が落水した際の回収にも重宝する。枠の部分に浮力体を装着しておくと落水時も紛失せずに回収できる。

クーラーボックス

釣った魚やエサの保冷だけでなく、食料や飲み物の保管に至るまでボート釣りには不可欠な装備。容量は15〜20Lが好適。

クッション

ボート上では座っている時間が長いので、船釣り用に販売されている水濡れに強いクッションを用意しておくと身体への負担が軽減される。

フェルトシューズ

離着岸を行う船揚げスロープは、ノリなどが付着して滑りやすい場合が多い。渓流釣りやアユ釣り用のフェルトシューズがあると安心。

釣りに必要なアイテムのそろえ方は経験を重ねるほどこだわりが出てくる。ボートへの取り付け方も含めて、実際に海に出てみながら、少しずつ自分好みに機能を高めていくとよい
※このコンテンツは、2023年9月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。